2022年12月に開催されているイベントであるキューブドラフトについて解説します。
キューブドラフトは強力なカードのオンパレード
キューブドラフトは通常セットのドラフトとは異なり、レア以上のカードもパック内に複数枚入っている上にMTGアリーナ上で実装されている歴代のカードの中から選りすぐりのカードで構成されているため、とにかく強力なカードばかりという環境になっています。
そんな強力なカードばかりで構成されている環境で勝利を目指すにはどういった部分に着目していくべきか記載していきます。
構築フォーマットのデッキを再現することを一つの指標に
キューブドラフトは(過去も含め)スタンダードといった構築フォーマットで活躍したデッキを再現するかのようにデッキを構築するというのは一つイメージしやすいピック基準になっています。
キューブ(カードプールのこと)も構築戦で活躍したカードが意図的に多く含まれていますし、カードプールを見るとデッキに一貫性を持たせられるように構成されていることがイメージできるかと思います。
- 白単、赤単、黒単、ボロス、ラクドス、グルールなどのアグロデッキ
- 青を中心としたコントロールデッキ
- 緑中心のランプデッキ
- 黒を中心としたサクリファイスやリアニメイトデッキ
- 青赤のイゼットスペルデッキ
- 白を中心としたトークンデッキ
- 青白のブリンクデッキ
などなど、今回のカードプールでも多岐にわたるデッキを構築することが可能です。
今回に関しては《ニヴ=ミゼット再誕》のような5色マルチカードがないこともあり5色デッキに関してはあまりおススメできませんが、過去も含め構築戦で活躍したデッキを知っていれば知っているほど、キューブドラフトでデッキを作る上ではその知識が役に立ちます。
このあたりは通常セットのドラフトとは一味違った部分と言っても良いでしょう。なお、キューブのカードプールは以下の画面の中央左側にある「カードを確認する」ボタンから確認できますので、まずここからカードプールを事前にしっかり確認しておきましょう。

