この記事ではMTG初心者が行ってしまいやすいプレイミスを題材として取り上げます。
初心者と銘打ってはいますが中級者でも行ってしまうこともあるような内容も取り上げていますので、もしMTGでゲームになかなか勝てなくてどのようにプレイすべきか悩んでいる方がおられたら少しでも参考としてもらえたらと思います。
カード一枚一枚の効果を最大限発揮するようにプレイする
これは文字だけ読むと当然のように見えるのですが、実際のところ特にアグロデッキでは勿体ないと思ってしまうようなカードの使い方をするプレイヤーを見かけることがあります。
赤単でよく使用されるカードを例にあげて解説します。まずは《火刃の突撃者》です。

このカードは1/1クリーチャーで死亡したときにパワー分(大抵の場合は1点)を任意の対象に対して与えることが出来るカードです。
このカードが最も強さを発揮するのは、何らかのクリーチャーと戦闘後仮に死亡しても相手プレイヤーに1点ダメージを与えることが出来ることではありません。相手のタフネス1クリーチャーと戦闘し死亡した後、更に相手のタフネス1クリーチャーに1点ダメージを与えることです。つまりこれ一枚で相手の2体のクリーチャーを倒した時が最もこのカードが仕事をした時と言えます。
実際にこのカードを絡めてよく起こる事例が2ターン目に《恋煩いの野獣》の出来事から生成された1/1トークンクリーチャーと対峙したときのことです。

赤単が先手だとしたら2ターン目は《火刃の突撃者》で攻撃するべきなのでしょうか。また赤単が後手だとしたら2ターン目に1/1トークンで攻撃されたとき《火刃の突撃者》でブロックするべきなのでしょうか。答えはどちらもNOです。
どちらの場合も上記を行った場合は《火刃の突撃者》というカード1枚と《恋煩いの野獣》の出来事トークン1枚+相手への1点ダメージを交換したことと同義です。つまり《恋煩いの野獣》の出来事というカード1枚分ですらない効果とカード一枚を交換したのと同じです。相手への1点ダメージはこのタイミングでは大した効果もありません。これは《恋煩いの野獣》を出した側が得するトレードと言えるでしょう。
《火刃の突撃者》を残しておくことで《恋煩いの野獣》を出した側としては、後に《エッジウォールの亭主》といったタフネス1クリーチャーを展開し辛くなったり、戦闘がし辛くなることもあります。また数ターン後になるとタフネス1クリーチャーを2体処理できる機会が得られる可能性もあります。赤単だと《火刃の突撃者》を生かしておくと後に《エンバレスの宝剣》のコスト軽減効果に当てられるかもしれませんし、《朱地洞の族長、トーブラン》や《鍛冶で鍛えられしアナックス》の効果でよりアドバンテージを得られるようになる可能性も高いです。2ターン目に1/1トークンと交換してしまうよりも、こういった使い方をしたほうがより《火刃の突撃者》を効果的に使えていると言えますし、このほうが最終的なゲームの結果に影響する可能性が高まります。
また赤単のその他のケースとしては《霜噛み》といった火力呪文の使い方があげられます。

