神河:輝ける世界レビュー(Part1)

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2022年2月18日に発売(MTGアリーナには2月10日実装予定)となる新エキスパンション「神河:輝ける世界」について、発売前レビューとしていくつかのPartに分けて各カードを考察します。本記事はPart1になります。
Part2はこちら

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新メカニズム

「忍術」「魂力」や裏面になる「英雄譚」も登場しますが、過去に存在しない新しいメカニズム(もしくはキーワード)は以下になります。

換装

装備品でもありクリーチャーでもあるという性質を持つカードは「換装」(かんそう)というキーワード持ちで登場します。

  • クリーチャーとして場に出る
  • 換装コストを支払うと既存の装備と同じように他のクリーチャーに装備できる
  • このカードが装備中の時に換装コストを支払うと、装備を外してクリーチャーに戻すことができる(装備と同じくソーサリータイミング)

要点をまとめるとこのような能力になっています。

装備したり外したり盤面によって適切な選択を求められるこのキーワードはプレイングの幅を広げてくれることは間違いありません。私的にはこういったプレイングの選択肢を増やしてくれるメカニズムは好印象です。

改善されている

改善はこれまで存在していた状態をキーワードとして表しています。メカニズムとは少し異なりますが改善されているかを問うカードが今回多く登場することでキーワード化したものになります。

「装備品がついている」「オーラがついている」「何らかのカウンターが置かれている」といった素の状態から何らか変化が起きている状態を改善されていると見なします。ただし自分がコントロールする装備やオーラによって修正を受けているのみ改善と見なします。一方カウンターに関しては誰が置いたかは関係なく置かれていたら改善されているとなります。

例えば-1/-1カウンターが置かれている場合にも改善されていると見なします(改善じゃなくて改悪やん・・・とツッコミたくなるのはご愛敬)

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放浪皇

  • 構築   :★★★★★
  • リミテッド:★★★★★

瞬速持ちというかなり珍しい特徴を持ったプレインズウォーカー。

基本的には一番上の能力である「+1/+1カウンター+ターン終了時まで先制」という効果をコンバットトリックのように使用するというのが主な使い方にはなりますが、場に出たターンの返しに倒されやすいことがネックなプレインズウォーカーは瞬速と非常に相性が良く相手のエンドに出して安全に着地させるといった使い方も可能になっています。

下段のクリーチャー除去(しかも追放)も非常に有用で、リミテッドでは間違いなく強力。構築フォーマットでも充分使用できる性能を有しています。クリーチャー除去能力持ち、かつ瞬速ということでコントロールデッキで使いたくなるような感じもしますが上段の能力的に青いコントロールにはやや不向きなのでオルゾフのようなボードコントロールタイプのデッキのほうが良いかもしれません。ですがこれが相手のデッキに入っていることがわかっているだけで4マナ立っていると戦闘(ブロック)し辛くなるという点からも普通にアグロに入れても強そうです。

夜明けの空、猗旺

  • 構築   :★★★★(3.5くらい)
  • リミテッド:★★★★★

5マナ5/4飛行警戒という時点で中々の強さですが、神河のドラゴンサイクルにはお馴染みとなっている死亡時誘発の能力も当然付与されています。

下段の能力は活かそうとするとクリーチャーもある程度数を並べる必要があり、また能動的に生け贄に捧げる手段等で誘発させられるとより強そうな能力という使うタイミングを選ぶタイプの能力ですが、上段は使うタイミングを問わず使える能力であるためこれらがセットになっていることで互いの能力が引き立つようになっているのが偉いです。

スタンダードだと現状合いそうなデッキが思いつかないですが、白緑のようなクリーチャーを並べるタイプのデッキと相性が良さそうです。またアルケミーのボロスドラゴンでも使えそうな性能を持っています。

勇敢な姿勢

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★★

破壊不能を付与するという能力は相手のクリーチャー除去避け、もしくは戦闘時の攻防で自分のクリーチャーを守ってあげるときに使うことになることが主になるであろうカードです。ただパーマネントなのでエンチャントやアーティファクト等も守ろうと思えば守ることができるのは忘れないようにしたいところです。

4マナを相手のインスタント除去に対して構えておくのは結構厳しいので、どちらかといえば戦闘時に使うほうがメインになりそうです。破壊不能により相打ちになるところを相手だけ一方的に倒しつつ3/3飛行を出せるとなると圧倒的に盤面が優位になるケースが殆どでしょう。何気にターン終了時までではなくこのクリーチャーがいる間はずっと破壊不能が付与されているのが強く、このドラゴンに対して除去を強いる強さも持っています。

