2022年秋スタン落ちの名カード達(ZNR/KHM編)

スタンダード

2022年9月に発売となる「団結のドミナリア」のリリースに伴って、スタンダード環境が大きく変わります。

具体的には「ゼンディカーの夜明け」「カルドハイム」「ストリクスヘイヴン魔法学院」「フォーゴトン・レルム探訪」の4つがスタンダード落ちし使用できなくなります。執筆時点では現在のスタンダード環境も残り2か月程度となっています。

この記事では残念ながらスタンダード落ちしてしまう名カードにスポットを当てつつ、次のスタンダードの変化についても触れていきたいと思います。長くなるのでいくつかのパートに分けて執筆していきます。今回はゼンディカーの夜明け(ZNR)、カルドハイム(KHM)編です。

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ゼンディカーの夜明け

《光輝王の野心家》は最近の白いアグロデッキなら必ず入るといっても過言ではないカードになっており、現在の白2マナクリーチャーといえば真っ先に名前が挙がるカードです。アグロだけでなくミッドレンジでも活躍しておりその強さは嫌と言うほど体感しているものと思いますが、僅か2マナクリーチャーなのに対峙する側としては放置しておけないということがいかに強力であることかを教えてくれたカードと言っても良いのではないでしょうか。

ここまで汎用性の高い白2マナクリーチャーは他にいませんので、次期スタンダードではこのカードの存在の有無の違いは結構大きく感じそうです。

ヒストリックでも使えるレベルの強さを持っていますが、アルケミー調整でナーフされています。アルケミー落ちすれば流石にヒストリックではナーフを解除してくれても良いと思いますが、どうなるのか気になるところです。(というかアルケミーのカードが強すぎるのでナーフ調整した意味って・・・?と個人的には思っていたりしますが)

白いクリーチャーでありながら特に対コンボの要素を持たせてくれるクリーチャー。常に使われたカードではないものの、イゼット天啓の《感電の反復》や最近ではナヤルーンといった呪文を連発するデッキに対してのキラーカードとして、メタゲーム次第ではメインボードにも採用されその存在感を見せつけていたカードです。

現在のところスペルを1ターンしか唱えられない能力を持つパーマネントは次期スタンには存在しませんが《感電の反復》やナヤルーンのキーカードが軒並みスタン落ちするので結果的にこのカードが落ちることに対してのダメージもそこまで大きくないのかもしれません。

《スカイクレイブの亡霊》も白では《光輝王の野心家》並みに大活躍していたカードで、下環境でも使われるくらい汎用性は《光輝王の野心家》以上と言えるほどのスーパーカード。4マナ以下のパーマネントといっても大抵は対処に困らないので、白が大抵のパーマネントを対処できる手段としてあまりにも便利すぎたカードでもあります。除去されても返ってくるカードが別物のトークンクリーチャーというのは反則レベルですね。

ここまで雑に何でも対処できるカードは殆ど例を見ないくらいで、このカードが落ちることによる白のパワーダウンは避けられないと言っても良いでしょう。こうしてみるとZNRの白の豊作っぷりは素晴らしいですね。

最近はお供となるカードが少なく活躍する場面をあまり見なくなっていましたが《遺跡ガニ》はアンコモンであるにも関わらずZNRの青を代表するカードと言っても差し支えないでしょう。タフネス3が妙に除去し辛く1ターン目、2ターン目に連打で《遺跡ガニ》を出されたときのライブラリー破壊っぷりは忘れられそうにありません。

他にスタン落ちするカードを鑑みても、現時点では次の環境でライブラリー破壊デッキが生まれない可能性は高そうです。

最近の黒の全体除去と言えば《食肉鉤虐殺事件》になっていますが、それまでは《影の評決》はそれなりの活躍を見せていました。多少用途は違うとは言え最近は《食肉鉤虐殺事件》に完全に置き換わった感があります。

このカードは追放というのが中々に大きなメリットで、死亡時に能力を誘発させたり墓地から帰ってきたりと言ったクリーチャーを相手にしても後腐れなく対処できるので、そういった意味では頼りになるカードでした。

《食肉鉤虐殺事件》はスタン落ちしませんので、今後も黒の全体除去は《食肉鉤虐殺事件》が担っていきそうです。

《水蓮のコブラ》登場時は《寓話の小道》といった上陸を誘発させやすい土地に加えて《創造の座、オムナス》といった壊れカードがあったことで大活躍していましたが、そういったお供のカードがいなくなったことで自然とあまり見ないカードになっていたのが印象的なカード。

