神河:輝ける世界がMTGアリーナでリリースされ、スタンダードが特に注目を集めるシーズンに突入しました。
この記事を執筆している時点ではリリースされてまだ3日程度というタイミングでありリリース直後の環境初期という時期ですが、いくつかオンライントーナメント等で活躍を見せているデッキを神河:輝ける世界の新カードにスポットを当てながら紹介していきます。
オルゾフミッドレンジ

禁止改定後、スタンダードのメタゲームTier1トップに上り詰めたデッキであるオルゾフミッドレンジ。当然ながら少なくても暫くの間はスタンダードで最も有力なデッキの1つであり続けるであろうアーキタイプです。
オルゾフミッドレンジと一口に言ってもコントロール寄りの物なども含めてバリエーションがいくつかありますが、このデッキリストはサクリファイスシナジー強めの構成になっています。多数のクリーチャー除去で盤面をコントロールしつつ、トークンを含めた小粒のクリーチャー達が《婚礼の発表》や《食肉鉤虐殺事件》のバックアップを受けながらジワジワを相手を追い詰めていくような戦い方をします。
「神河:輝ける世界」からの採用としては《神憑く相棒》がアドバンテージを失わないパーマネントとして序盤を支える役割。《放浪皇》はクリーチャー提供や除去のどちらの役割もこなすデッキのエース的存在。《夜明けの空、猗旺》は《命取りの論争》と相性が抜群で、時にはインスタントタイミングで生け贄に捧げることで全体強化により予想外の一撃を与えることも可能。《冥途灯りの行進》は汎用的な除去としてそれぞれ採用されいます。なお、レア土地2種も「神河:輝ける世界」から入っていますが、これらの土地はオルゾフに限らず氷雪デッキを除きとりあえず1枚は入れておけというカードです。
総じてオルゾフミッドレンジが「神河:輝ける世界」の恩恵を受けているのは間違いなく、中でも《放浪皇》は今後良く見かけるようになるであろうというくらいに強力なカードで白の新戦力として注目を集めています。オルゾフミッドレンジは今後も注目すべきアーキタイプであるのは間違いなさそうです。
そして上記のサクリファイス寄りではなく、アグロ要素が強めなタイプのオルゾフミッドレンジが以下のリストです。

「神河:輝ける世界」からは《勢団の銀行破り》と《大牙勢団の総長、脂牙》の機体コンビが採用されています。
オルゾフは2マナ域がやや薄かったところに《勢団の銀行破り》が入ったことで序盤の展開を加速しつつ、しかもアドバンテージ源にもなるということでいつ引いても無駄になることがありません。この機体は「神河:輝ける世界」の機体の中でも注目の1枚でしょう。搭乗3なので《精鋭呪文縛り》と相性が良かったりもします。
《大牙勢団の総長、脂牙》は墓地から機体を拾うことができれば非常に強力です。ですが、3マナ4/3というだけでも最低限仕事はするとはいえ如何せん機体を拾えないとイマイチな感はあるので機体がもう少し多いデッキのほうが適切なカードかもしれません。
何れにしても新戦力であるこの機体コンビは今後活躍を見せてくれそうなカードであるのは間違いないでしょう。
ジェスカイコントロール

ジェスカイコントロールとしてはいますが《暁冠の日向》のギミックを中心に据えたコンボデッキとも言えるデッキです。
《暁冠の日向》はイゼットの必殺スペルである《マグマ・オパス》が3マナ等の軽コストで唱えられたりすることからスポイラー時点で注目を集めていたカードですが、上記のリストはまさにそれを形にしたデッキです。《洞察の碑文》も恩恵を受けるスペルであることから多めに入っているのも特徴的です。新カードである《渦巻く霧の行進》も《暁冠の日向》がいればクリーチャー全てをターゲットにしても1マナで唱えられるという驚異のスペルになりますし《暁冠の日向》を守るカードとしても機能します。
とにかく《暁冠の日向》が場に残ると何かとインチキくさい動きをするデッキになっています。《暁冠の日向》は現環境に多い《消失の詩句》が効かないというメタゲーム的に除去耐性を持っていたりするのも追い風でしょう。
《暁冠の日向》コンボは今後も要求目なアーキタイプとなりそうです。
ラクドスミッドレンジ

