イニストラード:真紅の契りレビュー(Part2)

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2021年11月19日に発売(MTGアリーナには11月11日実装予定)となる新エキスパンション「イニストラード:真紅の契り」について、いくつかのPartに分けて各カードを考察します。本記事はPart2になります。

今回から構築とリミテッドそれぞれで5段階評価の点数を付けています。

Part1はこちら

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ランタンのきらめき

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★★

ダメージが本体に飛ばないという調整がされているおかげで一気に使い辛くなってしまった感のあるカード。と言っても流石に本体に飛ばせるとなると強すぎた感はあります。

コントロールで使うには切除で使わざるを得ないためコストが重すぎで使用するのは厳しいです。やはりクリーチャー主体のデッキで使いたいですが、そうなるとライフゲインを有効に活用するのがベターになりますのでライフゲインデッキで使うのが良いように感じます。

他の使い方としてはダメージレースとなりがちな白系アグロの同型でのサイドボードとして使用するのも良さそうです。

勇敢な姿勢

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★★

現在のスタンダードではタフネス4以上は《黄金架のドラゴン》や《溺神の信奉者、リーア》《エシカの戦車》《レンと七番》のトークン等々、対象には困りません。加えて破壊不能を得るという効果まで備えているので無駄になる可能性が低く使いやすいカードとなっています。

構築での使用に値するカードでしょう。サイドボードとしての素質も充分です。

有望な信徒

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★

1ターン目にこのクリーチャーを展開したところで訓練が誘発するのは3ターン目になるため2ターン目にはパワー2以上で攻撃することができない点はマイナス要素になります。そのためアグロデッキの1マナ域としては若干使い辛いですが、現スタンダードにはこのクリーチャーと相性の良い《光輝王の野心家》がいるので選択肢に充分入ってくるでしょう。

能力的には《スカイクレイブの大鎚》や《ポータブル・ホール》《守護者の盾、ヴァルクミラ》など、白単同型で特に活躍しそうです。

墓所の守護者

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★★

一見地味であまり神話レアっぽくない能力を持ったクリーチャー。

白系のアグロデッキで採用するには中途半端感がありますが、瞬速を持っていることもあり白を含むコントロールのフィニッシャーとしてであればなかなかに強力であるように見えます。アグロよりもそういったデッキのほうが活躍できそうに思います。

スレイベンの守護者、サリア

  • 構築   :★★★★★
  • リミテッド:★★★

ヒストリックの人間デッキでもお馴染みのカードが再録されます。

勿論スタンダードでは白単アグロの2マナ域の採用候補となりますし《オリバクの救済者》の登場も合わせて、次環境の白単アグロはますます有力なデッキとなりそうですね。

祝福されし者の声

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

優秀な2マナクリーチャーでライフゲインデッキではあっという間に強力なクリーチャーに育つクリーチャー。

スタンダードだと《月皇の古参兵》と組み合わせて使うことになりそうですが、ライフゲインデッキはスタンダードのカードプール的に白緑で組みたいように感じますのでマナコストがダブルシンボルなのが結構痛いところです。どちらかというとヒストリックのほうが使いやすそうなクリーチャーです。

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触発された考え

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★

3マナ3枚ドローは破格ですが流石に括弧内のデメリットがきつすぎますね。。かと言って5マナ使ってまで唱えたい効果でもないので構築での活躍は厳しそうです。

二重屍

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★★

この類のカードは単体で仕事をしないというのはわかりやすいデメリットになりますが、このカードはクリーチャーをそのままコピーして出すので機能すれば一気に挽回できるくらいのパワーは持っています。ゾンビは墓地から帰ってくるのも多いのでこの能力と相性は良さそうです。

特にゾンビのロードクリーチャーでもいれば相当強力な組み合わせになりますが、そうでなくても充分強そうではあります。

それにしてもこのカードに限ったことではありませんが今回の開発陣のゾンビ押しは相当なものです。次のスタンダードでは本気でゾンビデッキがメタデッキに上がってくる可能性もありえそうです。

