マジックザギャザリングで対戦しているとき、初心者の方だけでなく、中級者や上級者であっても全然対戦に勝てないというスランプのような状態になるときがあります。
中級者以上の場合は、しばらくプレイしていなかったときに陥りやすいですが、そうでなかったときでも嫌になるくらい勝てない・・・というときが来ることがあります。私もMTGアリーナをプレイしているときにそのような状態になるときがあります。
そんな時、どうすればその状態から抜け出すことが出来るのでしょうか。その時にするべきことについて解説します。
全然勝てない時はまず冷静になる

早速、マジックのプレイに関することではないですが、まずは「冷静になって原因を分析すること」これが一番重要です。
というのも、負けが続くとストレスを感じたり、運のせいにしたり、なかば自暴自棄になったりと、精神的にやけくそ状態になりがちです。これをポーカー用語で「ティルト」と言いますが、やけくそになると本当に良いことが一つもなく、その状態が更なる負けを呼び負のスパイラルにハマります。こうなってしまうともう言わずもがな・・・ですね。
これは恐らく頭ではわかっている方も多いと思います。ですが、実際に負け込むとそうなってしまうという方は非常に多いです。実際、これを書いている私もそうなりがちです。負け込んでしまっている時には自身が「ティルト」状態になっていないかどうか自問自答するようにしましょう。
やけくそ状態になってしまっているなと思った場合、しばらく対戦すること自体を辞めてみることも良いと思います。対戦して勝利することで落ち着きを取り戻そうとしても逆効果になることが良くあります。まさにギャンブルで陥りがちなことと同じですね。
少し落ち着いたら原因を分析するステップに移りましょう。
MTGは自分の選択肢を増やすほど強くなる
MTGのゲームプレイは無数の選択肢から最適な選択肢を選択することを連続して行っていくゲームです。無数の選択肢の中から最適解を選択していけるようになることで勝率はグッと上がっていきます。
この選択肢から最適解を選ぶためには、まず選択肢を増やすことが重要になります。具体的には特にゲームプレイ中に発生するケース毎に自分の頭の中に存在していなかった選択肢をドンドン増やしていくということです。この選択肢が存在しなければそもそも最適解が選べるようになりません。MTGの難しさ(奥深さ)は選択肢の多さが起因しているということもあります。
この選択肢を増やすために前項で述べた「冷静になって原因を分析する」ということが効果的です。
勝ったゲームでも勝った理由を考えるのは効果的ではありますが、特に負けたゲームで自分が各ターンに取った行動を振り返りましょう。すると自分が選択したプレイ以外にもいくつか選択肢がある場合が殆どでしょう。その選択肢をとっていたらどうなっていたか振り返ってみることがおすすめです。あの時使ったクリーチャー除去を次のターン以降でプレイしていたらどうなったか、あの時の攻撃やブロッククリーチャーの指定を違うパターンにしていたらどうだったか、等々考えられることはいくらでも見つかると思います。こういった積み重ねが自分の中での選択肢を増やしていくことになり、結果最適解にたどり着く可能性を上げてくれます。ゲーム中は考えてはいるにしても直観に近い選択肢を取っている場合も多いことでしょうし、落ち着いてから振り返るのがベターです。
MTGは限られた時間の中からプレイを選択する必要もありますし、最適解のプレイをするためには比較的早めに頭の中にその選択肢が出てこないとプレイすることがなかなかできません。早期に最適解にたどり着くためには選択肢の精度を上げていくしかありません。反省を繰り返していれば本当に最適にたどり着いているかは別としても、少なくてもダメな選択肢を取ることはかなり減っていきます。ダメな選択肢を取ることが減っていけば必然的に最適解を選択する確率も上がっていることになります。
次節は「構築」「ドラフト」のフォーマット毎に陥りやすいことについてまとめていきます。
構築フォーマット編
使用しているデッキを見直してみる
使用しているデッキが弱くて勝てないときがあります。ここに問題がないかどうかをまずは考えていきましょう。
使用しているデッキが所謂トップメタに属するデッキである場合、デッキの強さ自体には問題があることはほとんどないと言って良いでしょう。
