機械兵団の進軍 リミテッド考察

リミテッド

本記事では「機械兵団の進軍」を用いたリミテッドの環境や、有力なアーキタイプ、カード等について考察しています。

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機械兵団の進軍のリミテッド環境特徴

多色の中~低速環境

機械兵団の進軍のリミテッド環境は多色推奨で、3色以上のカラフルなデッキも構築可能な環境になっています。

コモン土地に2色ランドが存在しており、計10パターンの組み合わせ全てが収録されていることから2色だけでなく3色、または4色以上のデッキも構築できるようになっています。

実際のところ2色のマルチカラーのカードが多数収録されているだけでなく、レア以上になると3色マルチカラーのカードも存在しており当然ながらそれらのカードは強力にデザインされています。従って3色以上のデッキになることは珍しくありません。

そのためカードパワーの高いカードがぶつかり合うことも多く、そして多色カードの性質上ゲームスピードはいつものリミテッド環境と比べるとやや遅め。本セットは中~低速の環境と言えるでしょう。


とは言っても、後に述べるバトルの存在もあって序盤の立ち上がりが遅すぎるとそれだけで敗因になってしまうという点はいつもの環境とそこまで変わりはありません。3色であっても2色ベース+タッチ1色というのはやはり基本です。

「バトル」の扱いがカギを握る

本セットの特徴的な主なメカニズムは「バトル」「変身」「培養」の3つ。中でも今回のセットで初登場の「バトル」は要注目のメカニズムとなっています。

「バトル」は表面はやや控えめの性能になっており、かつ変身させるためには「バトル」を破壊しないといけないという手間がありますが、その分変身させられたときのカード性能が高めでリターンが大きいというデザインになっています。このバトルをできる限り変身させる(相手に変身させないようにする)というのはこの環境のゲームの鍵を握る要素になっています。

ですが、バトルは目に見える情報ですし変身されれば困るバトルをお互いに守るのは当然。そのような背景からバトルを破壊するのは決して容易ではありません。

これまでの環境であればライフを気にして攻撃クリーチャーを決めるのが常でしたが、いま盤面に出ていなかったとしても次の相手ターンに出てくる可能性のあるバトルを警戒してブロッククリーチャーを立たせておく判断も時には必要になるでしょう。逆に言えば、バトルをプレイしてそのターン中に攻撃して破壊するというパターンはバトルを破壊しやすいプレイの1つとなりえます。

また先手の利を活かしてバトルを破壊していくのも本環境の明確な勝ち筋の一つとなっています。やはり先手のほうが当然バトルを破壊しやすいです。それ故に特に後手では立ち上がりの遅れが相手にバトルを破壊させることに繋がり、取り返しがつかないことになってしまう点には注意が必要です。土地と呪文のバランスが適切であっても立ち上がりに難のある初期手札はマリガンするといった判断もいつもながら重要です。


そしてバトルによって攻撃クリーチャーの指定(攻め方)も頭を悩ませます。バトルは変身できれば強いとは言え、バトルを攻める=相手のライフを削れないことになるので結果としてゲームの勝利に遠ざかってしまうこともありえますから、常に相手の残りライフや盤面の状況を踏まえたキルターン数を天秤にかけていく必要が出てきます。またバトルは守備値が1であろうが5であろうが残ってさえいればあまり変わりませんので、中途半端に守備値を削ってしまうくらいなら本体を攻撃していくほうが良いケースもあるでしょう。

このようにとりあえずバトルを攻撃するというのは悪手になる場合もある点には注意しておく必要があるでしょう。




・・・・と、このようにバトルの扱いは非常に難しく、それ故に本環境の鍵を握っていると言えます。このあたりはプレイ経験を積んで判断精度を上げていくことが勝利の確率を上げてくれることに直結することでしょう。

膠着しやすくロングゲームになりやすい

前項のバトルに関連する部分が大きいですが、お互いにいつも以上に守りを意識することが多くなるため膠着しやすくロングゲームになることが多めの環境になっています。

MTGは盤面がイーブンに近いと戦闘は攻め側が不利になってしまいやすいので結果的にお互いにパーマネントを並べて睨み合いということも割と発生しがちです。

そういった状況を打破するためにはやはり飛行のような回避能力は貴重。このように何らか膠着を打破する要素があるほうが望ましいでしょう。

若干余談にはなりますが、MTGアリーナではカードの効果を自動で解決してくれるので幾分マシなものの、特にリアルでは変身も自分で解決して裏返したりしないといけません。本セットは「培養」「変身」「バトル」と単純に手間がかかり余計と長引きやすい印象がありますが、更に膠着してパーマネントが並びやすく、変身の裏面も考慮したりととにかく情報量が多め。心なしかカード自体も長文テキストのものが多い印象がありますので、頭がいっぱいになることもあることでしょう。その分、慣れると楽しい環境と言えるかもしれません。

