アルケミーはスタンダードのカードプールに加え「アルケミー:イニストラード」等のアルケミー向けセットが使用可能となったフォーマットです。
そのため一見スタンダードの延長線上にあるフォーマットなのですが、そんな印象とは裏腹にアルケミーフォーマットを定義しているのはスタンダードのカードではなくアルケミー特殊セットのカード達です。
そんなアルケミー特殊セットのカードの中から現在のアルケミー環境を定義していると言っても過言ではないほど強いカードに厳選して紹介していきます。アルケミーで強力なデッキを構築するのであれば是非とも採用を検討したいカードばかりになっていますので、特にあまりアルケミーに詳しくない方にとってはこのあたりを意識しておくと良いというカードばかりになっています。
長くなるため前編(イニストラード、神河)と後編(ニューカペナ、バルダーズゲート、ドミナリア)に分けて記載しています。
※カード画像については修正が入ったことで現在とテキストが異なっている場合がありますが、コメントについては執筆時点(2022/10下旬)の能力で記載しています。
アルケミー: ニューカペナ

《復讐の伝令》。このカードは現在の環境を席捲しているという程ではないですがカードパワーは本物で、相手が警戒していないと(大抵は警戒でないですが)相手だけ一歩的にクリーチャーをすべて破壊した上に4/5飛行というとんでもないパフォーマンスを発揮します。
ちなみにダメージを与えたパーマネントなのでクリーチャー以外も時には破壊してくれます。前環境だとミシュラランドを巻き込んだりすることもそれなりに発生しました。

《衝撃的な悪戯》。赤いアグロ躍進の立役者とも言える存在であるカード。これまでのレイコマ系(※この手の効果の元祖である《命令の光》の通称)のカードは奪った後のことを考えると使い辛いシーンも多かったのですが、このカードはクリーチャーを奪ってダメージを叩き込んだ上にブロック不可&毎ターンプレイヤーに1点ダメージ付与というアグロにとっては打ち得な性能となっており、特にアルケミーの赤単においては高い頻度で使われています。
非常に強力なので赤単を相手にするときには意識しておきたいカードです。

《舞台座一家のお祭り騒ぎ》。あまりの強さにコストを赤赤緑にされるというナーフは受けましたが効果そのものはナーフされておらず、設置後の強さは健在です。普通に使っても強いですが、クリーチャーの頭数を揃えることが重要となる部族デッキとの相性は抜群です。

《守秘義務》。大抵は《否認》と同じような使い方になるものの《否認》と違って対戦相手の墓地にあるクリーチャーに変わることもできますし、墓地のマナが5種類あればボーナスもついてくるため、コスト面以外では単純に《否認》の上位互換の性能となっています。
アルケミーで青黒を含むデッキであれば《否認》よりこちらを積むのが一般的です。

《運命の占者》。このカードの登場によってアルケミーでのエスパーは大幅にパワーアップし、直近のアルケミー環境をエスパー祭りにしている戦犯とも言えるほど強力なクリーチャーです。《ジンの皇帝、カリム》と相性抜群で、一体生き残っているだけでも強力ですが《ジンの皇帝、カリム》を捨てることによって追加の《運命の占者》を手札に加えて桁違いのカードアドバンテージを稼ぐのはアルケミーではよく見られる光景です。
アルケミーの中でも最強クラスに強いカードですが、つい前日ナーフを受けてタフネスが3→1になり謀議込みでも《切り崩し》や2点火力で倒せるようになり生き残る確率を下げました。とは言え生き残っている間の凶悪さは健在。出てきたら早急に除去することをおススメします。
アルケミーホライゾン:バルダーズゲート

サイクリング効果から時間を稼ぐことがそのまま勝ち手段となる優秀なクリーチャー。前述のようにエスパーデッキで多数採用されていますが、コントロールデッキでも強力なフィニッシャーとして使用することができます。倒されても倒されても時間さえあれば(サイクリングを重ねれば)無限に復活するのも恐ろしいです。
稀にこのカードをサイクリングした後に相手に後に紹介する《邪なる大魔導士、ターシャ》を出されて拾われて悪用されることがあるのが玉に瑕といったところですので、注意してプレイする必要はあります。
このカードも含めアルケミーでは墓地を使うカードが多いことが現行スタンダードと比べると大きな違いという特徴があります。

