12月13日に実装の「アルケミー:兄弟戦争」のカードについてレビューしていきます。
最近のアルケミーのセットはバランス調整ミスったのではないかレベルのカードは大分少なくなってきた印象で、今回のセットもその流れに沿うようにカードパワーはややおとなしい調整である印象です。とは言え活躍が期待できそうなカードもあります。詳しくは以下の通りです。
白

コストは軽めにデザインされているので上手く使えたら・・・という期待は抱くカードですが、かなり使い方が難しそうでデッキビルダーの腕が問われそうなカードです。やはりオルゾフやマルドゥで使うのが無難でしょう。
アドバンテージを稼ぐように使うのであれば血トークンや宝物トークンを種にするというのが真っ先に思い当たります。

ブリンク系のカードですが、ブリンクしてパワーが1増えるだけであればそこまで大きな恩恵はないと言っても良いでしょう。ブリンクデッキで欲しいのはこういう単発カードよりも恒久的にブリンクし続けられるカードだったり《修復の天使》のように元が強いカードが望ましいです。

兄弟戦争が兵士をフィーチャーしていることから登場したであろうカード。
1/1トークンを生み出せる能力があるので置物系にありがちな無駄になるというケースがないので兵士デッキで使うにはそれなりに強いカードだと思いますが、そもそもアルケミーでは兵士デッキ自体が微妙だと思うのでちょっと本末転倒感があります。

いくら蘇生がついていても本体がただの3マナ3/3なのはちょっと。。。3マナのレア兵士を押しのけてまで入れるようなスペックではないでしょう。
青

基本は1マナのキャントリップですが、4回唱えたら追加1ターンという破格の効果を持つカード。
墓地の《断片整理》も強度が増えるのがポイントで、墓地から回収して使いまわすという動きも強力となるカードですが強度が4のときのみ追加ターンが得られるようになっているので何回使いまわしても一回しか追加ターンは得られない仕組みになっています。
そのためこのカードを軸にデッキを構築しようとしても所詮は追加1ターンのみなので、あまり割に合ってない感は否めません。そのためキャントリップを主眼にしつつたまに追加ターンが得られるくらいの用途で使うほうが良いのかもしれません。

パワーストーンをおまけで生み出すクリーチャーはリミテッドの域を出ないカードが多い印象ですが、このカードもまさにそんな部類の一枚と言って良いでしょう。永久にパワー2上がるのは良いですが、起動コストの3マナは重いし流石に構築戦では厳しいと言わざるを得ません。個人的には本セットの中でも何のために作られたのか一番ピンとこないカードです。

バウンスしつつ、そのクリーチャーを手札に創出するという中々の効果を持っているクリーチャー。
ブリンクして使いまわすのはかなり強そうですが、バウンスを上手く使うには前のめりのデッキのほうが良いですし、そういったデッキでは試作でも4マナと重めのコストは若干厳しい印象です。
黒

創出によりモリモリ蘇生して攻め立てるアグロ向けのクリーチャー。アルケミーにおいて黒を含むアグロデッキの2マナ域の中では間違いなく選択肢に入ってくる一枚でしょう。
複数のパワー3が蘇生して攻撃するというシーンは残りライフを詰めていく段階において非常に強力です。

見ての通りという感じのカードですが、2マナの除去カードとして可もなく不可もなくといった一枚。プレインズウォーカーにも使えるという一点をどこまで重くみるかといったところですが、いまの環境では《喉首狙い》と比較するとやや劣るような気もします。
とは言え普通に優秀であるカードなのは間違いないでしょう。

本セットの中でも優秀なカードと個人的に思っている一枚。
アグロデッキには非常に厄介なカードですし、アルケミーは《運命の占者》のようにタフネス2以下で必ず除去したいクリーチャーもいるので環境的にも強いと感じます。赤の4点火力である《溶鉄の衝撃》も絡めて、こんなカードを作ってしまったらアルケミーでアグロを使う意欲がますます下がってしまいますね。。

アップキープにノンコストでクリーチャーを釣り上げるという効果はかなり優秀で、試作だとただの3/2という一点は気になりますがかなり優秀なクリーチャーであるという印象です。
これで折角除去した《運命の占者》を釣り上げられてしまうという展開は悪夢の一言です。
赤

一応《ショック》の上位互換ではあるカードですが、ダメージを取り除かれないという効果が構築戦でどこまで役に立つのかは疑問符は付きます。永久になので先の《加治炉の自動機械》で釣り上げられても働くというメリットはありますが、蘇生に対しては効果はありませんしおまけくらいに考えておいたほうが良いかもしれません。

最近のフェニックスシリーズは中々構築戦で活躍するレベルのクリーチャーが登場していない印象ですが、最近のフェニックスの中ではまだ強そうな一枚。
とは言え基本的には只の3マナ2/2速攻飛行ですし、あまり多く入れたいカードではありません。デッキに2枚程度挿す分には攻めに粘り強さを持たせてくれるので悪くないかもしれません。

蘇生を創出というまあまあの域を出ない効果持ちで、かつ4マナ3/3速攻という構築戦では不十分と言えるスペックを兼ね備えているとあればとてもアルケミーで活躍できるとは思えないですね。

