【スタンダード】緑単アグロ解説

スタンダード

スタンダード「カルドハイム」~「イニストラード:真夜中の狩り」環境における緑単アグロについての解説になります。

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デッキリスト

特徴

緑の特徴であるパワータフネスに優れた優秀なクリーチャーで攻撃をしかけていくアグロデッキです。カード1枚1枚の質に優れるということが特徴とも言えます。デッキパワーがスタンダードのデッキの中でも高くスタンダードの代表的なデッキの1つです。

《群れ率いの人狼》《レンジャー・クラス》といったスタンダードでも最高峰に優秀な2マナ域のカードから始まるビートダウン、そして4マナ域にはこちらもスタンダードでも最高峰のパワーカードである《エシカの戦車》が繰り出す攻めは相手を圧倒します。

3マナ域の《老樹林のトロール》や《カザンドゥのマンモス》も同マナ域の他クリーチャーと比べてもサイズに優れており、クリーチャー同士の戦闘では必然的に優位に立ちやすいです。また《老樹林のトロール》の除去耐性、《レンジャー・クラス》の3章、《群れ率いの人狼》によるカードドローと、クリーチャーでありながらカードアドバンテージを取る手段も併せ持っており、これらの対処は見た目以上に一筋縄ではいかないことも緑単アグロの強みの一つになっています。

加えて《吹雪の乱闘》は実質的に1マナのクリーチャー除去カードであり、これで相手とのテンポ差を広げることで相手とのダメージレースを大きく優位にします。《吹雪の乱闘》のような格闘除去は対応してこちらのクリーチャーを除去されてしまう可能性があることが弱点ですが、このデッキはクリーチャーでどんどん圧力をかけていくため相手としてもなかなかインスタントを打つためのマナを構える暇がないという事実があります。こういった要素もあるためにこのデッキの戦闘の強さは目を見張るものがあります。

また《レンと七番》で生み出したツリーフォークトークンクリーチャーを《エシカの戦車》でコピーする動きは必殺ムーブとも言える動きの一つになっています。

長所短所

とにかくカード1枚1枚が強く、相手に対処を押し付けながらもその実対処することが容易ではないカードが多いため押し切ってしまいやすいという点が魅力のデッキです。

また単色であるためマナベースが安定しておりマナ事故の確率が少ないこと。《不詳の安息地》を無理なく使えるため土地の引きすぎといった要素についてもある程度の耐性を持っていることは単色アグロならではの強みの一つになります。

緑というカラーはクリーチャーやソーサリーといったカードが中心で、インスタントでトリッキーな動きをすることは苦手です。その分相手からすると動きが読みやすいデッキなのは短所とも言えるでしょう。

ですが、その分デッキを扱う側としては扱いやすくアグロデッキ初心者の方にとっても比較的手に取りやすいデッキとなっています。

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緑単アグロの採用候補

1マナクリーチャー

1マナクリーチャーとしては上記あたりが緑単アグロの採用候補になります。

といっても《タジュールの荒廃刃》に関してはサイドボードに取るべきカードで、主に緑単アグロ同型で活用するカードになります。クリーチャー同士の戦闘にゲームが偏る緑単同型対決においてクリーチャーサイズを無視してどんな相手とも相打ちを取る「接死」は相手からすると非常に厄介な存在になります。特に後手のような守る側になりやすい時には効果的です。

《ヤスペラの歩哨》はスタンダードでは1ターン目に展開できる唯一のマナ加速クリーチャーで特に《エシカの戦車》同士の対決で重要になる先出しに貢献してくれるカードです。ですが、このカード単体で見た時には非常に弱いクリーチャーで1ターン目に展開出来なかったときにはあまり役に立ちません。マナを生み出すためにタップさせるクリーチャーも《厚顔の無法者、マグダ》のようなベストパートナーはおらず、本来ならば攻撃したいクリーチャーを仕方なく寝かせるということもしばしば起こります。

先に述べたように緑単アグロはカード1枚1枚が強いという特徴がありそれと逆行する存在ともなるため《ヤスペラの歩哨》を採用しないタイプが主流となっています。

2マナクリーチャー

《レンジャー・クラス》は正確にはクリーチャーではないですが、便宜上クリーチャーとして計上しています。少なくても《レンジャー・クラス》と《群れ率いの人狼》については採用確定と言っても良いでしょう。それ程にこの2種はこのデッキを支える重要な存在です。

