スタンダード2022 – 環境初期に台頭するデッキ達

MTGアリーナ

MTGアリーナで「フォーゴトン・レルム探訪」がリリースされたと同時に秋のスタンダードローテーションを見据えてMTGアリーナのプレイモードにスタンダード2022が追加されました。

スタンダード2022はスタンダードローテーション後の環境を先行して導入しているモードになっており、「ゼンディカーの夜明け」「カルドハイム」「ストリクスヘイヴン:魔法学院」「フォーゴトン・レルム探訪」のセットのみ使用可能となっているスタンダード環境となります。

※スタンダードローテーションの詳細はこちらの公式サイトをご確認ください。

そして本記事の執筆時点でまだ「フォーゴトン・レルム探訪」がリリースされてから1週間も経っていない中、オンライン大会としてスタンダード2022のフォーマットを採用したイベントが開かれています。

環境初期の有力デッキとして、イベント結果を残したデッキの中からいくつかピックアップしてデッキを紹介していきます。

追記)環境中期のデッキについてはこちらのページで掲載しています。

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緑単アグロ

緑単アグロスタンダード2022の環境初期時点では本命デッキと言える存在となっています。

ちなみにスタンダード2022に限らず現行スタンダードでも活性化の兆しがあるデッキです。

デッキ自体は非常にわかりやすい構成で、まさに見ての通り緑の優秀なクリーチャーで強化しながら攻撃していくアグロデッキです。

何と言っても「フォーゴトン・レルム探訪」に収録されている緑の新戦力が本デッキを支えていると言っても過言ではありません。

《群れ率いの人狼》は2マナ3/3というスタッツに加えて能力が2つ付いているという緑のエースクリーチャーです。このコストパフォーマンスには本当に驚かされます。

特に合計パワー6以上で攻撃したときにドローできる能力が強力で《グレートヘンジ》無き後の貴重なアドバンテージ源ともなっています。

また《レンジャー・クラス》も相当に強力なカードで、実質2マナ2/2のクリーチャーと同等なスペックを持ちながらそれに付随するレベル2と3の能力がとてもおまけとは言えない程強力です。

レベル2で打点を上げるのは特にクリーチャー同士のコンバットで有利に立てますし、レベル3の効果は睨み合いの展開になるとこの能力を持っている側がアドバンテージを取り続けることで徐々に有利になるため結果的にゲームの勝利を手繰り寄せることができます。《怪物の代言者、ビビアン》と同じ能力ですから、その強さを身に染みて感じている方も多いでしょう。

またマナコスト的に2色以上のデッキにも無理なく採用できるカードであるため、今後は緑を含む2色以上のデッキでも頻繁に見かけることになりそうです。

《フロギーモス》は単純に強いクリーチャーとして採用されています。有している能力全てが相互に噛み合っているのが素晴らしいクリーチャーです。墓地を使用するカードはローテーション落ちするセットに多いため、墓地からカードを取り除く効果自体は(とりあえずサイズが大きくなるだけでも意味はありますが)現在のスタンダード2022環境においてはあまり有用ではないかもしれません。

《節くれだった教授》はこれまであまり見かけないカードでしたが、4マナ5/4トランプルというだけでなかなか強いのに履修までついているという優秀なクリーチャーです。現行スタンダードでは《恋煩いの野獣》をはじめとして他に優秀なカードが多いため採用されていませんが、充分強力なカードです。特に単色デッキでは選べるカードの狭さからサイドボードが弱くなる傾向がありますが、履修によりサイドボードをしっかり活用できるのも良いですね。

土地に《ハイドラの巣》もしっかり採用されています。《老樹林のトロール》をはじめとしてマナの色拘束が厳しい緑単では《不詳の安息地》を採用してしまうと、生み出すマナが無色マナ故に展開の足を引っ張ってしまうことが間々あります。《ハイドラの巣》だとそういった心配もありませんから、少なくても緑単に関しては《不詳の安息地》よりも《ハイドラの巣》のほうが適切でしょう。

サイドの《豊穣の碑文》は主に同型対策、《絡み罠》は基本的には飛行クリーチャー(主にドラゴン)対策として採用されています。

デッキ全体を通してシンプルな構成ですが、シンプル故にデッキの動きに一貫性がしっかり存在しており強力なデッキとなっています。

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イゼットドラゴン

緑単に並んで環境初期の本命デッキの一つであるのがイゼットドラゴンです。

現行スタンダードでも活躍しているデッキですから、ローテーションの影響が比較的少ない本デッキが活躍するのは当然の流れでしょう。

パッとデッキを見て現行デッキとほとんど同じで何が違うのかわかり辛く感じてしまうくらい大きな差はありませんが、基本的には《砕骨の巨人》と《厚かましい借り手》の出来事クリーチャーのスロットが入れ替わったという点が現行スタンダードデッキとの相違点です。