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肉体の裏切り者、テゼレット

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★

このカードが活躍するかどうかは、どちらかというとこのカードそのものの問題ではなくアーティファクトに有用なカードが多いかどうかが重要になりそうです。

このカード自身の能力としては常在型能力、忠誠度能力何れも強力なものを持っていますが、アーティファクトを多用するデッキでないと当然ながら生かすことができません。神河のカードに強力なアーティファクトが登場するなら別ですが、現状のスタンダードのプールだとアーティファクトは大分弱くあまり活躍するイメージができません。

ヒストリックであれば同じ4マナプレインズウォーカーにライバルになるであろうカーンがいますが、アゾリウス親和の採用候補にはなりそうです。

発展の暴君、ジン=ギタクシアス

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

ジン=ギタクシアスといえばコストは重いが場に出た時の強さは圧倒的というデザインになっていますが、今回もまたそういったデザインの系譜となっています。

コピー誘発は1ターンに一回だけでコンボ等での悪さはし辛いようにデザインされているため、普通にアドバンテージお化けとしての使い方になりそうですがこのマナ域には《船砕きの怪物》がいます。使い方が違うと言えば違いますが両者を見比べるとどうしても《船砕きの怪物》のほうが盤面に対しても相手のスペルに対しても対応できるため強いように感じてしまいます。

渦巻く空、開瑠

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★★

6マナクリーチャーともなると構築シーンでは出てすぐ仕事をしたり除去耐性があったり圧倒的な強さを持っているか等々の要素が求められますが、このクリーチャーは何れも構築シーンに求められるラインには一歩足りていないように感じます。

護法③はついていますが、6マナクリーチャーに護法③がついていたところで・・・というのが正直なところでしょう。アンタップ状態という条件はありますが5マナの護法④《砂漠滅ぼし、イムリス》のほうがキャストするコストの差を見ても勝っているように思えます。

流石にリミテッドでは6/6飛行は強いですが、死亡したときの効果もどちらもゲームを決定付けるというにはほど遠く6マナかかるクリーチャーのおまけとしてはイマイチ感が拭えません。

現実チップ

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★★

0/4壁。しかも伝説。他のクリーチャーを用意して3マナで換装することでやっと仕事をするとなると構築フォーマットでは使い辛さが目立ちます。

リミテッドだと盤面が硬直している状態で換装できれば大抵ゲームに勝つことができるでしょう。

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燃え立つ空、軋賜

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

赤系のアグロデッキで活躍が見込めるであろうドラゴンの登場です。

例えばスタンダードの宝物デッキ等では同じ4マナ域に《月の帳の執政》が使われていることがありますが、《月の帳の執政》は持っている能力を有効活用すると後半になりがちなため大抵の状況では《月の帳の執政》よりもこのドラゴンのほうが早期に出すには的しています。ただ伝説であるという点が若干ネックなので4積みはし辛いというデメリットはあるものの《月の帳の執政》の活躍を考えると、このクリーチャーも活躍するのは間違いないでしょう。死亡誘発上段の能力も勿論強力ですが、宝物を生み出せるという点からみても宝物トークンを使うミッドレンジとの相性は素晴らしいものがあります。

流星の信奉者、ゴロゴロ

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★

持っている能力的に《龍族の狂戦士》とつい比較してしまいますが、両者を比較すると伝説であること、先制を持っていないこと、ドラゴンを出す能力の起動し易さから《龍族の狂戦士》のほうが優秀であるように思えます。勿論速攻付与はあるものの1マナとは言えマナがかかるのであれば起動できないケースもアグロにとっては往々にしてあるでしょう。

《龍族の狂戦士》ですら稀に使われる程度という点も考えると、このカードが構築で活躍する姿があまり想像できないのが正直なところです。

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貪る混沌、碑出告

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★

上段の能力を活用するためには生け贄シナジーのあるデッキで使うことが求められそうですが、生け贄にマナがかかるというのが結構引っかかるところです。占術2で1マナかかるなら《悲哀の徘徊者》のように占術1でマナがかからないほうが使いやすいことが多いでしょう。

下段の能力は起動コストに3マナかかるので捲ったカードを唱えるマナがないということが頻発しそうです。唱えられなくてもダメージを飛ばすことはできますが何れにしてもかなり悠長な印象は拭えず、構築フォーマットで求められるスピード感には達していないように感じます。

総じて、生け贄に捧げる能力持ちの同じ赤黒4マナ域なら《イマースタームの捕食者》のほうが強力でしょう。

噛掌の忍者

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

3マナ3/3威迫。戦闘ダメージを与えたときに手札破壊という一見地味な能力ですがアドバンテージを失わない手札破壊は強力です。本体性能はやや微妙なところでも忍術持ちという点も踏まえると構築フォーマットでお呼びがかかる可能性は充分考えられます。