這い寄る継ぎ接ぎ

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★★

起動コストも3マナで本体も1/2という貧弱なサイズであるため少しスロースターター過ぎる印象は拭えません。

ただ起動し出したら強いというのも間違いないので使うのであればデッキに2枚程度採用するのが良さそうなカードです。

中略

  • 構築   :★★★★★
  • リミテッド:★★★

コントロール使い待望の優秀なカウンター呪文が帰ってきました。2マナから使える優秀なカウンター呪文がずっと出てきていませんでしたが、久々にスタンダードに戻ってきます。コントロール復権の立役者となりえる逸材です。

先手だったらという条件は付いてきますが、やっかいな《心悪しき隠遁者》も後腐れなく対処できるので環境にも合ったカウンター呪文です。

夢鎖の霊

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

すごく地味な能力を持ったレアクリーチャーですが、特に下側の能力によって実質的にクリーチャー一体を疑似的に除去することも可能なので中々に有用な能力を持っています。スピリットではありますが、スピリットの部族に拘らないデッキでも採用価値は充分にあります。

有翼の先触れ

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★

何だか悪さができるような雰囲気は醸し出していますが、こういった盤面を選ぶカードは若干使い辛い上に切除コストがかなり重めに設定されているため使用するのが難しいです。

表面で3枚以上引けるようなデッキであれば価値がありますが、そうなると飛行クリーチャーを並べるスピリットデッキであればというところでしょう。

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血瓶の調達者

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

4マナデメリット付きの黒の巨大な飛行クリーチャーというのは度々登場してきますが、今回のカードは久々にプレイアブルなカードが出てきたなというのが率直な感想です。この手のカードは大体デーモンですが今回は吸血鬼ですし部族シナジーも狙えます。

このサイズの飛行持ちとなると環境に蔓延する《黄金架のドラゴン》にも一方的に打ち勝つことができるというのは高評価です。また《家の焼き払い》のダメージも耐えることができるというのも素晴らしいです。

血トークンを与えるというのがデメリットではありますが、場合によってはメリットにもなるデザインになっているのがとても面白いです。それによってプレイしやすさが大幅に上がっています。

奉仕への切望

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★

能力的にスタンダードだと使用し辛く《信仰無き物あさり》があるヒストリックのほうが使いやすそうなカードです。とはヒストリックで使うかと言われると・・・と言う感じです。

ファルケンラスの先祖

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★★

いくら血トークンを生んでくれるとは言え3マナ3/1というのは使い辛く、何と言ってもタフネス1のため《棘平原の危険》で綺麗に除去されてしまうのがキツイです。3マナ域なら他の優秀な吸血鬼を使いたいところです。

墓の肉裂

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★

ゾンビなのにパワフル。2マナ3/3ゾンビでデメリットも比較的優しいので2マナゾンビのエースとして活躍してくれるカードでしょう。

濫用はおまけと考えるのが良いですが、おまけとしては悪くない能力を持っています。

英雄の破滅

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★★

かつて構築で大活躍したカードがレア→アンコモンとなって再録されました。3マナは少し重いのでコントロール向きのカードになってきますが、黒いコントロールでよく見かけるカードとなるでしょう。

首無し騎手

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

本体のサイズはイマイチなものの、このカード自身が死亡したときにも誘発するため3マナで3/1と2/2と考えると決して悪くはありません。

場合によっては相手の全体除去に対する牽制にもなり得るのは頼もしいですね。やはり《棘平原の危険》は目の上のたんこぶにはなりますが。。

墓所の冒涜者

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★★★

上の能力でプレインズウォーカーを、下の能力でクリーチャーを除去することができるデザインがされているゾンビ。

コストが重い上に本体のスタッツはそこそこという程度ですが、場に出た時点で仕事をすることもありディミーアコントロールのようなデッキのフィニッシャー兼クリーチャー除去としては採用する価値があるかもしれません。リミテッドであれば大活躍間違いなしです。

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歓待の呪い

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

トランプル付与は下段の効果と噛み合ってはいるものの、このカードを置きたい相手は主にコントロールになるでしょう。アグロ対決だとこういっカードを置いている暇はあまりありません。そういった意味でもサイドボードとして活躍してくれそうなカードです。