ラクドスではありますが、アーティファクトが増えたことに伴いより活躍の場が増えた《削剥》とサイドボードの一部のカードのために赤がタッチされているだけで殆ど黒単といって差し支えないデッキになっています。ミッドレンジと言ってはいますが、コントロールとも言える構成になっています。多数のクリーチャー除去で盤面をコントロールしながら戦うという意味ではオルゾフと似ています。
このリストは「神河:輝ける世界」のカードが多く採用されています。手札に干渉する手段かつ《勢団の銀行破り》の乗り手にもなる《噛掌の忍者》。《食肉鉤虐殺事件》があると破格の両モードで唱えられる可能性を持つ《魂転移》。強力なフィニッシャーである《真夜中の空、殉至》。そして何より4枚採用されている《絶望招来》がこのデッキのキーカードとして採用されています。
《絶望招来》はオルゾフのように死亡しても良いクリーチャーを多数展開してくるデッキには効き目がやや薄いですが、それでも《婚礼の発表》や《不笑のソリン》等にも触れる可能性も持っているため強力な除去カードであるのは間違いありません。ただクリーチャー1体のみ生け贄という盤面では流石に効果は弱いので、2ライフルーズを活かすためにももう少し殴れる要素のあるデッキで使うというのも面白いかもしれません。
そしてここでも《勢団の銀行破り》が採用されています。機体なので《食肉鉤虐殺事件》に巻き込まれないように使えるという点でも黒と相性が良いのが光ります。
アゾリウスアーティファクト

上記はスタンダード版アゾリウス親和と言っても良さそうな青白アーティファクトデッキ。「神河:輝ける世界」によって生まれたといっても過言ではないデッキです。
《月罠の試作品》や《セレスタス》からのマナ加速から早々に脅威となるアーティファクトの展開や《巧妙な鍛冶》の強化《肉体の裏切者、テゼレット》といったプレインズウォーカーを高速に展開することも可能。一方で《攪乱プロトコル》による打ち消しや《ドゥームスカール》を活用しやすいように構築されていることで見た目以上に柔軟な動きが可能になっています。《獅子の飾緒》は換装していたら《ドゥームスカール》を唱えても生き残らせることができる使い方ができたりもします。
ここでも《勢団の銀行破り》が採用されています。リリース早々にここまで多岐に渡るデッキに採用されているということは強力なカードであるということの証でしょう。《肉体の裏切者、テゼレット》がいるとノーコストでドローできるという相性の良さも素晴らしいです。
赤単アグロ


しばらくの間鳴りを潜めていた赤単アグロですが「神河:輝ける世界」で登場した新カードの数々により復活を果たしました。
特にこれまでは1~2マナ域のパーツが欠けていたような状況でしたが《兎電池》や《大蛾頭の兜》などの強力なカードが多数登場したことで強力なアグロが構築できるようになっています。
今回の赤単は換装持ちというクリーチャー兼装備品が多数入っているのが特徴的で《ヴォルダーレンの美食家》のような場に出た後はただの1/1という弱いクリーチャーであっても装備させることで腐らせることなくに強引かつ粘り強く攻めていくことができるようになっています。
中でも《大蛾頭の兜》はかなり強力な1枚で+2/+2という修正値もさることながら、赤単ような手札がすぐに枯渇しがちなデッキにとって特に有効活用しやすいドロー効果まで付いています。まさに攻めと息切れを防ぐことを両立するという効果で、それがアグロにとってどれ程強力であることは言うまでもありません。
赤単アグロは新環境で注目のアグロデッキの1つであるのは間違いないでしょう。
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