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西の樹の木霊

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★

如何せん本体のスペックが3マナ3/3到達と構築で使うには微妙なラインであるのが気になるところで、改善されているという条件を早々に満たすのであれば+1/+1カウンターが〇個置かれた状態で場にでる類のクリーチャーを積んでいるようなデッキでないと難しいように思います。

そういったデッキであればワンチャンありそうですが、そうでもない限りはあまり使いたいとは思えないのが率直な感想です。

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マルチ

漆月魁渡

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

3マナプレインズウォーカーにそれなりに使える能力が付いていると大体強いという定説があります(?)が、このカードはそんな定説に当てはまりそうなプレインズウォーカーになっています。

まず場に出たターンの終了後にフェイズアウトするという希有な能力を有していることで、次のターンも忠誠能力を使えることはほぼ確定しているというのは素晴らしいです。概ね中段の忠誠度能力から使うことになるでしょうが、ブロックされない1/1と上段の能力はあまりにも噛み合っています。出てくるクリーチャーからして忍者デッキで使ってね、と書いてあるように見えますね。

このカードと忍者や《トリックスター、ザレス・サン》を絡めた青黒デッキは次スタンダードで間違いなく登場するアーキタイプになるでしょう。

梅澤悟

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★

忍者能力を使う度にアドバンテージを得られるようになるという伝説忍者。確かにアドバンテージを得られるのは強いですが、それをするために3マナ2/4という構築フォーマットでは明らかに見劣りするスペックのクリーチャーを使うかと言われたら「う~ん」という域は出ないでしょう。

完成化した賢者、タミヨウ

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★★

プレインズウォーカーにファイレクシアマナという斬新なデザインとなっている今回のタミヨウ。このファイレクシアマナがあるおかげで使い勝手が良いデザインになっています。

初期忠誠度が5と非常に高い上に中段の忠誠度能力は若干使い辛いことを踏まえると、基本的には上段の忠誠能力で相手を縛っている間に奥義を狙うという使い方が王道パターンになりそうです。この上段の能力はクリーチャー(一応アーティファクトも)を一体無効化すると同義なので、場合によっては早々に配置したいこともありますがそういったケースにもファイレクシアマナを使うことで対応できるのは素晴らしいです。

ただ奥義で出てくるのはあくまでアーティファクトであるため紋章とは違ってあっさり破壊されてしまうこともあります。つまり奥義でイージーウィンはできなくなっており、そこでバランスが取られたであろうことを露骨に感じるカードになっています。

銀毛の達人

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

2マナのロード持ちクリーチャーという時点で構築フォーマットで活躍するのはこれまでの歴史から見ても充分証明されています。しかもおまけに忍術コストまで軽くなるのですから間違いなく使われるカードになるでしょう。

何気にならず者まで修正を与えるようになっています。《空飛ぶ思考盗み》もまたスタンダードに帰ってくるということを示唆しているような感じがしますね。

神の乱

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★

5色マルチカラーのカードは中には見ただけでこれはネタカードだなと思ってしまうカードは少なくありませんが、このカードについてはその類ではありません。

場に出てすぐに仕事をしますし、何れの能力も強力であることから5色マルチカラーのカードの中で強力な部類に入るカードであるように感じます。5色カラーのデッキが組めるのであれば是非とも採用したいスペックにはなっています。が、問題はその使用に値する5色デッキが組めるかどうか・・・です。スローランドは揃っていますが3色ランドが現状ないので5色は難しいかな・・・。ヒストリックですら《ニヴ=ミゼット再誕》デッキでのマナトラブルは付き物ですしね。

イラストのカッコよさは満点です。

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土地

耐え抜くもの、母聖樹

  • 構築   :★★★★★
  • リミテッド:★★★

アンタップイン、色マナが出る。能力持ち。現状特殊地形にほぼデメリットがないとも言えるスタンダードにおいてこの時点で使用する理由には充分です。伝説なので4枚採用は難しいですが1枚ならデメリットなしと言っても良いでしょう。恐らくサイクルサンドでしょうからそれはそのカラーにも当てはまりそうですし、どの色の土地も構築フォーマットで必ず使われることでしょう。

そしてその能力ですが、アドバンテージでは損をするもののメインボードにはあまり取りたくないアーティファクト/エンチャント破壊ができたり、相手のミシュラランドを破壊したりと他の選択肢として有している能力としては相当に強力です。

とりあえず1枚は持っておきましょう、というカードです。

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コメント

  1. 匿名 より:

    テゼレットが墓所の照光者になってます。

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