これだけだと2マナ域が8枚になってしまうのでもう少し2マナ域を採用したいところで定番なのはマナクリーチャーになります。中でも《冬を彫る者》の採用率は高いです。これは《水蓮のコブラ》とは異なりタフネスが2あることが大きな採用理由となっており、タフネス1の場合にはイゼットで頻繁に使用される《棘平原の危険》で除去されてしまうというのが具体的な理由になってきます。その分《水蓮のコブラ》は生き残れば攻撃しながらマナ加速できるためリターンは大きくなります。これらのマナ加速から3ターン目に《エシカの戦車》を出すというのは緑単アグロの最も強い動きの一つと言えるでしょう。

《絡みつく花面晶体》は土地という役割も兼ねており《カザンドゥのマンモス》のサイズアップにも貢献することが可能ですので2枚以上採用するのがトレンドです。

《辺境地の罠外し》は基本的にサイドボードに取るカードで、特に白相手にはエンチャントもアーティファクトも割る対象が多いため採用したいカードです。今後のメタゲームによってはメインボードに採用しても不思議ではない強さは備えています。

3マナクリーチャー

《カザンドゥのマンモス》と《老樹林のトロール》の2種が4枚採用されることが一般的です。《カザンドゥのマンモス》は言わずもがな土地としても使用できる上に5/5となる強力なクリーチャーですし《老樹林のトロール》は除去耐性もありながらサイズが無駄にならないトランプルまで備えており《レンジャー・クラス》の2章の効果とも相性抜群です。

《原初の敵対者》は土地を多めに引いてしまった時や後半に強いクリーチャーであるため数枚採用されることがあります。3ターン目でも出せるとは言え3ターン目であれば他のクリーチャーに軍配があがるため枚数は2枚以下が良いでしょう。

《茨橋の追跡者》も調査によりアドバンテージを得られる強力なクリーチャーですが、意外と調査を使ってカードを引いている暇がなく《カザンドゥのマンモス》や《老樹林のトロール》と比べると優先度は下がります。それでも数枚程度は採用するリストも良く見かけます。

4マナ以降のクリーチャー

クリーチャーではないものが混じっていますが、実質的にクリーチャーとして使うのでこの枠に掲載しています。

《エシカの戦車》が言うまでもなくメインボード4枚確定のカード。採用を迷う必要もないくらいのパワーカードです。

《レンと七番》は《エシカの戦車》と組み合わせてこそ真価を発揮するカード。生み出すトークンクリーチャーは到達を持っているという点も見逃せないところで《黄金架のドラゴン》のような飛行クリーチャーに対する抑止力としても優秀です。5マナであるためメインボードに取り過ぎるとミッドレンジ寄りの動きになってしまうこともあり2枚程度に枚数を抑えることが多いです。

それ以外のカードについては基本的にサイドボードに積むカード。《フロギーモス》は黒いデッキ相手に《雪上の血痕》でパーマネントが帰ってこないように墓地を取り除いたりフラッシュバックスペルを取り除いたりすることに役立ちます。また速攻を持っているため《レンと七番》のようなカードよりも早期決着に貢献する側面もあります。他にそういった相手に対する優秀なカードがあれば取って変わるレベルのカードなのですが、現状のスタンダードのカードプールだと他に有効なカードがあまりないというのが実情です。

《戦闘マンモス》はサイドインする相手的にも《フロギーモス》と枠を争うカードになりますがこちらは除去されても確実にアドバンテージを得ることができるのが特徴です。どちらが良いと言い切ることは難しいですが《戦闘マンモス》も考慮に入れて良いでしょう。

《秘密を知るもの、トスキ》に関しては弱いカードではないもののトップメタの一角であるイゼット天啓のようなタイプのデッキにはいくらカードを引いたところで緑単では《アールンドの天啓》に対処できないため結局は打たれる前に倒すしかありません。そのため《アールンドの天啓》デッキにはあまり効果的ではありません。ただしひたすらクリーチャー除去をしてくるようなクリーチャー除去コントロールに対してはリソース勝負になることがあるため《秘密を知るもの、トスキ》は有効です。そういった相手を想定するならサイドボードに取るのも良いでしょう。

《トヴォラーの猟匠》は速度勝負ではなくパワーカードの叩きつけ合いになるようなゲームで力を発揮するカードですが他のサイドボードカードと比較すると少し優先度は低い印象です。

