兄弟戦争レビュー(Part1)

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2022年11月18日に発売となる新エキスパンション「兄弟戦争」について、発売前レビューとしていくつかのPartに分けて各カードを考察します。本記事はPart1になります。

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本セットのメカニズム

試作

「試作」は一言で言えば「試作」のコストで唱えることもできるという、カードに2つめのモードをもたせるような効果になっています。

試作のコストで唱えると色やサイズが異なった形で場に出ることになります。能力やクリーチャータイプは元のカードと変化ありません。

序盤にも終盤にも活用させる柔軟さをカードに与える強力なメカニズムになっていますので、構築フォーマットで使われるようなカードもそれなりに登場することになりそうです。

パワーストーン

団結のドミナリアのプレインズウォーカー《生けるレガシー、カーン》の忠誠度能力で作成できたパワーストーンですが「兄弟戦争」ではキーワードとしていくつかのカードに登場するようです。

これを執筆している時点では兄弟戦争のカードはごく一部しか判明していませんが、これがキーワードとなるということはアーティファクトをフィーチャーしたセットであるということでしょう。アーティファクトにフィーチャーしたセットは歴代強力なエキスパンションが多いので、今回の兄弟戦争も注目ですね。

合体

「合体」は文字通り戦場にある特定の2枚の組み合わせのカードを追放して1枚のカードとして合体させるメカニズムです。

これまでも似たカードは多数ありましたが、今回は合体元カードの裏面に合体後のカードが描かれるようになっています。

合体条件を満たすのは容易ではないので合体後のカードは強力なデザインになっているのはこれまでと同様と思います。正直これまでの合体カードはロマンカードという印象が強かったですが、今回はメカニズムとして用意されているあたり期待してしまいますね。

蘇生

「蘇生」は過去にも登場しているメカニズムで、蘇生コストを唱えると速攻で墓地から場に戻し、戦場を離れた時やターン終了後に追放するという効果を持っています。つまり一度だけ墓地から戻して使えるというメカニズムです。

構築フォーマットで言えば特にアグロデッキにとっては最後の一押しに繋がるメカニズムです。

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戦闘態勢

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

栄光の頌歌》の完全上位互換。カードパワーのインフレを感じます。

全体強化の置物でありながらも6マナとやや重めのコストながら《忘却の輪》にもなれるというのはどう見ても優秀です。ですがアグロで6マナ用意するのは容易ではありませんし、このカードですら《婚礼の発表》の前ではやや霞んでしまうくらい《婚礼の発表》のほうが分があるようには思います。

最近は3マナクリーチャーの性能が高いのでこれを使うようもクリーチャーを展開しているほうが良いようにも感じますが、それでも優秀なカードであることは間違いなくスタンダードで見ることもありそうです。

カイラの命令

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

どのモードも程々に強く、無難にまとまった印象のカード。

基本的に一番上+それ以外という選択が多くなりそうですが、無難すぎて全体的にどっちつかず感が否めません。ミッドレンジで使うにしても中途半端ですし、かと言ってアグロに使うような性能とも言えません。

そういったどっちつかずのカードは使い辛いので、構築フォーマットではやや厳しそうです。

カイラの再建

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

白トリプルシンボルというマナコスト的に白が濃いデッキじゃないと使い辛いという条件がどうしても引っかかってしまうカードですが、能力は非常に強力。この手のコストのカードが最近活躍した記憶はほぼありませんが、5マナで唱えるとさながら《集合した中隊》のように使えるので、そう考えると意外と強いかもしれません。

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時間の旅人、テフェリー

  • 構築   :★★★★★
  • リミテッド:★★★★★

最近はあまり活躍しなくなって久しいコントロールデッキ復権の立役者となるかもしれないというくらい強力なテフェリー。

特に-2効果で出てくるクリーチャーの強さと、カード1枚引くたび忠誠カウンターを載せるというところが非常に強力。例えばカードを3枚引くと忠誠カウンターが3つ載ることになるというこれまでのプレインズウォーカーと比べると忠誠度の上がり方が桁違いです。

出てくるクリーチャーのサイズもさることながら警戒を持っている点が非常に偉く、こういったプレインズウォーカーを使うデッキにありたがい守りも兼ねながら攻撃できる点は素晴らしいの一言です。

熟練の魔術師、ハーキル

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★★

能力はそれなりに強力で、5枚も捲るのであれば概ね手札に1枚は入るでしょうからカードアドバンテージを稼ぐ点については期待できる能力を持っています。

とはいえ本体がただの2/4と置物に近いサイズな上、置物として考えてもそこまで強力かと言われると微妙なところ。そのため構築フォーマットでは流石に厳しそうな印象です。

高波エンジン

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

無色カードですが能力的に実質青いカードなので青の枠で掲載しています。

これが神話レア?という感はありますが、1マナ払うだけで永久にブロックされなくなるのが強く後の《クルーグ公、ウルザ》を組み合わせ使うのもわかりやすく強そうに感じます。3マナと6マナの能力も悪くありませんし、久々に無色2マナで実用レベルのクリーチャーが出てきたなという印象です。

