2022年2月18日に発売(MTGアリーナには2月10日実装予定)となる新エキスパンション「神河:輝ける世界」について、発売前レビューとしていくつかのPartに分けて各カードを考察します。本記事はPart3になります。
※Part2はこちら
白
雲鋼の麒麟

- 構築 :★★★
- リミテッド:★★★★
3マナ3/2飛行という及第点なボディにインパクト抜群な能力を兼ね備えた装備品。
能力自体は字面の通りかなりヤバいものを持っていますが、実際のところこのカードを入れるデッキがあるのかと言われたら悩ましいという域を出ない印象です。
3マナ3/2飛行しかも装備先がそれなりに必要となると概ねアグロ寄りのデッキに入れることになると思いますが、アグロにこのスペックは決して入れたいものではないですし、換装コストが⑤という高さからロングゲームに弱いアグロがそんなことをしてまで負けないように時間を稼ぐことによって勝てるというケースもそこまで多くはないように思います。素直にもっと強い3マナクリーチャーで攻めるほうが現実的でしょう。他にはこれを装備させて《蛇皮のヴェール》で守る・・・というなデッキもあまり強そうには思えませんし。。という感じでリミテッドなら普通に強いですが構築フォーマットでは使いどころが難しそうなカードです。
皇の声、軽脚

- 構築 :★★★★
- リミテッド:★★
読んで字のごとくオーラデッキの軸になりえる性能を持っている伝説クリーチャー。
構築フォーマットではスタンダードでもアルケミーでもなく、ヒストリックでその居場所を見つけることになりそうです。既存のオーラデッキは《コーの精霊の踊り手》《上級建設官、スラム》の8枚のキークリーチャーがありますが8枚だと引けないこともざらにあります。このカードは追加のクリーチャー候補としてのスペックは備えています。まだアゾリウスなら《嵐追いのドレイク》がありますが、特にオルゾフ型にとっては有難い新戦力となりそうです。
空に祝福されし侍

- 構築 :★★★(3.5)
- リミテッド:★★★
白い親和エンチャント版かつ飛行持ちの《マイアの処罰者》。そう考えただけで強いというのは明らかですが問題なのはエンチャント軸の攻撃的なデッキが構築できるのかどうかというところでしょう。現状本セットのカードでわかっている範囲でもそんなデッキが構築できそうな気配は感じまることができます。
無私の侍

- 構築 :★★★★
- リミテッド:★★★★
《無私の救助犬》が攻撃的なスペックを持って帰ってきました。救助が主目的なら1マナの《無私の救助犬》のほうが当然優れていますが、このカードは単独攻撃で絆魂を付与するというダメージレースに大きく関わる能力を備えているのが特徴です。侍デッキには採用されるスペックを持っているのは間違いないでしょう。
青
現実への係留

- 構築 :★★★
- リミテッド:★★★
古の壊れカードとして有名な《修繕》を彷彿とさせるカード。が、流石に比べるのは野暮ですね。
生け贄+4マナソーサリーと中々のコストを要求するため、サーチ先の装備か機体が相当に強力なものでない限りは割に合わないようになっています。《カルドラの完成体》みたいなカードが存在する下環境は別ですが、スタンダードやヒストリックではそこまでしてサーチしたい装備品や機体があるかといわれると現時点では微妙なところです。となると1枚挿しのカードを探すように使うというのが妥当なところでしょうか。
嵐風招来

- 構築 :★★★
- リミテッド:★★★
効果は勿論強力なこの招来シリーズなのですが、どうしてもコストを考えるとデッキを選びます。
この青の招来もまさにそうですが、ここまで青が濃いデッキを作ってまで入れるカードかといわれると悩ましいです。やはり今のスタンダードは単色に近いデッキはカードプール的に想像し辛いです。特に青は。。
駆動メカ