《砕骨の巨人》が抜けたことによるクリーチャー除去の穴埋めとして「フォーゴトン・レルム探訪」から《ドラゴンの火》が採用されています。

これまでの火力呪文ではタフネス3までは《霜噛み》があるので比較的対処しやすかったのですが、タフネス4を超えると一転して除去し辛くなります。そしてそれが赤の弱点でもあったのですが、そんなサイズの壁を《ドラゴンの火》であれば無理なく超えることができます。

《ドラゴンの火》は《黄金架のドラゴン》さえいれば4点ダメージを飛ばすことが出来るので除去できる範囲が広まります。また上記デッキには採用されていませんが《砂漠滅ぼし、イムリス》を使用しているときには5点まで飛ばすことができます。現行スタンダードでも見かけるようになるかもしれませんね。

とは言え、全体的に赤い火力だとどうしても緑のサイズに太刀打ちすることが難しく緑単アグロはやや苦手です。《アクロス戦争》や《厚かましい借り手》がなくなってしまったのは結構大きいです。

ですが、サイドボードの新戦力である《バーニング・ハンズ》であれば大抵の緑クリーチャーは除去できるのでまさにイゼットが待ち望んだカードでしょう。手を焼く《長老ガーガロス》も対処できるため現行スタンダードでも頻繁に使用されるサイドボードとなるのではないでしょうか。

イゼットドラゴンというデッキは元より《黄金架のドラゴン》自体が強いカードなので、ローテーション後は現在よりも幅を利かせるデッキとなる可能性は高そうです。《アールンドの天啓》との強力な組み合わせはローテーション後も健在です。

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青黒コントロール

構築フォーマットにおいて形を変えながらも存在し続ける青黒コントロールです。

形を変えるといってもデッキの基本構成に大きな違いはなく、あくまで採用するカード達がその時に使用できるものの中から選択しているだけというような変化の仕方ですね。

「クリーチャー除去」「カウンター呪文」で凌ぎつつ、カードドローを持つスペルでアドバンテージ差をつけながら強力なクリーチャーやプレインズウォーカーに繋げて勝利を目指すという動きのデッキになります。

このデッキはノンクリーチャーデッキになっているため、相手のクリーチャー除去カードを腐らせてしまえるのも一つの強みとなっています。

2マナ域のクリーチャー除去としては《落第》が採用されています。あまり手札の減らないこのデッキではマイナス修正は小さめになりがちなのですが、同じマナ域の優秀な除去カードである《パワー・ワード・キル》は同環境に多いイゼットドラゴンを相手にしたときには全く使えないカードになってしまうために《落第》を採用しています。

やはり特に除去カードについては環境を読みながら選択することが重要で、コントロールデッキではそういった相手のデッキを想定することが必要になります。黒の除去カードは裏目になりやすいカードも多く読み間違えたときにはその時点で大きく不利になってしまうこともあるので、デッキ使用時には注意しましょう。カウンター呪文の選択についても同様です。

フィニッシャーとなっている《モルデンカイネン》や《オニキス教授》は6マナ域のカードなので当然強力ではあるのですが、コストの重さの割に仕事をするまで時間がかかるため、もう少し強力なカードがほしいところですね。

何れにしてもローテーション後の環境においても形を変えながら存在し続けるデッキとなりそうです。

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赤黒宝物

赤黒の宝物シナジーを軸に構成させた赤黒のコントロール要素が強いデッキ。

「フォーゴトン・レルム探訪」では宝物を参照するカードが多数登場したため、まさに「フォーゴトン・レルム探訪」により誕生したデッキとなっています。

デッキとしては赤黒が得意とするクリーチャー除去カードと、場に出たときに手札を1枚捨てさせる効果を持つ2マナクリーチャー《古牙の信奉者》《収得の熟練者》を計8枚採用し、手札と盤面のリソースを奪っていきます。

《古牙の信奉者》《熟練した予言者》は如何せん本体が1/1で弱すぎるのが難点ですが、そこをカバーするのが新カードの《スカルポートの商人》と《命取りの論争》。

このカードの能力によって、場に出た時点で仕事をしている1/1クリーチャーを餌にしながらアドバンテージ差をつけていく構築となっています。また《蜘蛛の女王、ロルス》もこの動きと相性が良く、能動的に忠誠値を増やしていくことも可能となっています。

そして宝物によって増えたマナを有効活用できるようスタンダード2022最強クラスのプレインズウォーカーとしても使える《嘘の神、ヴァルキー》もしっかり採用されています。

こういったデッキは盤面に出てアドバンテージを稼ぎ続ける《グレートヘンジ》やプレインズウォーカーに弱いところがありますが、スタンダード2022環境ではそういった面はいくらか軽減されているようにも感じます。

全体的に打点に少し欠けるところがあるのは気になりますが、今度の伸びしろにも期待できそうなデッキです。

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ボロスアグロ

ボロスカラーではありますが、赤は《スカルドの決戦》のみとなっているリストなのでほぼ白単のアグロデッキです。

《スカルドの決戦》の強さは現行のナヤアドベンチャーの活躍通りですからタッチする価値が十二分にあります。それにこのデッキはかなり軽コストに寄せて構築されていますので《スカルドの決戦》の第一章の4枚もターン中に使い切ることが容易になっています。