マルコフの報復

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

3マナとやや重いソーサリーとは言え、両方のモードを使えるとなると流石に強力です。除去だけに終わらず打点も引き上げてくれるので、このカードを使ったターンが決して無駄になりませんし、特に先行でのこのカードの強さはかなりのものです。

吸血鬼デッキであれば充分採用候補となるカードでしょう。

引き裂く炎

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★★

スピリットだったら・・・という効果は忘れても良いくらいの効果ですが、赤の3マナで5点ダメージを飛ばせるカードは貴重です。サイドボード候補として覚えておきたいカードです。

ステンシアの蜂起

  • 構築   :★
  • リミテッド:★★

13個のパーマネントという条件はかなり厳しいですし、毎ターン1/1を生むだけというのは冗長すぎます。

削剥

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

ヒストリックでも活躍中の《削剥》が再録されます。現在のスタンダードではタフネス4というのは一つのラインでもあるため《ドラゴンの火》が使えるデッキであれば《ドラゴンの火》を使うことになりそうですが、このカードは《エシカの戦車》を割ることが可能ですし、対白単にはアーティファクトも多いので非常に便りになることでしょう。

吸血鬼の復讐

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★★

吸血鬼デッキであれば是非とも採用したいカード。特に白単相手のサイドボードとしては非常に活躍してくれることでしょう。リミテッドでも吸血鬼のデッキが作れたのなら相当強力なカードとなりますし、吸血鬼に揃えきれなかったとしても充分強力です。

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隆盛な群れ率い

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

緑の1マナでパワー2というのは比較的珍しく、また誘発条件も難しいわけではないためこれ以上のサイズに育つこともままあるでしょう。1マナ域としては充分構築で使えるレベルにはあります。

小村の先兵

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

盤面は選ぶものの人間デッキであれば5/5として場に出るケースも多そうです。ただ特にサイドボード後はクリーチャー除去が投入されることから、より使い辛くなる盤面は増えそうです。

壮麗な日の出

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

基本的には一番上の全体強化を使うことがメインになってきます。このカードの偉いところは全体強化が使い辛い盤面であっても他の効果によって決して無駄にならないところで、特にカードを引ける効果は《不詳の安息地》とも相性が良くなっています。

緑単アグロに採用する価値はあるでしょう。

巣心のシャーマン

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★

共通の土地タイプを「持たない」なので、基本的には多色デッキで使ってくださいと書いてあるカードです。このクリーチャーが攻撃しにいかないと能力が誘発しないので使い辛いクリーチャーと言っても良いでしょう。

リミテッドだとトークンを生み出す効果が付いているため長期戦になればゲームを決める要因になれます。

巣心のシャーマン

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

2マナのマナクリーチャーがたまに4/4になって攻撃要員にもなれるのは中々に強力です。充分スタンダードで使用できるレベルのカードです。

見事な再生

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★

面白いデッキを生み出してくれそうなカード。緑黒青のスゥルタイカラーだと墓地にカードを落とす方法も豊富にありますし、土地を参照するようなカードと組み合わせると強力な盤面を展開できそうです。

白を入れて《フェリダーの撤退》と合わせて使うのも面白いかもしれません。

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マルチ

ラトスタイン翁

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

1/4というがっちり守れるボディを持ちながら時間経過と共にリソースを生み出してくれるミッドレンジのお供となるクリーチャー。

いかんせんどの能力が誘発するのかがランダムすぎるのでちょっと使い辛い感は否めません。

苛まれし預言者、エルス

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★

このクリーチャーがいると引くカード1枚が実質2枚分になるとは言えその2枚を使いきってしまわないと損をするため、この能力が必ずしもお得かと言われるとそうでもありません。

追放したカードをガンガン展開できるようなデッキである必要があります。となるとスタンダードのようなカードプールでは厳しそうです。下環境であればまだ使えるかもしれません。

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アーティファクト

恐怖のドールハウス

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★

起動コストの安さは評価できるものの、自分の墓地しかターゲットに出来ないため自身もクリーチャーを一定数使うデッキでないと使えないカードというのが大きく評価を下げるところです。