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ロノムの発掘家、フェルドン

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★

ブロックできない速攻。しかも能力は戦闘で死亡することが本望と言わんばかりの超アグレッシブなカード。と言っってもどこまで行っても只の2/2な上に伝説なのでパワー不足感は否めません。

これ使うくらいなら《血に飢えた敵対者》を使うかなぁ・・・という感はあります。

ミシュラの命令

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

もっとも強い使い方は2つめ+3つめのモードで1:2交換を取るように使うことになると思いますが、それが決まったときには破格とも言えるくらいの強さを秘めています。

Xコストのカードは重いのでデッキに何枚も入るカードではありませんが、ミッドレンジに1~2枚挿しで使う分には良い性能を持っているように思います。

僧院の速槍

  • 構築   :★★★★★
  • リミテッド:★★★★

前回のエクスプローラーアンソロジーで収録されたなかったのは兄弟戦争で再録するからという理由だったのか・・・と勘繰りたくなるようなまさかの再録。

強いのはわかりきっているカードでほぼ確実にスタンダードでも見ることになるでしょうが、ヒストリックやエクスプローラーにも大きな影響を与えることでしょう。

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ヨーグモスの法務官、ギックス

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★★

自分のクリーチャーがすべて《知恵の蛇》相当の能力を持つという強力な効果を有しているクリーチャーですが、本体が只の3マナ3/3なので強いは強いけどそこまでではなさそうというのが第一印象です。

黒を絡めた前のめりなアグロデッキであれば使う余地はありそうですが、黒ければ何でも入るようなスペックではないでしょう。奥義っぽい能力はおまけとしては悪くはないですが7マナは流石に重いです。

少なくても現環境に溢れている黒単以外の黒いミッドレンジにすんなり入るスペックではないと思います。

肉体装置技師、アシュノッド

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

他のカードの登場次第で強さがブレそうな能力を持っているので現時点では評価し難いのが本音ですが、接死を持っている点が素晴らしく能力を使っていくことも守ることもこなせるのは好印象です。

悪魔の意図

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★

この手のカードはコンボデッキのように特定のカードが必要になるデッキで特に効果的に使えるのですが、最近はコンボデッキは明らかに抑え目に調整されていることもあり活躍の機会が薄そうです。しかもそういったデッキだとクリーチャー生け贄という追加コストもそれなりに厳しい条件です。

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ガイアの声、ティタニア

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

合体という時点でついつい気になってしまうカード。合体後の裏面のクリーチャースペックはかなりの物がありますが、除去耐性が皆無なところは非常に気になります。

何より墓地を使うカードというのが環境的に逆風で《墓地の侵入者》という環境に溢れすぎなクリーチャーのおかげで、あまり使う気になれないのが正直なところです。

悪魔の意図

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

本セットではアーティファクトを多用するデッキも登場しそうなのでそういったデッキにとっては厄介な存在となるナイスサイドボードカードです。それ以上あまり言うこともないカードですね。

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マルチ

マク・ファワを手懐ける者、ミシュラ

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★

本体が5マナ4/4というのは構築フォーマットの水準には達していないですが、パーマネント生け贄という護法は中々に強力。

この蘇生が悪用できるようなアーティファクトがあればワンチャンといったところでしょう。

クルーグ公、ウルザ

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

+2/+2のロード効果は相当強力。ですが、このカードが活躍するかどうかは他のアーティファクトの登場にかかっています。

兄弟戦争を除くと現状強力なアーティファクトは少なすぎるので、新しいアーティファクトの登場次第でこのカードが活躍できるか決まりそうです。

忠実な護衛、ハジャール

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

2マナ3/3にしてこの能力というのは強いのは間違いないですが、問題はこれを使うに見合ったデッキが構築できるかどうかでしょう。

ただあまり凝った使い方をしなくても、いざとなれば《結ばれた者、ハラナとアレイナ》を守れるアタッカーと考えるだけでも決して悪くありません。

先兵の飛行士、ハービン

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

2マナ3/2飛行にメリット付きという時点で個人的には結構驚きのあるクリーチャー。

バントトークンと相性が良さそうで、そういったデッキには入ってくるであろうカードです。

金線使い、サヒーリ

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★★

そこそこ強そう。でもとても強いかと言われたらそうでもないという絶妙なラインのプレインズウォーカー。

+1を使うのは実質的にアーティファクトが殆ど必須。-2から出すトークンがその種になるとは言え、必ず-2から入らないといけないというのもやや難なのでやはりアーティファクトを使ったデッキで使うほうが無難であると言えそうです。

青赤のアーティファクトデッキ自体がどこまで強力に構築できるかによってこのカードの運命も決まりそうです。

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無色

ファイレクシアの肉体喰らい

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

現状判明しているカードの中で試作持ち第一号。初っ端に公開されたカードということもあって中々に強力なクリーチャーです。

3マナクリーチャーとして考えても3/3威迫絆魂護法は能力てんこ盛りで中々に強いですし、後半に7/5として出てきたときは対処に相当困ります。護法を強く使うためにもやはり前向きなデッキで採用するほうが良さそうです。