- 構築 :★★★(3.5)
- リミテッド:★★★
全体的に今回のカードを眺めていると機体は青白を軸とするのが推奨されているようです。このカードもまさにそれを示したものになっています。
搭乗さえ出来れば2マナ3/4飛行というスペックに加え、他の機体までクリーチャー化してくれるという乗り手不足が弱点な機体を補完する能力。機体デッキに求められるものを充分に備えた優秀なカードです。
裕福な盗人

- 構築 :★★★
- リミテッド:★★★
とうとう青も2ターンからクリーチャーによるマナ加速ができるようになるのかと思わされるカード。
3/2というのは頼りないスペックではありますが《千の顔の影》との相性の良さは特筆すべきところがあります。
発明的反復


- 構築 :★★★★(4.5)
- リミテッド:★★★★
4マナソーサリーバウンスに加えて、アドバンテージをロスしない上に3/3飛行まで付いてくるというのは中々に破格なスペックです。
その裏面の3/3飛行が持っている能力は中々に目を惹くものを持っていますが、実際のところこの能力を活かしたプレイをするというのは中々に難しそうです。それでも〇〇されたら負けるというようなケースを回避する手段として機能する可能性があることを考えると、英雄譚の裏面としては充分強力でしょう。
緑
果て無き空、空羅

- 構築 :★★★
- リミテッド:★★★★★
何故に緑の5マナドラゴンだけパワー4?という疑問が残るカード。しかもパワー4の飛行に接死というのは無いよりはマシというレベルでしょう。
となると死亡誘発能力が強いのか?と思いきや、他のサイクルドラゴンと比較して明確に強力であるとも言えない能力。他の5マナサイクルドラゴンよりは一段劣る強さと言わざるを得ません。勿論リミテッドであればそれでも充分な強さはありますが、構築フォーマットで同じ5マナなら《レンと七番》のほうが強そうです。
芽吹く生命の行進

- 構築 :★★
- リミテッド:★
この手のクリーチャーサーチカードは歴代何かと悪さをしてきたからなのか、かなり調整された感のある効果になっています。
いくら何でも場にいるクリーチャーの同名しかサーチできないというのは弱すぎるのが率直な感想。しかも対象を取るのでスタックで除去されてしまうと不発に終わるという弱点まで持っています。よっぽど同名2枚で強力なコンボを形成するとかでもない限りは使用に値しないカードでしょう。
樹海の幻想家、しげ樹

- 構築 :★★
- リミテッド:★★★
素直に読めば、自分を戻しながらマナ加速し、ある程度マナを伸ばして土地が不要になったころには魂力でアドバンテージを得るようにして使ってくださいと書いてあるカード。
都合4マナのマナ加速(しかも召喚酔いを挟む)は流石に悠長なのでそこだけ見ると使いものになりませんが、墓地を肥やすことができるという一点をどこまで有効活用できるかがこのカードを使うかどうかの論点となるでしょう。それでも流石に悠長すぎるのではないかと思います。
調和の織り手

- 構築 :★★★★
- リミテッド:★★★★
2マナ2/2ロードというロード界では定番スペック。何と言ってもこの起動型能力の強さがこのカードの強さを一段引き上げています。
基本的に英雄譚の効果を2回誘発させるように使うというのが最も無難な使い方になりそうですが、それがたった1マナで出来るとなると構築フォーマットでも充分使用できるクラスと言えるでしょう。英雄譚デッキの立役者となれるか注目です。
赤
増員された浪人

- 構築 :★★★★
- リミテッド:★★★
久々に赤の1マナ域のクリーチャーに構築フォーマットで使えるレベルのカードが登場です。
1マナで2点刻めるという強さ。しかもどうしても盤面的に使いものにならなくなったときには魂力で引き直せるという柔軟さ。何れも素晴らしいです。疾駆能力は単独攻撃で誘発する能力を持つ侍との相性の良さも光ります。
黒
鬼の刃

- 構築 :★★★★
- リミテッド:★★★★★
2マナ3/1威迫という時点でそれなりに強いですが、換装したら5/5飛行というのはかなり強烈です。序盤から終盤まで強さを持っているというのは強いカードの証です。
部族的な違いはありますが、クリーチャーの頭数は出やすいが質は低めなゾンビデッキと好相性のように思います。
不憫な悲哀の行進