レアカードが全体的に強力

多色環境は特にレアが強くなりがちという傾向がありますが、本セットもそれは例外ではなくタダ強なレアが散見されます。おまけにシールドではよりゲームスピードが遅くなりますし、後に述べる要素からもボムゲー感は結構強めな環境と言えそうです。

相手のボムに対処するためにもクリーチャー除去は(可能であれば)必ずデッキに用意しておきましょう。

少なくてもシールドではいつも以上にレアを軸にして構築していくほうが良さそうです。

両面カードや多次元宇宙枠の当たり外れが大きめ

前項のように単純にレアに強いカードが多いというだけでなく、パックに両面カード枠、多次元宇宙枠が確定で封入されている上に、これらはレアリティ不問。そのためパック次第ではレア以上のカードが複数枚入っていることも少なくなく、逆に1枚しか入っていないというパターンも勿論あります。

この時点で単純にレアリティ枚数にふり幅が出てきてしまいますが、やはりこれらの枠もレア以上のカードは当然強力。

ドラフトでは何枚パックに入ってようが1枚しかピックできませんので幾分変わってくると思いますが、特にシールドはいつも以上に運ゲー要素は強いと言えるでしょう。ゲームとして見るとダイナミックで面白いですが、競技性で見るとちょっとシンドイ部分かもしれません。

なお、特に相棒でもある《空を放浪するもの、ヨーリオン》はハイブリッドマナでデッキに入れやすいだけでなく賛助やバトルをブリンクさせることができるということもあり凶悪な一枚になっています。

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コンバットトリック関連

本セットの主なコンバットトリック(クリーチャー除去関連は除く)については以下の通りです。

本セットには召集があるため、相手のマナが立っていなくてもインスタントが飛んでくる可能性がある点には注意が必要です。と言ってもそういったカードの枚数は多くありませんからカード自体を覚えてしまうほうが良いでしょう。

白の《天使の介入》は攻守何れのケースであっても使いやすい強力なカードです。白を使うなら是非デッキに入れておきたいカードです。また《巻物変容》は厳密にはコンバットトリックではないですが賛助をブリンク対象とすることでコンバットトリックのように使うことも可能です。

青の《サイバの暗号術師》は2マナクリーチャーであるにも関わらず瞬速と賛助によってコンバットトリックとして機能する珍しいクリーチャーです。インスタントカードではないですがコンバットトリックと言ったほうが適切なカードです。

緑の《機械蜘蛛の順応》はアンタップする効果があるので、例として緑がバトルを守る必要がある盤面なのにアタックしてきたとき等では警戒しておくほうが無難です。そういったシグナルを見落とさないようにしましょう。

赤のインスタントにはパワーを上げるものが多く、バトルを破壊することに向いたカードが多いです。一方でタフネスを上げるカードが一枚も存在しないことは覚えておくと良いかもしれません。

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クリーチャー除去カード関連

リミテッドでは常に重要となるクリーチャーを除去(疑似除去やバウンス含む)するカード達です。

何れのカラーも優秀なカードが多く、全体的に高品質となっています。

実際この環境はレアを筆頭にやたらと強力なクリーチャーが多い環境です。そういったカード一枚に負けてしまうことのないようクリーチャー除去はしっかりデッキに入れておきたいところです。

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アーキタイプ解説

3色以上になることも多い環境ですが、ベースは2色なので2色を中心に解説します。

赤白 – 軽量アグロ

赤白は軽量クリーチャーを中心に、賛助、火力、コンバットトリック、装備でサポートしながらゴリ押ししていく生粋のアグロとなるアーキタイプです。

2マナクリーチャーをしっかり枚数確保し、装備品、クリーチャー除去、コンバットトリック、賛助でサポートするあたりはいつもの環境と変わりません。バトルを破壊する上では先に攻撃していくほうが当然有利ですので、ダメージレースで先行するというよりバトルを破壊してゲームをリードしていくこともできるという点でいつもと違った優位性を持っているようにも思えるアーキタイプです。

白緑 – 賛助

白緑は+1/+1カウンターおよび賛助を駆使してクリーチャーサイズで圧倒するように戦うアーキタイプです。

賛助を使ってクリーチャーを強化しながら攻撃していくことにより盤面形成しながら相手にプレッシャーを与えていくことができるようになっています。ただこの環境はクリーチャー除去やバウンスもそれなりに存在しているので賛助を一つのクリーチャーに重ね続けるのはリスクも相応にありますので、様々な面を考慮しながら賛助の対象を決めていくことになります。

賛助を中心としてはいるものの基本的にクリーチャーの質で圧倒するアグロデッキという形になりますので、必ずしも賛助で固める必要はありませんが何かしら押し切れるプランを持ったデッキを構築していきたいところです。

白黒 – ファイレクシアン

クリーチャー部族ファイレクシアンを中心に、クリーチャー除去や守りに優れるクリーチャーで負けないように戦いながら培養トークンを駆使しながら盤面を継続的に構築していくことで最終的に強個な盤面により勝利するアーキタイプです。