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両面カード

鏡の間のミミック

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★

クローン能力に降霊が付いたため使いやすくはなりましたが、それでも現在の構築シーンではまだまだ使い辛いカードでしょう。

使用するのであれば切削のように墓地にカードを落としながら戦うタイプのデッキで使うのが良さそうです。

ヘンリカ・ダムナティ

  • 構築   :★★★★★
  • リミテッド:★★★★★

伝説という点だけは唯一引っかかるところですが、場に出た時点でアドバンテージを稼げますし裏面のクリーチャーも接死+絆魂がついていることで放置することもできない非常に強力なクリーチャーになっています。

次のスタンダードで間違いなく使用されることになるでしょう。それほどに強力なカードです。

吠え群れの笛吹き

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★★

最近は《ゼロ除算》が蔓延っているため打ち消されないというのがそこまで大きなメリットではなかったりはしますが、裏面になったときにカードアドバンテージを稼いでくれるという点によって表面の能力と噛み合うようにデザインされているのは素晴らしいです。とは言え現在のスタンダードの4マナ域には優秀なカードが多く、それらと比べると若干見劣りするのが率直な印象です。

それにしても過去に似たカードに《エルフの笛吹き》というカードがあったのですが《エルフの笛吹き》が裸足で逃げ出す性能をしているのは何だか感慨深いです。

信仰縛りの審判官

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★

3マナ4/4飛行警戒と一見そのスタッツに目が行ってしまいますが、攻撃に行けるのは3ターン後になるため強力なブロッカーとして考えたほうが良さそうです。

そして何と言っても降霊の呪い効果のインパクトは凄まじいものがあります。これを勝ち手段に据えたデッキが現れても全く不思議ではありません。もっとも相性の良さそうなのは表面をブロッカーとして使うコントロールデッキになりそうです。

ドーンハルトの殉教者、カティルダ

  • 構築   :★★
  • リミテッド:★★★★

除去耐性はないですが、対吸血鬼デッキで除去されなかったらゲームを大きく有利にすることが出来るカード。

吸血鬼以外となると構築フォーマットにおいては能力が平凡すぎるように思います。

アヴァブルックの世話人

  • 構築   :★★★★
  • リミテッド:★★★★★

呪禁持ち。このキーワードを持っていることでグッと評価が高まるカード。コストは高いですが呪禁があることで、この類のカードの弱点であるあっさりと除去されてしまうケースを大幅になくしているのは素晴らしいです。

表面でもそれなりに強力ですが、裏面は確実にゲームエンド級。充分コストに見合った能力は持っています。例えば緑単アグロ同士では切り札となるでしょう。

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土地

ヴォルダーレンの居城

  • 構築   :★★★
  • リミテッド:★★★

デッキに負荷をあまりかけない能力持ち土地というのは、能力が比較的些細なものであったとしても充分採用価値はあります。このカードは吸血鬼デッキにとってまさにそのようなカードです。

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Part3はこちら

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コメント

  1. 匿名 より:

    《エルフの笛吹き》が裸足で逃げ出すといっていますが、起動コストが軽く更にインスタントタイミングで呼び出せる《エルフの笛吹き》の方が圧倒的に強く思えます。
    裏面になったらアド取れるのは良いですがマナ踏み倒しできなくなりますしね。

    • MasaKMasaK より:

      《エルフの笛吹き》の完全上位互換という訳ではないので、仰るように踏み倒しのみに焦点を当てるなら《エルフの笛吹き》のほうに一日の長がありますね。
      その言葉はどちらのほうが強いという意図ではなく(表面は)《エルフの笛吹き》とほぼ同じことができる上に更に能力がモリモリなので、字面の単純なスペックだけで言えば差が凄いという意味の所感です。
      実際のところ両者を比較する意味は殆どないですが《エルフの笛吹き》は完全に踏み倒し目的なのでそういったデッキで、《吠え群れの笛吹き》は裏面も総合的に考慮するとミッドレンジに向いているように感じますね。

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