その他

《蛇皮のヴェール》は主に相手の除去に合わせて使用するカードになりますが時には+1/+1修正がコンバットにおいて大きく有利に働くことがありますので無駄になりにくいカードです。デッキに1枚でも入っていると特にデッキリスト公開性においては対戦相手に警戒させることでプレイに影響を与えることができるカードでもあります。1マナ立たせておくというブラフも時には有効でしょう。

《豊穣の碑文》は基本的には格闘による除去として使用します。サイズ修正も合わせてアグロ対決において大いに役立ってくれるカードとなります。反面コントロールデッキ相手には不要なカードになりますので、メタゲームに合わせて枚数を調整するカードになります。

《吹雪の乱闘》は数ある格闘除去の中でも最も優秀なカードですが、氷雪パーマネントが3つ以上ないと真価を発揮しません。土地に《ハイドラの巣》を入れるのも悪くはありませんが《ハイドラの巣》を入れる程《吹雪の乱闘》と相性が悪くなる点には注意が必要です。《貪る触手》は《吹雪の乱闘》と《豊穣の碑文》に加えた追加の除去カードとしての扱いになります。性能的にはこの中ではやや見劣りしますのであくまで追加という位置付けです。

《武器を選択せよ》と《絡み罠》は飛行クリーチャー。特に《くすぶる卵》の変身後や《黄金架のドラゴン》がメインターゲットになります。イゼットドラゴン相手には是非ともサイドインしたいカードとなります。

《不自然な成長》はやや盤面を選びますが特にクリーチャーを並べ合って盤面が均衡しているときには天秤を一気に傾けるほどの効果を発揮します。特にクリーチャーを並べ合うことの多い緑単同型において活躍が光るカードとなりますが、クリーチャー除去を重ね合う対決ということもありいくらサイズが増えても元のクリーチャーが不足してしまっては流石に劣勢を覆すことはできません。強いときには本当に強いですが反面弱いときには弱いカードなので、あまり入れすぎるというのも躊躇うカードになります。強いときの印象が強烈で頭に残りやすいので多く採用したくもなるカードかもしれませんが裏目になるときもあるということにはくれぐれも注意が必要です。

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プレイングガイド

スタンダードの数あるデッキの中でも扱いやすい部類に入ります。それは緑単というカラーの特徴でもあるインスタントタイミングでのプレイ比率が少ないということが理由の1つにあげられます。

基本的には手なりにクリーチャーを展開していき攻撃を仕掛けていくことになりますが、2ターン目に出すクリーチャーが手札に複数あったときにどれにするかというのは一つの分岐点になります。

セオリーとしては使えるマナを広げてくれるマナクリーチャーを出すことが一般的で、特に手札に《エシカの戦車》を抱えているなら3ターン目《エシカの戦車》のためにマナクリーチャーを出すことが良いでしょう。もし手札に《エシカの戦車》がなく3マナクリーチャーを抱えているなら《群れ率いの人狼》から入ったほうが良いケースもあります。後手で《群れ率いの人狼》を出したところで次ターンに相手が出すクリーチャーを考えると攻撃にいけない可能性がある場合も、やはりマナクリーチャーのほうが優先度が上がります。

また相手が青いデッキでこちらが先手だった場合はマナクリーチャーから展開することで相手の《ジュワー島の撹乱》を避けるように展開することができるようになります。《ジュワー島の撹乱》はできれば食らわないように展開するのが理想です。上手いプレイヤーほど《ジュワー島の撹乱》をケアするというのはよく言われる話です。

他には《吹雪の乱闘》《豊穣の碑文》といった除去を使うタイミングに気をつけることは重要になります。緑のクリーチャー除去は自分のクリーチャーを利用して相手クリーチャーを除去することになるため《吹雪の乱闘》等に対応して相手がこちらのクリーチャーを除去してくることで大幅に不利を被ります。相手に使えるマナがないうちに使ってしまうことも大事ですし《豊穣の碑文》のようにインスタントタイミングで使えるのであれば、相手が何らかのインスタントを使って対応できないタイミングに合わせて使うといったケアも重要になります。

《レンと七番》のトークンを《エシカの戦車》でコピーすることは可能であれば積極的に狙っていきましょう。ただし相手が除去を構えている場合相手としては《エシカの戦車》のコピー対象をツリーフォークトークンクリーチャーにしたタイミングでツリーフォークトークンを除去することを狙ってきます。その場合にはツリーフォークトークンがいてもあえて2/2の猫トークンをコピー対象とするほうが正解である場合もありますので、相手の動きに注意して狙っていきましょう。

