兄弟戦争レビュー(Part3+総括)

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2022年11月18日に発売となる新エキスパンション「兄弟戦争」について、発売前レビューとしていくつかのPartに分けて各カードを考察します。本記事はPart3+セット全体の注目カードを含めた総括となります。

Part2はこちら

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アルガイヴの盾、ミュレル

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

出されて嫌なカードの代名詞とも言える禁止カードにもなったあの《時を解す者、テフェリー》とよく似た効果を持つカードがまさか再登場するとは想像すらしませんでした。ついでに起動型能力も起動できないようになっています。

トークンを生成する効果は自分のコントロールするクリーチャー(正確には兵士)の数に左右されるとは言えそれなりの生成数は見込めますしこれが出てターンが帰ってきた時点で除去される可能性がほぼゼロであると考えると、兵士を展開してから攻撃するというプレイにも裏目がなくなるなど、プレイの助けにも一躍買ってくれます。

本体がスペックが只の4マナ3/4なのはやや気になりますが、それでも持っている能力が優秀なので本セットにより日の目を浴びるであろう白い兵士ビートダウンデッキで使用されることになりそうです。

自律型組立工

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

タップ能力を持っているクリーチャーでありながら警戒を持っていることで、さながら1サイズ大きい状態でアタックに行けるのは優秀です。

非常に優秀というほどではないですが、試作でも悪くない性能でありつつ5マナなら中盤以降にキャストできるコストでもあるので無難に強くまとまった印象を持つクリーチャーです。前のめりなデッキなら活躍してくれそうです。

小隊分配機

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★★

一言で言えば何がしたいのかよくわからない印象を抱くカード。

自己解決できるようクリーチャー生成能力を持っているとは言え本体コストも起動コストも決して軽くはないですし、それを除いて条件を満たすならクリーチャー数がデッキそれなりに入っている必要があります。アグロでこのような効果も含めもっさりしたカードを出している暇はありませんし、ミッドレンジだと5マナ域であればもう少し盤面に影響力のあるカードでないと辛いと思います。

なのでどんなデッキに入れるにしても使い辛い印象です。

鋼の熾天使

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

基本的には試作でキャストすることになりそうですが、自身が飛んでいるだけでなく唱えたターンから他のクリーチャーに飛行を付与して継続的に攻めていくことに貢献するのはなかなかに強力です。もちろん自身含め警戒や絆魂を付与して攻撃していけるのも悪くありません。白いアグロデッキに入れられるだけでなく普通にキャストしたときの強さを考えてもミッドレンジで使う選択肢もありそうです。

何気に天使なので《希望の源、ジアーダ》とも相性抜群です。

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天空射の士官

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

一見すごく強そうに見えなくもないカードですが、兵士主体のデッキだと基本的に攻撃しにいくのが主なので下側のタップ能力はやや使い辛そうですし、自身が攻撃するたびに1/1を生み出すというのは(速攻持ちだと別ですが)速度感的に思ったより強くないようにも思います。

ただ青にしては非常に珍しいカードで、本セットは青白で兵士デッキを組んで欲しいという意図が如実に感じられますね。

テリシアの精神壊し

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★

このコストに対して4マナという蘇生コスト。つまり蘇生で使うことをメインに考えているといっても過言ではないデザインになっています。

能力はライブラリー破壊ということで確かに速攻を持つ蘇生と相性は良くなっていますが、現在はライブラリーアウトを狙うには関連カードが弱い印象なので流石に使うことはあまりなさそうです。

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ドラゴンの運命

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

これが神話!?と一見して誰もが思ったであろうカード。オーラ・エンチャントクリーチャーの神話レアという時点でかなり珍しいです。

手札に戻ってくるという効果は中々に強力なので当然スタックで除去を当たられてしまうと意味がなくなってしまいますし、それでキャストが3マナというのはやや重いという印象はありますが、効果は中々に強力で倒し切るための一押しとしては強力であることは間違いありません。

いくら自分でパワーを上げられるとは言え、やはり元々それなりのサイズを持っているクリーチャーにつけたいカードではあるのでそう考えると赤単のようなデッキだけでなくグルールアグロに何枚か挿して使うのが良いように思います。

機械化戦

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

序盤に貼れると強いですが、後半だとこれよりも直接ダメージ源になるカードのほうが欲しいですし中盤でもこれを貼って得られた追加のダメージよりも直接ダメージ源になるカードを引いていたほうが結果的に総ダメージが多かったというようなケースもよく起こりそうです。なんにしても単体で何もしないカードをアグロデッキに入れるのは躊躇うところです。