その際に、できれば構築できそうなデッキを確認するだけでなく、実際にゲームをプレイする上で重要になりがちなインスタントだったり、クリーチャーの全体除去だったりの枚数や種類についても頭に入れておくと実際の対戦で役に立ちます。
単色デッキから多色デッキまで幅広く構築可能
先に述べたように色々なデッキが構築可能なカードプールとなっている上、強力なカードが多数存在しているという都合から通常セット以上に単色デッキで強いデッキも問題なく構築可能ですし、多色土地も豊富に存在することもあり3色以上のデッキも問題なく構築可能です。
通常セットのドラフトではそのセットにおける色の強弱は結構重要な要素になりますが、キューブドラフトの場合は強力なカードがひしめきあっているということもあり色という視点で強弱を意識する必要は殆どありません(どちらかと言えばアーキタイプで強さを判断するほうが望ましい)
そのため、空いているカラーを意識してピックすることは通常ドラフトと同様に大きく重要な部分となります。空いているカラーやアーキタイプでピック出来れば自ずと強いデッキに仕上がる可能性が高いです。
勝ち筋が明確なデッキを構築する
通常ドラフトでは強いカードを取るという側面が大きい部分はありますが、キューブにおいては基本的に強いカードばかりなので単純に強いカードを取れば勝てるというゲームにはなりません。
重要なのはとにかく「勝ち筋がデッキリストを一目見るだけでわかる」というくらいやりたいことが明確なデッキを構築することになります。
具体的には「先に述べたようなアーキタイプが明確になってこと、デッキがそのアーキタイプに適したカードでデッキが構成されていること、デッキ構成のバランス(各カードの役割のバランス)が整っていること」といった部分になります。
いわゆる勝ちパターンに持っていけるゲームプランを描けるデッキであればあるほど勝率は目に見えて高くなります。一例で言えばコントロールデッキであれば
「序盤から相手の脅威を捌くことができるスペルが充分ある、中盤以降ゲームを支配できる強力なプレインズウォーカー等の勝ち手段がある、カードアドバンテージで相手を引き離す手段がある、そしてそれらの枚数が構築フォーマットのデッキであるようなバランスで整っている」
といったような具合です。
このようにゲームに勝つプランをしっかり描けるデッキを構築するようにしましょう。デッキの完成形をピック中に頭に描きながら、それに対して現時点で欠けているパズルのピースをはめ込んでいくようにピックするというイメージが近いかと思います。
重要なのは安定性と戦略(シナジー)の両立
先に述べたアーキタイプという戦略の軸がしっかり整っていることに加え、やはりマナ基盤の安定性を上げることも無視できません。リミテッドでは構築フォーマット以上に色マナの事故が起こりやすく、その可能性を下げるために多色土地をピックしていくことは重要です。
キューブドラフトではレアの2色以上の土地がカードプールに豊富に存在しています。3色以上であれば勿論ですが、2色デッキであってもしっかり色の合う多色土地をピックしていくことは見た目以上に重要な要素なので、その点をしっかり意識しておくと良いでしょう。
悩ましいのは土地かスペルのどっちを取るか、といった選択が都度発生しがちになることだと思います。多色土地はかなりの枚数が存在しているので基本的にはスペルを優先して土地は後回しでも良いと思いますが、特に中盤以降で確保できていない時には意識して枚数を確保するようにしましょう。2色デッキであっても多色土地を最低でも2枚は取っておきたいです。
アーキタイプの軸がしっかり整っていることに加え、マナ基盤がしっかり整っているのであれば間違いなく強いデッキと言って良いでしょう。マナ基盤は決しておろそかにしてはいけません。
特に2マナ以下のカードは意識してピックすることがおススメ
先に述べたように単純にカードが強力なものばかりなので、アーキタイプによる部分はあるものの4マナ以降のカードのパワーを頼りに戦っても相手も強いため優位性を築くのは難しい部分があります。
そういった中では序盤からしっかりカードを展開してゲームの主導権を握ることによって中盤以降のパワーカードがより活きてくる部分があるので、2マナ以下のカードを意識して充分な枚数をピックすることは一つ鍵を握ると言っても良いくらい重要になってきます。
実際、7勝を達成するようなデッキは概ね2マナ以下のカードがしっかりピックできていることが大半と言っても良いくらいなので、この低マナ域をしっかり確保することは意識しておくほうが良いでしょう。
初手は汎用性の高いカードがおススメ。次点でデッキの核となるカード。
キューブドラフトで最も悩ましいポイントの一つは1パック目で初手取りするカードでしょう。
通常のドラフトでは概ねパック内で一番強いカードを取るのが無難ですが、キューブドラフトは一番強いと言われてもカードの性質が違うだけで強いカードだらけなので一番と言われても悩ましいケースが殆どです。
そこで筆者としてはまずピックが無駄になり辛い「汎用性の高い強カード」を取ることをおススメします。毎回そういったカードがある訳でもないと思いますので、その次点でアーキタイプの鍵を握るカードを取るというのもおススメです。
汎用性の高い強カード
その色であればほぼ使うであろう汎用性の高いカードはやはり初手取りに適しています。流れを見てアーキアイプの方針を決めるにしても汎用性が高ければ色さえあっていれば無駄になりません。一例として以下のようなカードです。
また以下のような土地も確実に無駄ピックにならないという点から初手取りするのもおススメです。土地から入ると流れで色を決めやすいという利点があるので、空いているカラーを狙いやすくなります。

アーキタイプのキー(=デッキの核)となるカード
これらのカードはそのアーキタイプをプレイする上でデッキの鍵を握ったりゲームの決め手となるカードの一例です。こういったカードを初手で取ることでアーキタイプの中核を確実に確保し、後のカードの流れを見ながらではありますがそのアーキタイプを狙っていくのも良いでしょう。
また、これらのカードが遅めに流れてくるとそのアーキタイプが空いているであろうというサインと考えても良いと思います。

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