- 構築 :★
- リミテッド:★★★
本体に飛べばまだ話は違ったかもしれませんが、クリーチャーorプレインズウォーカー専門のドレインライフとなると他の確定クリーチャー除去を使っているほうがよっぽど良いでしょう。
月の賢者の養子、ナシ

- 構築 :★★
- リミテッド:★★★
戦闘ダメージを与えたときの能力は決して弱くはないものの、マナコストではなくライフを必ず支払う必要があるというのはどうしても引っかかるところです。忍者はダメージレースが決して得意ではないので使い辛いときも多々出てきそうです。
その上本体スペックがただの3/2となると使い辛いように感じます。
魂転移

- 構築 :★★★
- リミテッド:★★★★
両モード使えたら破格。ですが両モードを使うには決して簡単な条件ではないので基本的には上段。たまに下段で使うというのが最も考えられる使い方になるでしょう。
追放除去なのでその点にどこまで価値を置くかどうかがこのカードを使うかどうかの判断基準となります。《魅せられた花婿、エドガー》や《イマースタームの捕食者》を葬るために入れるかどうか。そうでないなら大半のケースではインスタントである《英雄の破滅》のほうが使いやすいです。
マルチ
暁冠の日向

- 構築 :★★★★★
- リミテッド:★★★★
ジェスカイの新たなアーキタイプの登場を予感させるクリーチャー。
特筆すべきは《マグマ・オパス》との相性の良さでしょう。対象を大量にとる《マグマ・オパス》が3マナくらいで唱えられるようになるのは非常に強力というか洒落にならないレベルです。
本体も4/4飛行トランプルとかなりの強さ。とりあえずデッキを組んでみたくなる強さはあります。
二天一流、一心

- 構築 :★★★
- リミテッド:★★★
侍の能力誘発を倍にさせるという使い方になるであろう伝説のクリーチャー。
勿論能力自体は強力。ですが恐らく赤白になるであろう侍アグロに黒を入れてまで使う価値があるかどうかというところが争点でしょう。強力は強力ですが、黒を入れるマナベースの犠牲と天秤にかけると判断が難しいところです。
精霊の姉の召集

- 構築 :★★★★
- リミテッド:★★
繰り返し使えるリアニメイトカードと考えるのが良さそうなカード。神話レアなだけあって中々に豪快な効果を有しています。
切削と組み合わせて墓地を肥やしてリアニメイトするというのがパターンとして考えられそうですが、生け贄に捧げられるというのもあって伝説のドラゴンサイクルとの相性も良さそうです。このカードをキーにしたデッキを構築する価値を充分感じられる一枚になっています。
アーティファクト
勢団の銀行破り

- 構築 :★★★★★
- リミテッド:★★★★★
まるで《精神迷わせの秘本》のようにカードを引く効果を備えているユニークな機体。
そんな何時でも役に立つ能力に加えて、2マナの4/4機体という高スペックの機体になっていることから機体の中でもエース格の強さはありそうです。カウンター3回分も引くのは稀かもしれませんが、アドバンテージすら取れてしまうというのは選択肢として備えている効果にしてはかなり強力です。
土地
見捨てられたぬかるみ、竹沼

- 構築 :★★★★★
- リミテッド:★★★
とりあえず1枚はデッキに入る土地シリーズ。
ありがちな後半の有効牌引きゲームにおいて、同じ土地でもこの土地を引いたときにはゲームが傾くくらいの効果を持っています。いうまでもなく優秀な土地です。
メカ格納庫

- 構築 :★★★★
- リミテッド:★★★
まだ執筆時点ではセットの全貌は明らかになっていませんが、現時点でも優秀な機体は結構多く機体デッキというこれまでにないアーキタイプの登場を予感するには充分なものがあります。しかもこの土地はまさに開発側からのメッセージと捉えて良いものです。機体デッキは間違いなく次期スタンダードで見ることになるでしょう。
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