このカード自体は言うまでもなく優秀なのですが、ただ強と思われたこのカードもこういった類の能力はお供となるカードがそれなりにいないと結局は活躍し辛いということでしょう。

最近は緑の1~2マナ域のマナブーストカードは明らかに性能控えめ調整されているので、そういった調整は今後も続きそうな予感がします。

2ターン目、3ターン目に連打され+《寓話の小道》起動によって3ターン目から10点ダメージが飛び交ったことも印象的な《山火事の精霊》。このカードも最近は存在すら忘れられているのではないかというくらい見ないカードになっています。《水蓮のコブラ》もそうですが、上陸は回りのカードに強さがかなり依存するというのがこのあたりでも感じるところです。

最初に使われ出したのはスタンダードではなくヒストリックでのメタカードとしてという遅咲きのカード。白緑という比較的不器用なカラーでありながらサクリファイスデッキをこれ一枚で完封してしまうという、効く相手にはトコトン効くカードでした。

サクリファイスデッキもスタン落ちのカードの影響は大きそうですが《鬼流の金床》も存在しているので、次期環境でも存在するアーキタイプになるかもしれませんが、対策カードとしてとりあえずサクリファイス相手に入れとけカードである《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》のかわりを考えないといけなくなるかもしれません。

あまりにも強く、そしてあまりにも早く禁止されてしまった《創造の座、オムナス》は良くも悪くもZNRの目玉であったのは間違いありません。

使う分には個人的に面白いカードだったのですが、流石に止む無しといったところです。最近かなりカード性能の調整に気を使っている感は感じますがここまで速攻で禁止されるカードが今後登場しないことを願うばかりです。

《創造の座、オムナス》はさておき、現実的なところでZNRの革命的カードといえば両面のスペル土地シリーズで間違いないでしょう。

MTGはそのランダム性ゆえに、土地の引きすぎ(マナフラッド)と土地の引かなさすぎ(マナスクリュー)といういわゆる土地事故は永遠についてまわる事象ですが、それに対しての挑戦状とも言えるデザインになっているのがこれらのカードでした。個人的にはとても好きなデザインです。

現在はこれらのカードを加味して土地の総数を調整する構築が一般的ですが、これらのカードが退場することで土地の総数は普通(?)の方法に戻りそうです。何気にこれらのスタン落ちはかなり大きな影響があるものと思います。

ZNRとKHM(カルドハイム)で全種類登場した両面土地の小道シリーズもスタン落ちとなります。必ずアンタップインできるのがとても優秀で、2色ランドシリーズの中でも相当優秀な部類に入る土地シリーズでもありました。

当たり前に使っていたこの土地も使えなくなるとデッキ構築時に不便を感じることも出てきそうです。「団結のドミナリア」で新しい2色土地が出てくる可能性はありますが、現状のままだとタップインする可能性が高い土地が多くなるので3色以上はよりもたつきやすくなるかもしれません。

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カルドハイム

カルドハイムは両面の神がシリーズとして登場しました。その内でも2種類が飛びぬけて活躍しましたが、その内の一つが《傑士の神、レーデイン》です。

基本的には表面の神として相手の4マナ域のスペルを重くすることで活躍することが多く、特に白単アグロで場に出して4マナ以上の全体除去のテンポを大きく遅れさせてしまう間にビートダウンを完遂するといった使い方で大きな活躍を見せていました。特に《出現の根本原理》が流行っていたときにはこのカードの強さは印象的でした。

裏面の《守護者の盾、ヴァルクミラ》も特に赤い相手にはこれ一枚で相当有利なゲーム展開に持ち込むことも可能ですし、今度もヒストリックやエクスプローラーで時々見かけるカードとして活躍しそうです。スタンダードでは白の優秀な3マナ域クリーチャーが飽和状態でしたが、今回のローテーションでその状況も大きく変わりそうです。

《正義の戦乙女》はどちらかと言えばスタンダード以外のヒストリックやアルケミーで良く見かけた印象ですが、このカードもスタン落ちすることになります。現在はオルゾフ天使といった天使デッキ以外ではあまり出番がありませんが、逆に言えば天使デッキは今後かなり組み辛くなりそうです。