もしトップメタデッキを使用してはいるが、数枚オリジナル要素のように差し替えて使用している場合、その差し替えに問題がないか見直してみましょう。トップメタデッキをそのまま使用することに抵抗があるかもしれませんが、そのデッキも一枚一枚が理由を持って採用されています。差し替えたことで、逆にデッキが弱くなってしまうこともよくあります。これにも該当しない場合は、ほぼプレイに原因があると思って良いと思います。
使用しているデッキがオリジナルデッキの場合、負け込んでしまうことがあるのはそういうものだとまずは割り切りましょう。オリジナルデッキはスクラップ&ビルドを繰り返して徐々に勝てるようになってくるものです。この場合、負けること自体は受け入れて、負けた試合を振り返りながら不要と思われるカードを差し替えることを繰り返していきましょう。それでも一向に勝てないというときは、デッキコンセプト自体が問題があるかもしれません。そういうときは何がダメだったのかを分析して次への糧にしつつ、別のデッキを検討しましょう。
プレイングにミスがなかったか振り返る
デッキには問題がなさそうだ、というときには必ずプレイに原因があります。
まず自分が使用するデッキの動きと目指すゲームプランを理解できているのか、再確認しましょう。トップメタデッキをただ使うだけでは勝つことは簡単ではありません。デッキには必ずそのデッキが持つ強みと弱み、及び勝利する黄金パターンと言えるムーブがあります。それを理解できているかどうか確認しましょう。
次に、対戦相手となるデッキについての強みと弱みについても確認します。特にメタゲームの上位に位置するデッキに対して、そのデッキの動きを理解することが必要です。そのデッキはどういうゲームプランによる勝利を目指しているのかを理解するのは重要です。また、デッキ毎に「相手にこういう動きをされるとキツイ」というような弱点とも言えるポイントも存在します。ですので、対戦相手が嫌がるプレイが出来るようになることを目標として理解を進めると良いです。そのために実際にそのデッキを自分でプレイしてみることもおすすめです。
それらを理解した上で、自身のプレイングを振り返ってみましょう。それを積み重ねることで勝率は上がっていきます。サイドボードの振り返りも忘れずに合わせて行うと尚良いです。もし振り返っても思い当たりがないときはYoutubeやTwitchの配信等を参考にして、自分とのプレイの違いを確認するのもおすすめです。
尚、プレイングでミスが多くなりがちなポイントとしては戦闘時のクリーチャー指定、もしくはインスタントタイミングの呪文や能力の使い方あたりになりますので、それを中心に振り返ってみるのも良いかもしれません。
ドラフト編
ピックするときの視野が狭くなっていないか
ドラフトでやってしまいがちなミスとして、1パック目のファーストピックにこだわり過ぎてしまうことがあります。
特にファーストピックで強いレアを引いた時ほどそうなりがちです。例えばファーストピックで緑の優秀なレアクリーチャーをピックしたとき、後に流れてくるカードは緑の流れが悪くても緑をピックし続けてしまうといった具合です。
ドラフトで使用するデッキは40枚なので、土地を除くと凡そ23枚程ピックしたカードを使用することになります。23枚もあるので、数枚が強いのではなく、平均的に強いほうが勝率は当然高くなります。ファーストピックにこだわると平均値が下がってしまうということに繋がるときがありますので、ファーストピックを捨てる勇気も時には必要です。
また、使用する色が癖のように毎回同じになる場合もあります。これはカードの流れではなく無意識の場合も含めて自身の好みから決めてしまっている傾向にあります。ただし環境によっては「緑が弱いから緑は絶対使用しない」とか「青は絶対使う」といった決め打ちという戦術もあります。そういった意図的に色を決める戦術を取っているなら良いですが、そうでないならカードの流れを読むことを意識するようにしましょう。空いている色なら後半でも強いカードがガンガン流れてきたりすることもありますので、途中で色を変えたほうが結果的に強いデッキになるときもあります。
方法の一つとして、ドラフトの1パック目の1~3ピックくらいまでは色を決めずパック内の強いカードをピックし、4手目以降で流れを判断して色を決めるという方法もあります。それくらい空いている色を使用するということはドラフトでは重要です。
インスタント呪文
リミテッド環境ではインスタント呪文の使い方、使われ方が試合を左右するレベルで重要になってきます。リミテッドで腕の差が出るポイントでもあります。