ただこれを貼った後に《本能を穢すもの》が毎回2ダメージ飛ばすようになるのは中々に強そうなので、組み合わせて使うのは悪くないかもしれません。

やり過ぎ

  • 構築   :★
  • リミテッド:★

このカード名、コスト、効果の組み合わせ。明らかにネタっぽいカードにしか見えませんね。。。

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運命的連携

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★

普通に使うと弱いので、相手に押し付けて嬉しいアーティファクトやクリーチャーをプレゼントするカードとして使うのが本懐でしょう。

ただそんなカードが今のスタンダードにあるのかは謎ですが。。。

ギックスのくぐつ師

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★

一見悪くないように見えるスペックではあるのですが、昨今は4マナ域のクリーチャーとなると《黙示録、シェオルドレッド》《セラの模範》をはじめとして割と恐ろしいスペックを持つクリーチャーもいるので、どうしてもこのクリーチャーは見落としてしまう感は否めません。

スタンダードでは難しいでしょうが、下側のリアニメイト効果で自身を追放しないため他のカードと組み合わせると何らかコンボが形成できるかもしれませんね。

苦難の影

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

ナントゥーコの影》とは・・・と言いたくなってしまうくらい《ナントゥーコの影》の上位互換の登場です。

現在のスタンダードは2マナ域が弱めですが、その中にあっては中々のスペックを持っているように思います。パンプ能力で継続的にダメージを刻めそうですし、追放効果も流行りの《夜明けの空、猗旺》に対する対策となったりと割と嬉しい場面が多いです。

剃刀鞭の人体改造機

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★

どうみても《屑鉄場のたかり屋》のオマージュな一枚。

現在のスタンダードでは単色デッキは非常に少なく基本土地以外を4つという条件は比較的満たしやすく、これを墓地から戻すというプレイを取るケースが増える中盤以降はこれを満たしていることも決して少なくはないでしょう。しかも4/3として戻ってくるのでサイズも優秀。

それなりに使用されるクリーチャーになると思います。

敵意ある交渉

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

こちらは《嘘か真か》のオマージュですね。

心理戦が働く効果になっている点は面白いとは言え相手に選択権がある以上相手からすると絶対に手札に入れてほしくないカードは回避できるあたりはどうしても減点対象になってきます。3ライフ支払うのも中々に痛いので、使うのはちょっと躊躇われるカードとなりそうです。

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森林の目覚め

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

普通に使うというよりは土地が場に出たときに誘発するパーマネントと合わせて用いるのが筋でしょう。スタンダードだと《潮に仕えるもの、タトヨヴァ》あたりがありますが、双方とも単体で見ると弱いカードになるので構築戦で使うのはやや厳しそうです。

獣相のシャーマン

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

再録カード。2マナ2/2クリーチャーでありながら、デッキに1枚挿しで便利なクリーチャーを入れておくとこのカードで引っ張って使えるようになる点で構築の幅を広げてくれます。

現在のスタンダードでも充分使用に値する性能は持っていると思います。

常緑のビヒモス

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★

見ての通り蘇生コストの安さも含め、切削で墓地に土地を落とした上で使うことを想定したカードですが、墓地から土地をプレイするのにせめて本来より+1枚追加でプレイしても良いという記述が欲しかったですね。それがあればまだワンチャンあったかなという感じですが。。

根導線の融合体

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★★

2マナ2/3能力持ちという試作でもそれなりなスペックですが、やはりパワー5状態で能力を起動したときに15/15が実行で出てくるのはかなりのインパクトがあります。

試作で出したとしても《結ばれた者、ハラナとアレイナ》のようにパワーを上げる手段はいくつかありますから、それらと組み合わせて使うのも強そうです。特にグルールアグロで活躍しそうです。

ガイアの眼、グウェナ

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

パワー5以上を唱えたときに自身がマナ加速兼ダメージソースとなる点は非常に優秀で、そういった動きを取れたときの強さは特筆すべきものがあります。パワー5以上というのもそこまで簡単な条件ではないですが特に本セットで登場する《土の勇者》と一緒に使うと相当強力な組み合わせとなりそうです。

ヒストリックやエクスプローラーだと《アーチリッチ、アサーラック》とセットで使うと面白そうです。

生歯の子ワーム

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

アーティファクトが出るたびという誘発条件を緑で毎ターン満たすのはややしんどそうなので、使いどころに悩むカードになりそうというのが現在の率直な印象です。

実際にデッキを考えて組んでみると思った以上に使えるカードになのかもしれません。

ティタニアの命令

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★

6マナともなれば盤面に相当影響する効果を備えて欲しいところですが、2つ選べるとはいえどの効果も微妙なものばかりで構築戦で求められる水準にはやや達していない印象です。

