MTGのゲーム開始時に早速訪れる選択肢であるマリガン。
端的に言えば初期手札を1枚減らして引き直すどうか判断するだけなのですがこの判断が非常に難しい。デッキ内のカードからランダムに7枚手札に来るので初期手札のパターンが多く殆ど毎回パターンが異なるだけでなく、リミテッドか構築戦かでも変わってきますし、先手後手でも変わってきたり、自分の使っているデッキや相手が使っているデッキによっても基準は変わったりするので上級者でも常に頭を悩ませます。しかしこの判断がゲームの勝率に大きく関わってくる大事な要素になっているのも事実です。
マリガン判断のケースは無数にあるのでそれらを網羅するのは不可能なのですが、ここではパターンをいくつかピックアップしそういった時の判断基準を示していきます。全て必ずしもこうであるといった正しい正解を出すのは困難で例外もありますが、マリガン判断の参考として頂けばと思います。
マリガン判断の考え方
シングルマリガンかダブルマリガンかによって基準を変える
1回目のマリガン(=初期手札6枚)と、2回目のマリガン(=初期手札5枚)において2回目のマリガンの基準は緩めに考えたほうが無難です。つまり仮に1回目マリガン後、引き直した手札が1回目マリガンした時とほぼ同じ手札だったとしても2回目であればキープするべきであるケースがあるということです。
当然マリガンを重ねると初期手札が減ることになりますが、シングルマリガンはまだしもダブルマリガンまでしてしまうとその時点でゲームに大きく不利になります。もしトリプルマリガンしてしまうとその時点でゲームに勝てる見込みはほぼほぼないといっても過言ではありません。体感では片方はマリガンなし、もう片方がダブルマリガンといった条件であればダブルマリガン側が勝つ可能性は3~4割程度といったところです(デッキ相性等のケースによっても変わりますのであくまで所感レベルで)
後に事例をあげますが、ある程度と土地とスペルの枚数バランスは取れていてゲームは始められるもののこれではゲームに勝てるか怪しいといった時にはシングルマリガンは推奨です。でもそれがダブルマリガンになるならキープしたほうが良いケースは多いです。少し悪めの手札であってもダブルマリガンした時点で背負う大きなハンデと比べたらマシであることも多く、仮にダブルマリガンしても良い手札が来るかわからない上にダブルマリガンするとトリプルマリガン(ほぼ無理ゲー)に繋がる可能性も出てくるためです。
感覚的に雑に言えば1回目は攻め気味にマリガン判断しても良いが2回目は守り気味で判断したいという感じです。
ただこれも相手がマリガンしているかどうかによっても多少変わる部分はあります。もしこちらがダブルマリガンしていても相手がシングルマリガンしているなら枚数差1枚なので幾分ハンデは緩和されます。時には相手がマリガンしているかどうかでダブルマリガン有無を判断するのも良いでしょう。
オール土地 or オールスペルはマリガン
どんなデッキであっても手札が全てスペル(土地なし)であればシングルだろうがダブルだろうか100%マリガンなのは当然ですが、逆に全て土地であるという時、少なくてもシングルであれば100%マリガンですがダブルになるなら相手次第でキープすることもありえます。
例としてお互いのデッキがコントロールデッキ、つまり序盤にクリーチャーを展開したりといったせめぎ合いがないデッキであれば、序盤のスペル以上に土地を詰まらずに伸ばすことが重要となるマッチアップもあります。2本目等の理由でお互いのデッキが事前にわかっているのであればそういった点も加味してオール土地でもキープはありえます。このようにどんな手札も相手のデッキが何であるかは重要な判断基準となります。
ここではわかりやすくオール土地 or オールスペルと言ってはいますが「土地6枚スペル1枚」や「スペル6枚土地1枚」も基本的に同じです。ただこの場合にはダブルマリガンするくらいならリスクありつつもキープしたいときはありますし、使っているデッキによっては土地1枚でもシングルマリガンすらせずにキープする場合もありますのでまた後述します。
事例1:アグロデッキで序盤に動けない手札







例として白単アグロを使っている際、上記のような初手は一見バランスのよさそうな初手に見えますがマリガン推奨の手札です。ダブルはかなり迷いますが、少なくてもシングルならマリガンするべきでしょう。
アグロデッキは早期にクリーチャーを展開し早々に押し切って勝利することをテーマとしているデッキですが、裏を返すと序盤に展開できないと弱くなってしまうカードも多いということにもなります。
例えば上記のような《精鋭呪文縛り》や《粗暴な聖戦士》といったカードは相手にプレッシャーをかけている状況で出すことで活きてくるカードですし《輝かしい聖戦士、エーデリン》も他にクリーチャーがいないと弱めといったように、3マナ以上のカードは概ね他に序盤から圧力をかけていくクリーチャーと合わさることで強みが活かされるカードも多く、ターンが長引くと弱いカードが多いのもアグロの特徴です。
そういったデッキで1~2ターンに何もできないというのはそれだけで大きく勝率を下げることに繋がります。アグロではなくても例えばランプデッキなのに2~3ターンにマナ加速できない手札といったようなケースも同様です。このようにいくら土地とスペルの枚数バランスが良くてもデッキが狙っているゲームプランが実行できない手札はマリガンを検討しましょう。構築戦だけでなくリミテッドでも3ターン目までにクリーチャーが展開できない手札は基本的にマリガンです。
いくらマリガンを避けてキープした手札でも使えない手札は存在していないのも同じです。手札のマナ域が偏ると結果使えない(使わない)カードになったりもします。手札に握りしめたままゲームを終えたのであれば極端に言えばその手札は無くても良かったカードとも言えますのでそういった考えを持ちながらマリガン有無を判断するのも良いでしょう。
事例2:相手のデッキによって変わるマリガン基準
2本目だったりデッキリスト公開されていたり等の理由で相手のデッキが事前にわかっている場合、それによってマリガン有無の判断が変わる場合もあります。特にコントロールデッキを使っているときにはそういったケースが多いです。
土地とスペルはバランスよく手札にあるものの「相手のデッキがアグロデッキとわかっているのにクリーチャーを対処するカードが全くない」「相手があまりクリーチャーのないデッキなのにクリーチャー除去ばかりの手札」といったケースはマリガンするべきケースです。
逆に自分も相手もコントロールデッキとわかっているときには普段はマリガンするような土地が多い手札もキープになります。先に少し触れましたが、コントロールデッキ対決では序盤は特に動かない上にゲームが長引くと土地が多いほうが有利なので土地を置き続けたいといった背景もありますので、むしろ土地が多いのは好都合であったりもすることがその理由です。
こういったように相手のデッキのゲームプランに合わせてマリガン基準が変わることも視野に入れておきましょう。
マリガンと少し話はそれますが、こうした理由もありコントロールデッキは相手のデッキリストが事前にわかっていることの恩恵が他のアーキタイプよりも大きいと言うこともできます。
事例3:土地1枚でもキープするデッキ