必須ではないとは言え7マナ用意するのは大変なので宝物トークンを生む《鏡割りの寓話》とセットで使うと良いかもしれません。

なお、試作状態でブリンクさせると7/5として場に出るという使い方が注目を集めていますが、個人的には現スタンダードのカードでそこまでして使うかと言われるとNoという考えです。ブリンクさせる手段が現スタンダードでは弱いので、そんな弱いカードを使ってまで必勝という程でもないコンボを狙いにいくのはあまり強い戦略ではないと思っています。

土の勇者

  • 構築   :★★★★★
  • リミテッド:★★★★

緑4マナで唱えるとまさかのデメリットなしの4マナ8/8。化け物過ぎませんかね?

特に現在は緑が濃いデッキを組むのが難しいという難儀な背景はありますが、緑白で4マナ5/5に加えて+1/+1カウンターを2個ばらまくという使い方も充分強力です。

緑絡みのアグロデッキの救世主となるか期待の逸材です。

ファイレクシアへの門

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★

パワーストーンというキーワードが本セットにはちりばめられていますが、そのパワーストーンを使ってキャストするカードのゴールとも言えるほど強力な性能を持っているカード。

普通に見ると重すぎて使えなさそうですが、まだセットの全貌がわからないとはいえパワーストーンを絡めると現実的にキャストできそうな気もしますので、このカードを軸としたデッキが登場しても不思議ではないと思います。

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土地

ダメージランド

  • 構築   :★★★★★
  • リミテッド:★★★★

団結のドミナリアに欠けていたダメージランドが収録されるので、これで10種類全て登場することになります。

何より嬉しいのは赤白でしょう。ボロスアグロを組むにあたってダメージランドが無いのは大きな支障と言える状況でしたので、ボロスアグロがこれで活躍できるようになるかもしれません。

ミシュラの鋳造所

  • 構築   :★★★★★
  • リミテッド:★★★★

スタンダードローテーションで消えたミシュラランドでしたが、古の名カードである《ミシュラの工廠》の調整版という形でスタンダードに帰ってきます。

特にアグロデッキには非常に嬉しい一枚。新しい環境のアグロデッキを盛り上げる一枚となりそうです。

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※Part2はこちら

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MTG Wonder

コメント

  1. BLACK より:

    ちょっと思い付きでガイア合体デッキを作ってみました。
    レアワイルドが足りなくてキーカードが少ないのですが、多少は合体まで早くいけるのでは?

    クリーチャー
    4 ガイアの声、ティタニア (BRO) 193
    4 芽吹くゴブリン (DMU) 145
    4 獣相のシャーマン (BRO) 179
    4 ラノワールの壌土語り (DMU) 170
    4 結ばれた者、ハラナとアレイナ (VOW) 239
    3 活力を穢すもの (DMU) 160
    1 産業のタイタン (SNC) 159

    呪文
    2 凶兆の血の暴行 (MID) 219
    4 タミヨウの保管 (NEO) 211
    4 噛み締め (DMU) 155
    2 壊れた翼 (KHM) 164

    土地
    9 森 (BRO) 277
    7 山 (BRO) 275
    4 自然の聖域、アルゴス (BRO) 256
    4 落石の谷間 (MID) 266

    ・芽吹くゴブリンで土地出しとサクってドロー
    ・凶兆の血の暴行で自分の土地を破壊してデッキから2枚出す
    ・獣相のシャーマンでガイアを引いてくる
    という方法で土地だけ墓地送りにしつつガイアを引き、追加ドローでアルゴスまで引きたい所ですが、それでも結構ターン数はかかりますね。

    切削で大量に落とす事も試してみたんですが、落ちて欲しくないカードの方が多くて、自分の趣味に合わなかったのと、効率面であまり良くない印象があったため、他の方法を考えてみました。Sparkyでスパーリングしてみた感じ、ハラナとアレイナや活力を穢すものが強いので、合体前に決着つくことも多かったですw

    • MasaKMasaK より:

      《ガイアの具現、ティタニア》は合体という特定の2枚のカードを揃えるだけでなく
      土地を一定数必要とする(もしくは墓地に落とす)のがなかなか条件的に厳しいところですよね。

      墓地対策が減ってきている印象もあるので、やはり切削で頑張ったほうが良いのかもしれませんが構築は確かに悩ましいです。。

      >ハラナとアレイナや活力を穢すものが強いので、合体前に決着つくことも多かったですw
      その二つは確かに強いです。でもそう聞くと《ガイアの具現、ティタニア》いらないのではと思ってしまいますが・・・w

      • BLACK より:

        最近は早期決着は珍しくないので、ちんたら墓地に落とすより土の勇者とか強いクリーチャー並べて殴ったほうが早いんですよね。
        やっぱり合体はロマンなんでしょうか?w

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