予顕込みという条件はありますが、3マナの確定全体除去自体が非常に珍しく《ドゥームスカール》は青白コントロールを中心に長らく使われるカードとなりました。

白の全体除去としては次期スタンにもいくつかあるので変わりは効きますが、このカードと比べると若干性能ダウンする感は否めません。

それまではファンカードのような趣もありましたが、ナヤルーンの登場をきっかけに突如としてトーナメントシーンに登場したのがこのカード。《樹海の自然主義者》とセットでルーンのコストがゼロになる点で強さに舌を巻いたプレイヤーも多いのではないでしょうか。

《皇の声、軽脚》のようなオーラをサポートするカードは次期スタンでもいくつか残るのでオーラデッキ自体は次期スタンでも存在する可能性はありますが、少なくてもルーンを中心としたデッキは次スタンでは存在しないことになります。

コストの重さ的にそこまで活躍しないと思っていたカードでしたが、ご存じの通りスタンダードを席捲したカード。席捲しすぎたことで結局は禁止カードとなってしまいました。(勝手に筆者がそう思っているだけですが)KHMの三種の神器の一つです。

ターンを得る系のカードはコストが重かろうが危険ということを嫌と言うほど思い知らされたカードです。おまけの1/1鳥トークンが勝ち筋になるデッキが登場するとは初見では全く想像つきませんでした。

カルドハイムの両面神の中で最も活躍したであろうカードが《嘘の神、ヴァルキー》です。どちらかといえば裏面の《星界の騙し屋、ティボルト》が目立つことが多かったですが、表面のヴァルキーもよくプレイされたのは間違いありません。

表面が2マナ、裏面が7マナというデザインなので序盤であろうが終盤であろうが強く使えるというのが素晴らしく、両面カードはそれくらい役割が違ったデザインになっていると使いやすいということを《嘘の神、ヴァルキー》は教えてくれたようにも思います。

赤黒を使っているデッキなら迷ったらこれを使っておけば良いというくらいのカードでしたが、そんな便利な強カードもスタンダードから去ることになります。変わりの効かない個性的なカードです。

一時期は赤いデッキなら大体は入っていた(今も?)といっても良いくらい大活躍した《黄金架のドラゴン》。5マナドラゴンの中でも歴代で見ても相当活躍した部類のドラゴンと言って良いでしょう。KHM三種の神器の一つです。

5ターン目に攻撃してクロックを作りながら2マナ構える、自身を対象にしてスペルを唱えて宝物トークンを生んでコンボをする、どちらもドラゴンらしからぬ芸当ですが、このカードは現実的にそれらのトーナメントレベルのデッキを多く生み出しました。筆者はアルケミーのカードバランス調整であまり納得いかない調整に感じるカードも多いですが、個人的にはこのカードのアルケミー調整はすんなりと納得できるくらい良調整だったことも印象に残っています。それくらいこのカードは強すぎました。

クリーチャー除去カードの選択にも影響を与えるこのカードがスタン落ちすることの影響は計り知れないものがあります。

リリース当初はあまり見向きもされていなかったことが今では信じられないくらい、グルールアグロでの活躍をきっかけとして一気にスタンダードに普及したカード。KHM三種の神器の一つです。

いまでもとりあえず緑を使ってるならデッキに入るカードですし、緑を使う理由とまで言っても過言ではないくらいのカードです。逆に言うと緑はこのカード以外の印象が薄いのは筆者だけではないはずと思ったりもするくらいです。緑のミッドレンジ戦略は今度大きく形を変えそうです。

今後の緑の顔は《産業のタイタン》になるのかもしれませんね。

白赤という色にも関わらずカードアドバンテージを大きく得ることが可能となっている《スカルドの決戦》。4枚カードを捲るということが赤白で出来るというのが何より貴重で、2章3章の強さも相まってリリースからずっと使われ続けたカードになりました。

とても他の赤白のカードでは真似できない芸当をするカードなので、このカードが好きな方はスタン落ちまで使い倒しましょう。

単色アグロの存在理由ともなっていた《不詳の安息地》でしたが、まさかの禁止によりスタンダードから途中退場となりました。個人的には禁止解除して良いのではと大分前から思っているのですが、結局は禁止解除されることはありませんでした。

フォーゴトン・レルム探訪がスタン落ちすることも含め、次期スタンにはミシュラランドが(少なくても今の時点では)全く存在しない環境となります。この点だけ見ても次期スタンの大きな変化が感じられます。

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