相手の色、アンタップ状態のマナ数から使用される可能性のあるインスタントを警戒して戦闘を行うようにしましょう。そのために、そのドラフト環境に存在するインスタントは覚えてしまいましょう。すると「相手は現状緑1マナ出すことは出来るが、この環境には《巨大化》のような緑1マナのインスタントは存在しないから警戒せずに戦闘出来る」といったことが判断できるようになります。補足ですが、一口にインスタント呪文といっても、ここでは特に以下のような特にクリーチャー除去やクリーチャーへ影響を与える「コンバットトリック」と言われるインスタントのことを指しています。特にコモンは使用頻度が高いのでコモンのカードは覚えるようにしましょう。特に巧者はコンバットトリックでアドバンテージを取ることに長けていますし、それを意識してプレイしています。



また、非常にわかりやすい例ですが、自身は3/3のクリーチャーをコントロールしているのに、相手が2/2のクリーチャーでアタックしてきたというような場合、相手が何らかのインスタント呪文を構えていることを示唆しています。こういった時も、後々の展開を踏まえて相手にインスタントを使わせるほうが良いのかどうかも考えてブロックの判断を行いましょう。
その他
手なりではなく丁寧にプレイすることを心がける
特にMTGアリーナで該当することなのですが、MTGアリーナでプレイしているとテーブルトップと比較してプレイが雑だったり、あまり考えずにプレイしているであろう方を見かけることが度々あります。やはりMTGアリーナでは緊張感がテーブルトップと比べると低いので、その気持ちはすごくわかりますが。。
実際、ミシックランクでランクインしているような方とそれより下位のランクの方と対戦した結果を比較すると、明らかにランク下位の方のほうがプレイが雑であることが多いですし、敗北が確定していない、それどころかむしろこちらが負けそうだったりするような時にでも投了してくるような時もあります。
雑というのは、いくつかのプレイ選択肢の中から考えているというよりも直観のみで手なりにプレイしているように見える状態という意味です。
マジックは手なりでプレイするとプレイミスしたとしても反省点が見つかり辛いですし、成長も遅いです。マジックでは勝利と敗北の差は紙一重であることも多いです。巧者はこの紙一重の差を積み重ねて勝率する確率をあげているため、結果として勝利することが多くなるのです。
もしMTGアリーナでは適当にプレイしているような気がすると思い当たる場合には、見直してみると良いと思います。
MTGは一定の確率の都合でどうやっても勝てない時がある
これも頭ではわかることではあると思いますが、マジックは土地と呪文をある程度バランスよく引くことが出来ないとまともにプレイすること自体が出来ないことが一定の確率で起きます。例えばマリガン後初期手札で土地2枚スタートして、以降一枚も土地を引かないとかそういったようなケースです。これは如何なるマジック巧者でも避けることができない事象です。
不運ながら、そういったことが続いてしまう場合もあります。そういった場合には思わずイラッとしてしまうこともあると思いますが、マジックはマナトラブルも含めたランダム性が魅力であるという一面もあります。これは誰しもが起こることであると割り切ってプレイするほかありません。デッキのバランスによってそういったことが起こる確率を上げ下げすることは出来ますが、どうしようもないケースに関しては割り切って考えるようにしましょう。
まとめ
構築でもドラフトでも、マジックザギャザリングにおいて勝敗に大きく起因する重要なことは「使用するデッキ」「プレイング」の2つです。
スランプに陥ったと思ったときは、そのどちら(両方のときもありますが)に原因があるのかを分析しましょう。そして、その原因を一つずつ取り除く。これがスランプを脱出するためには重要になってきます。スランプを脱出するとそれまでが嘘のように連勝街道を突き進むなんてこともあるかもしれません。
なお、プレイについてはいくつかポイントとなる要素をこちらにまとめていますのであわせて参考にしてください。
マジックザギャザリングも勝負事なので、勝つことは簡単なことではありません。近道ではなく地道に一歩ずつ前進することを心がけると道が開きます!
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