必ずしもファイレクシアンに統一する必要はありませんが、アーキタイプに合うクリーチャーが概ねファイレクシアンになっているので方針がブレなければ自然とファイレクシアンが集まるようになっています。

白黒は豊富なクリーチャー除去とライフゲインを含めた延命により盤面の真っ向勝負に強い性質があります。攻めることもできますが守りながら戦うこともできるという特徴もありますのでミッドレンジ寄りのデッキを意識すると良いでしょう。

赤黒 – サクリファイス

赤黒おなじみの生け贄シナジーを駆使したアーキタイプです。

赤黒の除去で道をこじ開けながらビートダウンして勝利を目指すという方法に加え、サクリファイスシナジーを駆使して変化球の攻めやアドバンテージを駆使するのが特徴的です。場に出たときに効果を発揮するクリーチャーや生け贄に捧げて美味しいクリーチャーを用意することと生け贄に捧げる手段をバランス良く用意する必要があります。

他のアーキタイプでは使い辛いので比較的回ってきやすい《焼炉の手綱》ですが、このアーキタイプであればパクったクリーチャーを攻撃した後に生け贄に捧げてしまうコンボである通称パクリファイスが狙えるあたりも強みの一つとなっています。

赤青 – 召集

赤青は召集を多用するトリッキーなアーキタイプです。

青や赤の1/1クリーチャーを生み出すスペルやクリーチャーを用いることにより召集の準備を整えた後、召集スペルによるカードパワーとテンポにより勝利を狙っていきます。

召集持ちのスペルは元のコストが重いカードが多いのでクリーチャーを展開できないと只の重いデッキになってしまいかねませんので、召集用のクリーチャーを用意する手段と召集をバランス良くピックすることが求められます。そのため色が上家と被ってしまうとかなり弱くなってしまうことが予想されるので注意しましょう。

青白 – 騎士

クリーチャー部族である騎士を中心に構成することで真価を発揮するアグロデッキです。

青白のお家芸である飛行によるダメージレースも可能ですが、どちらかと言えば飛行よりも騎士が中心になっていることが特徴的。騎士を集めることで騎士同士のシナジーを発揮させつつ、青のバウンスや青白のタップ効果を用いて戦線を突破できるように構築していきましょう。

青黒 – コントロール

青黒は除去呪文や打ち消し呪文によって相手をコントロールしながら戦うアーキタイプです。

そういった意味では普段の環境とあまり大差のないアーキタイプですしイメージしやすいアーキタイプです。基本的には守り向けのカードやカードアドバンテージの稼げる長期戦に向いたカードを集めていくことになります。今回の2マナカウンター《本質の同化》はクリーチャーだけでなくバトルまで打ち消せる上に4マナ要求とほぼ確定カウンターの強力な性能になっていますので、このカードはしっかりデッキに組み込んでいきたいところです。

勝ち手段はコモンでは頼りないところがあるので、レアで勝つように構築していきたいアーキタイプです。

緑黒 – 墓地活用 培養

緑黒は概ね墓地活用するアーキタイプが通例なのですが、本セットは墓地活用に加え培養トークンを活用することで長期戦を戦い抜くアーキタイプとなっています。

基本的に短期決戦は得意ではなく、切削と墓地にあることで使えるカードを組み合わせアドバンテージを稼ぎつつ、培養トークンを育てていくことで盤面を育てていく比較的気の長い戦い方になります。中でも《死滅都市の開封》は2枚回収できると大きなアドバンテージとなりますので、このカードは緑黒であれば是非とも採用したい一枚です。

青緑 – 両面カード

青緑は変身を中心とした両面カードによるパワーで圧殺していくアーキタイプです。

変身カードは強力な分、変身にマナを有するためマナ食い虫なカード。そういったカードを使うためにマナ加速によって動きをサポートし、あとはとにかくカードパワーが正義と言わんばかりに強いカードを展開して勝利を目指します。両面カードはマナさえあれば強力なカードが多く、マナ加速に合うカードは自然と両面カードになります。もちろん両面でなくてもレアを筆頭に単に強いカードでも問題ありません。

両面カードを使いがちとは言え基本はマナ加速+コスト重めのパワーカード。そういう点ではいつもの青緑とあまり変わりありません。

赤緑 – 重量級アグロ

赤緑はスタッツに優れるパワフルなクリーチャーで押し切るアグロデッキとなるアーキタイプです。

そういった点ではいつもの赤緑といったところですが、今回の赤緑はバトルを破壊する上でボーナス能力がついたクリーチャーが多くバトル破壊に適したカラーとなっていますので、バトルを破壊しながら盤面を構築していくことに長けているという側面を持っています。そのためにもバトルをしっかり確保してデッキを仕上げていくことが望ましいです。

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各アーキタイプ毎のサンプルデッキ

各アーキタイプのモデルとなるデッキについて以下にまとめています。より実戦的な内容になっていますのでご確認ください。

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