白単で構築したときには《不詳の安息地》が使用できることがメリットとなりますので、ボロスカラーとどちらにするかは《スカルドの決戦》と天秤にかける形となります。どちらかというと《不詳の安息地》は全体除去スペルを回避できるためコントロール相手に強く、《スカルドの決戦》はそのアドバンテージとクリーチャー強化により戦闘を有利に進めやすくなるためアグロ相手であれば《スカルドの決戦》のほうが強いでしょう。

《素拳のモンク》はアグロデッキ向けの新戦力で、このデッキであればかなり低めに見積もっても1マナ2/2以上の働きはしてくれる優秀なクリーチャーです。1マナ域のクリーチャーとしては環境最高クラスのクリーチャーです。

このリストはかなり低コスト寄せにした上で、それによりガス欠しやすくなった弱点を《スカルドの決戦》でフォローするように構築されていますが、少し前の白単アグロのように《スカイクレイブの大鎚》をメインから採用したり《軍団の天使》を採用したりするなど、バリエーションに関しては他にも色々と考えることができるデッキでもあります。

またスタンダード2022ではアグロキラーの代名詞である《砕骨の巨人》がローテーション落ちで環境から排除されたことが白系アグロにとっては嬉しい変化でしょう。特に《クラリオンのスピリット》や《光輝王の野心家》が《砕骨の巨人》で踏みつけられるというのはもはや日常茶飯事の出来事でしたから両クリーチャーの生存率はグッと上がったことでしょう。

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マグダグルール

ここからはイベントで結果を残したわけではありませんが、私の主観で良いと感じたデッキをいくつか取り上げます。

スタンダード2022版のマグダグルールです。

現行スタンダードデッキと比べるとアドベンチャーパッケージが無くなってしまったため大きく内容は変わっていますが《ヤスペラの歩哨》と《厚顔の無法者、マグダ》の組み合わせは健在です。

本デッキではアグロ環境であることを見越して強力な氷雪除去呪文である《霜噛み》と《吹雪の乱闘》を採用するために氷雪型となっています。そのために《高地の森》を採用せざるを得なく、それ故にこのデッキにとっては痛手となるタップインランドによるもたつきが気になるところではあります。それを差し引いてもこれらの軽コストの優秀な除去を採用する価値はありますが、このあたりは調整ポイントと言えるかもしれません。

何より《ヤスペラの歩哨》と宝物を組み合わせた展開速度は環境随一と言えるデッキです。また赤を採用することで《バーニング・ハンズ》といったカードも採用できることからBO3であれば緑単よりも柔軟に立ち回ることができそうです。

現状スタンダード2022はBO1のみとなっていますが、BO3の実装が待たれますね。

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白単アグロ

前項でボロスアグロを取り上げましたが、こちらは純粋な白単のアグロデッキとなっています。

1マナ域からガンガンとクリーチャーを展開し飛行クリーチャーや《スカイクレイブの大鎚》で押し切る構成で寄り道となりそうなカードは一切入っていないという潔いリストとなっています。

《傑士の神、レーデイン》は現行スタンダードとは違ってスタンダード2022では氷雪土地を採用しているデッキが多いため、氷雪土地のタップインが刺さるデッキは多くなっているのも白単にとっては追い風となっています。また《象徴学の教授》を採用しており、履修のサイドボード圧迫というデメリットがBO1では実質デメリット無しとなるのも魅力的です。

勝つにしても負けるにしても早く対戦が終わるデッキであるため、MTGアリーナのランク上げにも向いているデッキかもしれません。

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まとめ

「フォーゴトン・レルム探訪」のリリースにより、現行のスタンダード環境も新たなカードを使用したデッキはいくつか現れることになりますが、どうしてもエルドレインの王権を中心とした強カード達の前には環境を大きく変える程の活躍を見せることは難しいかもしれません。

ですが、スタンダード2022ともなれば話は別。「フォーゴトン・レルム探訪」の新しいカードを構築で試す機会が多いのも面白いですし、何しろ現行のスタンダードは大きく異なった環境ですので、現行スタンダードとはまた違った新しい体験ができます。

スタンダード2022で新しいデッキ構築を考えてみるのも楽しいですね!

スタンダード2022環境中期のデッキ紹介についてはこちら

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MTG Wonder

コメント

  1. 匿名 より:

    たいへん参考になりました

  2. 参考になりましたわ!
    唐突にサイドボードを用意せにゃならんくなったのですが、いざ用意しようとすると環境デッキがわからない!何用意しよ!ってなったので

  3. 匿名 より:

    赤黒宝物の説明にある《熟練した予言者》のカードがMTGAで赤黒検索しても見つかりません、新しい段のカードでしょうか?

  4. ちゅん より:

    これ、一昔前のやつですよね…笑

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