このカードの効果は《ショック》そのものなので5マナというのはあまりにも割に合わないですが、このカードから創出できるカードは《稲妻》といった火力から《包囲攻撃の司令官》といった勝ち手段になるクリーチャーなど、かなり高品質なカードがドラフトできるという仕組みになっています。
何回かドラフトできれば相当有利になるレベルですから、このカードはどちらかといえば勝ち手段になりえるカードに対しておまけに《ショック》が付いてくるという感じで捉えたほうが良いでしょう。そういった意味では使用感はプレインズウォーカーに近いところがありそうな一枚です。使ってみると思った以上に強いカードという可能性はあるかもしれません。
緑

緑単くらいでしか使うことがないカード。後手に付加価値を持たせるための実験的な意味合いもあるのかもしれませんね。

能力は悪くありませんが、本体がただの3/4というのがどうしてもひっかかるクリーチャー。最近のクリーチャーだと4マナともなれば速攻だったりもっと戦線を突破できるような能力が欲しいですが、このクリーチャーはそのあたりに難があります。

何回かアーティファクトを展開できれば懐かしのオーバーランを置物で再現できるという面白さはありますが、効果を発揮するのに時間がかかるタイプなのであまり活躍することはないでしょう。ただしトランプルが付与できるという一点からラクドスサクリファイスのようなトランプルがきついデッキ相手のサイドボードとして使えるかもしれません。

土地をクリーチャー化するカードのデメリットをアルケミー独自能力である創出でカバーするという、カードデザインの匠さを感じるカード。
基本的に一気に止めを刺すように使いたいカードですが、Xを重めで唱えると攻撃は基本的に次のターンになりがちですし実際問題としてどう使うのかは難しいカードです。ランプデッキのフィニッシャーとして使うという感じでしょうか。
マルチ

パワー4以上のクリーチャーという対象は大抵《黙示録、シェオルドレッド》というところで、それ以外の対象が少ない上に《邪悪を打ち砕く》のように他の使い道がないためかなり使い辛いカードと言って良いでしょう。
テフェリーのようなプレインズウォーカーに瞬速を持たせるというのがもっともらしい使い方ですが、流石に手札でくさりやすいカードというデメリットを上回る使い方とは思えないです。

本体は微妙なスペック、効果は即時性がないという組み合わせの3マナ伝説クリーチャーは山のようにいるイメージですが、そういったクリーチャーはどれもこれも構築戦で活躍した試しがありません。このクリーチャーもまさにそういったカードの一枚でしょう。

白と黒に対しての呪禁というのは環境的にも素晴らしく、これを除去できるのはほぼ赤だけという除去耐性はまず評価すべきところです。
強力なクリーチャーですが、現在のアルケミーで強い騎士が少ないというのが懸念材料です。ただ少ないだけでいない訳ではないですし、このクリーチャーを軸にしたアグロデッキを構築する価値を持つカードなのは間違いないでしょう。

《真夜中の時計》を作り出し、その上で針を進める効果を持つというデザインがとてもユニークカード。
《真夜中の時計》が強いカードなのは言うまでもなく、4マナ3/3クリーチャーについてくるカードとしてはなかなかに強力と思えます。現環境なら《真夜中の時計》の効果誘発と《黙示録、シェオルドレッド》を組み合わせることでコンボになるのが面白いですね。コントロール寄りのデッキで使ってみたいカードです。

飛行がついていることで攻撃が通りやすいデザインになっており、おかげで使いどころのありそうなカードに仕上がっています。パワーストーンを生み出す系のクリーチャーとしては同じく2マナの《有角の石探し》と8枚体制で構築戦で使えるようになるので、パワーストーンを絡めたデッキの構築意欲を上げてくれる嬉しいカードです。

スペック自体はバニラの3マナ3/3ではありますが、宝物を生んでくれることで次のターンに《絶望招来》のような5マナ域へ確実にステップできるという点は好印象です。創出効果もなかなかで、同じく本セットのカードである《ギックス派の再利用者》を捨てて創出するというのはわかりやすく強力な動きです。

3マナ5/5威迫というスペックはお化けですが、手札を全て捨てないと強度分のカードを引けないというデメリットは結構厳しいものがあります。場を離れたときなので《放浪皇》のような追放でも誘発するのは嬉しいところで、捨ててもメリットのある蘇生持ちのようなカードと組み合わせたラクドスアグロを試してみたくなるクリーチャーではあります。

サーチ対象が多少狭くはなりますが、デメリットなしの2マナサーチカードとして強力な一枚であるのは間違いないでしょう。3分の一でも複数枚挿しているカードなら概ね見つかります。
アルケミーではそこまでかもしれませんがコンボの幅が広がるヒストリックのほうが活躍しそうなカードです。ヒストリックに影響を与えそうなカードとしては本セットで一番のカードと言って良いのではないかと思います。

名前、コスト、効果からして《表現の反復》を意識したのであろうデザインとなっているカード。
2マナをこのカードで使った上に更に2枚分のカードをすぐに使うように求めてくるカードは流石に普通では使い物にならないでしょう。捨てることを活かすデッキにするしかなさそうです。

戦闘開始時なので場に出してすぐに誘発させられる上、マナコストを支払くことなく唱えられるという手軽さも相まって中々に強力な効果を持っていると言えます。
ただし1マナのカードがまず墓地にないと始まらないので若干デッキ構築に制限をかける部分はあります。今のところそこまで使われるとは思えないですが、決して悪いクリーチャーではありません。
無色

バニラの3マナ3/3を使ってまで、しかもすぐに揃う訳でもないウルザ土地を使ったデッキを作るかと言われたら流石にNOでしょう。試みとしては面白いですが。。
コメント