団結のドミナリアレビュー(Part4+総括)

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2022年9月9日に発売(MTGアリーナに9月2日実装予定)となる新エキスパンション「団結のドミナリア」について、発売前レビューとしていくつかのPartに分けて各カードを考察します。本記事はPart4+総括になります。

※Part3はこちら

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ウルザ、タイタンズを組織する

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★

プレインズウォーカー中心の効果が集まった英雄譚で、プレインズウォーカーデッキで使うことが推奨されるカード。

ですが、いくらデッキにプレインズウォーカーを多めに積んだとしても占術4では外れる可能性は無視できない程度に高くなるでしょうし、2章の効果は5マナキャストについてるくらいならこれ経由せずにプレインズウォーカーを素で出すしという感じです。3章の効果は嬉しいは嬉しいがそこまで強い訳ではないというくらいですし、すべての章が5マナ英雄譚に見合わない感があります。

そもそも3章の効果を美味しく使うなら盤面に複数のプレインズウォーカーがいる必要がありますし、複数のプレインズウォーカーが生き残っている時点で3章の効果がなくてもゲームは概ね有利な状態にあるでしょうから、わざわざこのカードを使う必要性があるのか懐疑的です。

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アカデミーの伝承師

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★

お互いのプレイヤーに効果を及ぼすので、相手より美味しい思いをしようとするのであれば「増えた手札を使いやすい軽コスト主体の構築にする」か「インスタントタイミング中心に動く構築」の何れかが考えられます。概ね後者のデッキで採用を検討されることになるでしょう。

弱点なのは相手が先に効果を誘発できるという点です。2ターン目に出した時にはそこまで気にならないかもしれませんが、それ以降のターンだと相手だけドローした後に除去されるというのは中々キツイです。それに今回のセットで優秀なインスタントが多く登場したとはいえ、現状のスタンダードで強い瞬速デッキが作れるイメージもあまり沸きません。

霊気の媒介者

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★★

能力的にはそれなりに強いが飛びぬけて強い訳でもなく、構築戦で普通に使う分にはもう一声ほしいレベルの性能です。

そのため居場所を見つけるのであれば恐らくブリンクデッキになるでしょう。どんな状況でも有効に使える効果というのもブリングデッキにとっては有難いですし、青3マナクリーチャーのブリンクデッキ向けのクリーチャー性能としてはそれなりに高いです。

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本能を穢すもの

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★★

ファイレクシアンマナサイクルのクリーチャーですが本体がやたらと優秀な性能を持っており、4/4先制の強さに加えて除去必須とまでは言えないにしても放置しておくと致命傷になりうる効果を有しています。強くて放置しておけない性能となると当然構築戦で充分活躍できるように感じます。特に赤単の4マナ域にはうってつけですが、逆に赤が濃くない場合《轟く雷獣》のほうが優れているようにも思います。

このサイクルの中では個人的に緑とこの赤が頭一つ抜けている印象です。(緑と赤は優劣つけ難いですが、やや緑かなといった印象)

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ギックスの残虐

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★

何れのモードも無難に優秀にまとまった英雄譚。その分5マナキャストとそれなりの対価は求められます。

ただし1章に関して、基本的には3章と組み合わせてデザインされているものとは思いますが5マナで唱えたとしてもそれなりにスカってしまうこともありそうな点は気がかりです。

コントロールデッキに入れるのも悪くないですが5マナは決して軽くないですし能力的にコントロールに入れるよりもリアニメイトデッキで入れるほうが合っているようにも感じます。

影の儀式の司祭

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

2マナ2/2ロード効果に+αと抜群のスペックを持っているクリーチャーですが、クレリックはローテーション落ちに優秀なクリーチャーが多かったので出てくるタイミングが悪かった感は否めないところでしょう。せめて前環境ならそれなりに活躍していた可能性はありますが、新環境だとやや厳しそうです。

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シルバーバックの古老

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★★

緑5マナ神話レアクリーチャーにあちがちな、場に出てすぐ仕事はしないが生き残れば強いというスペックを色濃く受け継いでいるカード。

生き残れば強いとはいえどの能力もややパッとしない感はありますし、本体がトランプル等ももたないバニラ性能という点からもあまり期待できる印象が持てません。

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マルチ

復活したアーテイ

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

盤面のクリーチャーorプレインズウォーカーだけでなく、呪文や起動誘発能力まで止められるという相当器用な性能を持つクリーチャー。その分相手にカードを引かれてしまうという弱点を持っています。