特に先行1ターン目に展開したときの強さが半端ないクリーチャー。能力的にロードっぽく使いたくなりますが、2体掛りでこのクリーチャーだけ強化するように使うだけで充分強いです。
もしこのカードが初手に二枚あった上で先行を取っているときは2ターン目の終了時には3/1が3体並んでいることになりますから、それだけで勝ててしまうくらいの強さがあります。

アルケミー環境の最強の4マナプレインズウォーカーとしては《放浪皇》よりもこちらに軍配があがるだろうというくらいの強さを持つプレインズウォーカー。
-2効果も強い上に、+1の効果があまりにも強く+1を使われている状態では相手は攻撃することすら躊躇うような状況になり、通常プレインズウォーカーを落とす手段として最も効果的であるクリーチャーの攻撃に対して過去一とも言えるくらいの耐性を持っています。それ故に非常に落とされ辛いのですが、奥義も強いので落とさないと負けるという厄介極まりない性能をしています。
青黒を含むデッキなら採用を検討すべきカードです。

対象を取るカードであればどんなカードに対しても一回はブリング効果で逃げることができるという除去耐性が非常に高いクリーチャー。二段攻撃を持っており、専門化すればパワー3あるため打撃力も半端ではありません。放置できないし倒せないし・・・という相手にすると対処に非常に困ります。現在では単騎で出てきたのであれば《ヴェールのリリアナ》が有効な対策となります。
そして専門化で誘発する能力も非常に強力。専門化した後であればブリンク効果で逃げると専門化した時の能力が再度誘発するのも強力。エスパーのような白を含むミッドレンジデッキでの採用率が群を抜いているカードです。

先に述べた《ジンの皇帝、カリム》を筆頭にアルケミーでは墓地を活用するカードが多く墓地対策は殆ど必須とも言える環境になっていますが、このクリーチャーはそんな墓地対策をメインから無理なく行える点によりアルケミーでは高い頻度で採用されている重要なクリーチャーとなっています。
2マナでタフネス3あるので地味に固い上、専門化のおかげで2マナクリーチャー以上の強さを発揮できるのが強くエスパーも含め黒いデッキなら2~3枚程度メインに採用するのがトレンドとなっています。
アルケミー:ドミナリア
このセットのカードはリリース直後であることもあり環境を席捲している程ではないですが、使ってみて強かったカードも含めて紹介しています。

このカードはミミック系のカードでコピーすることで無限にクリーチャーのINOUTを繰り返せるというコンボによって注目を集めているカードです。コンボの詳細はこちらで解説していますので気になる方はご参照ください。
無限コンボができなくなるようにテキストが修正される可能性もそれなりにありそうですが、少なくても修正されない間はアルケミーでそういった無限コンボが可能であることは知っておいたほうが良いでしょう。

見ての通りなカードですが毎ターンゴブリンを供給してくれるので息切れ防止になるだけでなく長期戦の大きな後押しとなってくれるカード。
ランダムで選ばれたカード1枚ドラフトなので結構裏目を引いてしまうこともありますが、赤単ゴブリンのようなデッキに入れて使っているプレイヤーもそれなりに見かけます。

かつて2マナの機体として名を馳せた《キランの真意号》というカードがありましたが、攻撃性能で言えば《キランの真意号》を超えるポテンシャルを持っています。
ボロスアグロを組んで機体はこの4枚だけ突っ込んで実際使ってみましたが2マナと思えない打点を叩き出す強力なカードとして機能しました。ですが現時点では赤白のアグロを組むにはマナベースがきつく、特に赤白のダメージランドが現時点で存在しないのが大きな痛手です。その点が解消すれば大きな活躍を見せるカードとなるかもしれません。

こちらも環境を席捲している訳ではないのですが、このカードからドラフトされる《Time Walk》と《Ancenstral Recall》の2種を主に使うことを狙う青単やイゼットといったデッキを構築しているプレイヤーを結構な頻度で見かけます。それを更に《サイバの吸引者》で墓地から戻して使いまわすというギミックまで入れているデッキですが、メタゲームにどこまで食い込むことができるのか期待したいところです。
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