例えばヒストリックを代表するデッキであるイゼットフェニックスを例としていますが、上記のような手札であれば土地1枚でもキープするべきです。青マナが出る土地がある上に《選択》《考慮》といったカードで土地を探しにいけることがその理由です。上記例では《考慮》《選択》の2枚があるので先手でも迷わずキープしますが、どちらか1枚でもキープして良いでしょう。逆に《選択》《選択》がなく他に1マナで土地を探しにいけるようなカードが全くないような場合はマリガンです。上記の土地が《蒸気孔》でなく山だった場合も同様です。
このように土地が1枚であっても、その土地1枚が捻出できるマナで後の動きに繋がる手札であればキープすることができます。土地の枚数だけで考えるのではなくその手札でできることを基準にマリガンを判断することが重要です。
事例4:キーカードに著しく依存するデッキなのにキーカードがない







ヒストリックのアゾリウスオーラを例としたときの話ですが、一見悪く無さそうに見える上記の手札はマリガンするべき手札でしょう。実のところオーラデッキは以下の何れかのクリーチャーに極端に依存したデッキで、これらのクリーチャーがいないと殆ど勝つことはできないデッキです。



オーラを唱えるときは上記のクリーチャーがいないとすぐにガス欠したり、エンチャントしてもあまり強くなかったりといったりするデッキなのでこれらのクリーチャーがいないと始まらないといっても過言ではないデッキです。
このようにいないと始まらないといったキーカードが明確なデッキはキーカードが手札に来るまでマリガン推奨のデッキになります。流石にダブルマリガンした後の上記7枚だったら始めざるを得ませんが、引けないと勝てないといったように依存しているカードが手札に来ないならダブルマリガンくらいまでは粘らざるを得ないでしょう。
使うデッキによってはキーカードを引けるまでマリガンするといったケースも必要になります。こういったように特定のカードに依存するデッキは安定性には欠けるところがあるとも言えます。
事例5:1枚引けば勝てるカードはマリガンしてでも引きに行く価値あり


最近のスタンダードではあまり起きないケースではありますが、とりあえず引けさえすればかなりの割合でゲームに勝てるといったカードがあるのであれば普通はマリガンしない手札であっても2回くらいマリガンしてまで引くことを狙うといったマリガン戦略もあります。
墓地に極端に依存したデッキだがエンチャント破壊手段が少ないデッキに対しての《虚空の力線》。赤の火力呪文を全て本体に投げつけるバーンデッキに対しての《神聖の力線》といったように、この1枚があるだけで大幅にゲームの結果が変わるようなカードがあるのあればマリガンしてまで引くことを狙っていく価値があります。
手札そのものには問題がなくてもこういった理由でマリガンするのもありということは覚えておきましょう。
コメント
最近mtgaをやっていて感じるのですが、先行は1回、後攻は2回フリーマリガンでもいいかなと感じます。
先攻の有利は最近のインフレ気味のカードパワーにより、更に顕著です。
運営側にも問い合わせしていこうと思いますが、、、、どうせ無駄ですよね、、、
カードゲームは運7割実力3割ですし、、、
リミデッドでは、いつもマリガンするかで迷って土地が来なくて糞詰まりで負けてイライラ、、、
一回マリガンしても土地がこなくてイライラ、、、、
ぶっちゃけ土地3枚なくて出だしが詰まった時点でリミデッドじゃあ負け確です。
管理人さんの記事で負けた時は割り切って引きずらず、冷静になって負けた原因を確認しましょう!とありましたが、どうしても不運が重なって負けた時は感情的になってしまいます。
そんな時は数日遊ばないですが、気づいたらまた始めているんです。
中毒ですね。笑
気付くのが遅くなってしまい返事が遅くなってしまいました m(__)m
>先攻の有利は最近のインフレ気味のカードパワーにより、更に顕著です
確かに先行のほうが有利なのは間違いありませんね。
かと言ってそれだけで決まらないというのも事実ですし、それは相手も同じなので仕方ないと思ってある程度割り切るようにしています。
>どうしても不運が重なって負けた時は感情的になってしまいます。
これを書いている私が言うのも難ですが、かく言う私もそういう時あります(笑)頭ではわかっていても・・・ってやつですよね。運が絡むゲームなのは事実ですから仰るように少し間を置くのも良いと思います!