そのためこのカードを活かすならカードアドバンテージではなく、3/2を出しつつ相手の任意のカードを止めて時間を稼ぐというテンポアドバンテージを取る点を有効活用していくことになります。例えば青黒のクロックパーミッションのような相手を妨害している間に殴り切るといったデッキにはピッタリの性能です。

統べるもの、ジョダー

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★

特に5色のカードというのは唱えるのに時間がかかったりデッキがどうしても序盤もたつきやすくなってしまうため、苦労して捻出した5色5マナのカードにはある程度の即効性がないと厳しいです。その分生き残って自分の番が返ってくれば強力というデザインにはなっていますが、5色の時点で長期戦には概ね強いはずです。

+X/+X修正はすぐに反映される効果ではあるもののコレジャナイ感はありますし、伝説クリーチャーだけというのもデッキの構築制限を引き上げる割には・・・といったところです。同じ5色なら1マナ重いとは言え筆者は《神の乱》推奨派です。

陽気な呪、アイヴィー

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★

シミック、もしくはバントオーラデッキの立役者となる!?・・・かもしれません。

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まとめ

ローテーション後の新スタンを彩る強力カード多数の良セット

団結のドミナリアはスタンダードローテーション後の新セットとなるので特にスタンダードにおいて非常に重要なセットになりますが、新スタンで活躍することが想定される強力なカードがちりばめられたセットになっているという印象です。

特に黒はパッと見ただけですぐにわかるくらい豊作です。《切り崩し》は近年でも相当優秀なクリーチャー除去ですし、多少デッキは選ぶものの本セットの顔である《ヴェールのリリアナ》。期待のカードと言える《黙示録、シェオルドレッド》といったあたりを中心に他にも優秀なカードが顔を揃えています。これらに加えて《絶望招来》を使用した黒単(もしくはほぼ黒単のタッチα)といったデッキは間違いなくスタンダードシーンに登場するでしょう。ローテーションで《黄金架のドラゴン》《表現の反復》を使ったようなデッキがいなくなることも黒には追い風と言えます。

そしてアグロ向けのカードとしては赤が特に期待が集まるところでしょう。

上記あたりのカードは赤いアグロでほぼ間違いなく使われるでしょうし、ローテーション後も残る赤いカードを考えると赤単アグロはアグロデッキとしてローテーション後早々に頭角を現すことが予想されます。ただミシュラランドが落ちたこともあり単色にするメリットはやや薄いかもしれませんので、2色にするかどうかということにも頭を悩まされそうですし構築のし甲斐もあるところです。

既存スタンになかった新しいアーキタイプとして考えられそうなのは、まずは版図を使った多色デッキでしょう。

ニューカペナの3色ランドに加えて《スランの門》が登場したことで比較的版図を伸ばしやすくなっており《力線の束縛》のようなカードを駆使しながら長期戦を目指すも良し《ニショーバの喧嘩屋》のようなカードで早めに攻撃していくデッキを作るも良しとデッキ構築の幅が広そうなデッキが組めそうです。


またデッキを支えるインスタントも優秀なカードが収録されています。

《本質の散乱》の再録だけでなく、前述の《切り崩し》《稲妻の一撃》や2色を指定されはするものの非常に優秀な新カードである《ローナの渦》《羅利骨灰》といったように、これらのインスタントは新環境で活躍することは間違いないでしょう。このあたりのカードがあるとデッキがグッと引き締まりますしプレイの幅も広がりますから新スタンは面白くなりそうです。


そしてヒストリック、エクスプローラーのような環境でも先程の版図関連のカードはショックランドと相性が良い点で使いやすかったりしますし、スタンでは厳しそうなロード各種(特にマーフォークあたり)は下環境だとより強さを発揮してくれそうですから、下環境への影響もそれなりに大きそうなセットになっています。

リミテッド視点で言えば、本セットはコモンの2~3マナクリーチャーがパッと見渡しても性能の高いものが多く2ターン目からしっかりクリーチャーを展開して攻めていくことが重要になりそうな雰囲気です。ニューカペナの街角でもコモンクリーチャーの性能の高さが向上したと感じましたが、それは本セットでも感じることになりそうです。アリーナオープン等のイベントでもリミテッドをプレイする機会がありますから、こちらも楽しんでいきたいですね。

注目カード

筆者が本セットの中からスタンダード目線で特に注目しているカードです。個々のカードの説明については個別に説明している箇所をご参考ください。注目度の高い順番で降順に掲載しています。

Amazon:団結のドミナリア

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