こういう中途半端なカードはあまり構築戦で活躍するようには思えません。

猿人の似姿

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

単体でも3マナ4/3。蘇生でもう一度+1/+1カウンター2個をバラまけるのはシンプルに強力です。緑絡みのアグロデッキなら充分採用候補となるスペックは有しています。

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マルチ

軍勢を灰に

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

名誉回復》の土地は割れなくなった分、トークン一掃能力が追加されたバージョンといったカード。

やはり無難に強い効果ですし、相手がトークンを多用するデッキでなかったとしても《婚礼の発表》のトークンが溢れかえることもありますのでこの効果が役に立つこともそれなりにありそうです。

サリンスの大ワーム

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★

パワーストーンはマナブースト目的で使いたいので、6マナというコストの重いクリーチャーで生成できてもありがたみが薄いです。

それ以外も構築戦ではやや力不足感もあるスペックなので流石に弱いと思います。残念神話枠かな。。

刃とぐろの蛇

  • 構築   :★★★★★
  • リミテッド:★★★★★

特に青と黒の効果が相当強力で、青黒絡みの6マナでキャストした場合にはこれ一枚で+3枚分のカードアドバンテージを得られるのはどう考えても強いです。6マナというコストは重いですが、それに見合った能力は間違いなく持っています。Xコストもいざとなれば使えますしあるとないでは違います。

早くゲームを終わらせたいときには赤の能力はうってつけで、何れもコントロールデッキにマッチした性能を持っておりコントロールデッキのフィニッシャー枠として活躍してくれそうです。

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無色

街並みの地ならし屋

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

コストの重さといい能力といい少しマイルドになった《絶え間ない飢餓、ウラモグ》のような印象を抱くカード。

パワーストーンから重量級のアーティファクトを展開するデッキには悪く無さそうですが、現在のところ活躍できるかどうかは半信半疑といったとことです。これが活躍できるかどうかも含め新しいスタンダードには個人的に期待しています。

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まとめ

昨今のセットの中でもカードパワーが抜きんでている良セット

現在のスタンダードは《食肉鉤虐殺事件》が禁止された後でも相変わらず黒い環境となっていますが《食肉鉤虐殺事件》禁止は兄弟戦争のための布石だったのか?と思わせるくらい兄弟戦争は強力なカードが非常に多く、スタンダード環境は本セットの登場で激変することになるでしょう。

個人的には最近で言えば「エルドレインの王権」の次に強いエキスパンションだと思っているくらいです。

本セットにより当然ながら新しいアーティファクト主体のデッキは間違いなく登場するでしょうし、青白兵士のような本セットのわかりやすいアーキタイプだけでなくダメージランドが揃うことによってアグロの構築の幅は広がる上に《ミシュラの鋳造所》の登場もアグロ復権を予感させるには充分です。

そして《時間の旅人、テフェリー》は間違いなく強いと思いますし、これを用いたコントロール寄りのデッキも考えられます。もちろんミッドレンジ向けのカードもありますから多くのデッキタイプが間違いなく強化されることになるでしょう。

「団結のドミナリア」は特に特に際立って黒が強かったですが、今回はむしろ黒が弱く見えるくらいですのでそういった意味でもスタンダードのメタゲームは大きく変わりそうです。

また本セットの登場により以前はカードそのものは強かったにも関わらず環境が合わずに出番のなかった以下のようなカードもやっと順番が回ってきたと言わんばかりに活躍する可能性もありそうです。

今回合体としてキーワードとなったカードも、これまではファン向けの要素が強い印象でしたが今回は合体とキーワード化したこともあって(?)本当に構築フォーマットで活躍しても全く不思議ではないスペックで登場したことも新しい旋風を予感させます。


このセットの登場でスタンダードがどのように変化するのか本当に楽しみです。


なお、スタンダードを中心に話してはいますが例えば《時間の旅人、テフェリー》はヒストリックやエクスプローラーでも通用すると思いますし、エクスプローラーやヒストリックの《僧院の速槍》は首を長くして待っていたプレイヤーも多いことでしょう。兄弟戦争は下環境への影響も大きいであろう強力なセットであるのは間違いありません。

注目カード

筆者が本セットの中からスタンダード目線で特に注目しているカードです。個々のカードの説明については個別に説明している箇所をご参考ください。注目度の高い順番で降順に掲載しています。

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