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サイドボードガイド

特定の使用デッキを元にしたサイドボードガイドではなく一般的にメインとサイドに存在する可能性のあるカードを考慮して掲載しています。

イゼット天啓

OUT

IN

基本的に相手はノンクリーチャー気味な構成であるため《吹雪の乱闘》や《豊穣の碑文》のような相手クリーチャーに干渉する手段を抜き、変わりに相手の除去を交わす《蛇皮のヴェール》や墓地のフラッシュバックを取り除きつつも圧力をかけられる《フロギーモス》といったカードをサイドインします。

相手が《くすぶる卵》を採用している場合や、こちらのクリーチャー除去がサイドアウトされること狙って逆にクリーチャーをサイドインしてくる場合もありますのでそういった場合にはクリーチャー除去を少し残すのも良いでしょう。

《絡みつく花面晶体》は単体で弱い上に《棘平原の危険》の良い的にもなってしまうので抜いてしまうのも悪くありません。

イゼットドラゴン

OUT

IN

基本的にイゼット天啓と似てはいますがやはり《黄金架のドラゴン》の有無が最も異なってくるポイントです。イゼット天啓のように《アールンドの天啓》を連打することに緑単は干渉することができませんがイゼットドラゴンであればそこまで連打される心配はないためイゼット天啓よりはやりやすいマッチアップとなります。

《黄金架のドラゴン》や《くすぶる卵》の変身後といった飛行クリーチャーを除去する《絡み罠》といったカードはサイドインしておきたいです。《レンと七番》のツリーフォークトークンで相手の《黄金架のドラゴン》を止めてしまうのも悪くありませんが相手はツリーフォークトークンを見越して《消えゆく希望》を入れている側面もあるので、できれば《絡み罠》のようなカードは取っておきたいところです。

もし相手が多くの《プリズマリの命令》を入れているのであれば《エシカの戦車》をサイドアウトするのも選択肢の一つです。

緑単アグロ

OUT

IN

《蛇皮のヴェール》といったカードを抜いてクリーチャー除去を追加するというのが基本的な入れ替えの内容になります。

上記には記載していませんが後手番の守る展開においては《カザンドゥのマンモス》はただの3/3になってしまいがちなので後手であれば数枚抜いても良いでしょう。先手であれば抜かない方が良いと思います。

緑単相手には《タジュールの荒廃刃》が有効なカードとなるというのが特徴で、接死であるため格闘もし辛い上に相手のどんなクリーチャーでもたった1マナのクリーチャーと交換が取れるため、相手からするとこのカードが突っ立っているだけで非常に攻撃し辛くなります。その分攻めるときには弱いので特に後手番のときに強いカードとなります。

《不自然な成長》もクリーチャー同士のコンバットを圧倒的に優位にするカードですからクリーチャー除去が薄い緑単同士の対決では切り札になります。ただし前述の通り入れすぎると裏目を踏むこともあるので注意しましょう。

白単アグロ

OUT

IN

白単アグロは《粗暴な聖戦士》を必ずと言って良いほどサイドインしてきます。《粗暴な聖戦士》は特にトークンクリーチャーには非常に強いため《レンと七番》は抜いてしまいます。また上記には記載していませんが同様の理由で《レンジャー・クラス》も数枚サイドアウトしても良いでしょう。

アグロ相手に対するクリーチャー除去追加という定番のサイドボード以外では、白単アグロは《スカイクレイブの大鎚》や《ポータブル・ホール》といったアーティファクトを使用してきますのでそれらに対応するカードをサイドインしておきたいです。アーティファクトだけでなく《傑士の神、レーデイン》といった飛行クリーチャーを破壊することにも《絡み罠》は活躍してくれます。

もし相手が白単ではなくタッチ青のアゾリウス型であれば《消えゆく希望》のようにこちらに干渉するカードが白単より増加するため《蛇皮のヴェール》をいくつか残すのも良いでしょう。

ティムール宝物

OUT

IN

不要なカードが少なく、はっきりと抜きたいカードがあまりない対戦相手です。

《蛇皮のヴェール》も有効は有効なのですがタイミングを選ぶということもあり相手の《黄金架のドラゴン》や《月の帳の執政》といった飛行クリーチャーに対処する《レンと七番》と《絡み罠》のほうが《蛇皮のヴェール》に比べると優先度がやや勝るといった印象です。

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