自分の1/1クリーチャーの攻撃を通すために2ターン目早々に《霜噛み》を《恋煩いの野獣》の1/1トークンに打ち込んでしまうのを見かけることがあります。当然これを行っても先の事例で述べたことと結果は同じで《霜噛み》という貴重なカードを損するトレードに出してしまっているのと同じです。もしゲーム後半で1/1トークンを《霜噛み》で対処することで戦闘ダメージを相手に多く与えられてゲームに勝てるという場合には勿論プレイするのが正しいですが、《霜噛み》の強さはたった1マナのカードで相手の3マナ以上の強力なクリーチャーですら対処できることにあります。赤単のようにカードを引くといったアドバンテージが得られないデッキで非効率なカードの使い方をするとすぐに手札が枯渇して劣勢になってしまいゲームに勝つことが難しくなります。
このように手なりにカードをプレイするのではなく効果的にカード1枚1枚をプレイするようにしましょう。アグロデッキを使用している場合は特にカード1枚の差でゲームの結果が変わることも多いので猶更注意が必要です。アグロデッキでは相手を可能な限り早く倒すという意識が先行してしまってこのようなプレイをしてしまうことがあるのかもしれませんが、MTGは焦ると勝てないゲームです。
勿論、毎回毎回このように最大限の効率を発揮できるような展開になるわけではありませんし、相手が上手い程こちらが効率的にカードを使えないようにプレイしてきます。ですが可能な限り1枚1枚のカードを効率的に使用すればするほどゲームの勝利に近付くことは意識してプレイするようにしましょう。
ゲーム展開の目途が立たない手札はマリガンする
マリガンは初期手札を引き直すことができますが、繰り返せば繰り返すだけ手札の枚数が少なくなりますのでマリガンはできればしないほうが良いのは間違いありません。手札が少なくなるほど不利な状態でゲームをはじめることになってしまいます。
ですが、かと言ってゲーム展開の目途が立たないような手札はマリガンしないと結局ゲームに勝てないのも事実です。土地が全然手札になかったり、土地しかないような手札だったりといった場合はマリガンするのは当然ですが、3枚程度といった適正な土地枚数の初期手札であっても残り手札の呪文が当面プレイできないような呪文ばかりだとマリガンするべきです。
前提として土地は適正枚数である時、例として赤単の場合に《霜噛み》や《エンバレスの宝剣》といったカードばかりだったり、クリーチャーはあるが3マナ以上のクリーチャーしかない手札は概ねマリガンするべきでしょう。赤単は後半に弱いデッキであるため、序盤から攻勢をかけていかないとゲームに勝つことは難しくなります。それが叶わない手札はマリガンしたほうが良いです。
ただし、2回以上のマリガンは余程ではない限りしないほうが良いです。5枚以下でゲームをはじめてしまうとその時点でゲームに勝てる可能性が著しく下がってしまいます。1回マリガンした後の手札があまり満足できるような手札ではなくても1回目のマリガンよりはキープする判断条件を緩めるようにしたほうが良いです。
マリガンの判断は上級者でも難しい場合が往々にしてありますが、結局この手札でゲームをはじめても勝て無さそうだと思うときにはマリガンするほうが正解である場合が多いでしょう。ひとまず土地が適性枚数あるから・・・という理由だけでマリガン有無を判断しないようにしましょう。
インスタント呪文には最大限の注意を
相手が不気味に土地をアンタップ状態のままターンを渡してきているときほど、インスタント呪文に警戒するようにしましょう。
勿論相手は土地をアンタップしているからといってインスタント呪文を持っているとは限りません。ですが相手が上手いプレイヤーであればあるほど、適切なタイミングでこちらが嫌がる行動(つまりインスタント呪文)をしてくる可能性は高いものです。
特に構築戦となると、相手のデッキの内容は推測できる場合が多くなります。初心者の方だとなかなか相手のデッキが想像つかないこともあるかもしれませんが、色々な対戦を重ねるにつれて相手がどのようなデッキかは必ずわかってくるようになります。
そして相手のデッキがわかってくればくるほど相手がどのような呪文を唱えてくるかは推測できるようになってきます。そしてそれらの中でも特にインスタントに関してはどのようなものがあるのかは覚えるようにしましょう。



例えば赤単を使っているとき、相手がクリーチャー除去カードが入っているデッキかつ、唱えられる分の土地がアンタップ状態であるときには《リムロックの騎士》の出来事を自分のクリーチャーには唱えないほうが賢明(出来事に対応してそのクリーチャーを除去されると大幅に損するため)です。出来事は使わずに2マナのクリーチャーとして出すほうが良いことも多いでしょう。
また相手のデッキに《巨人落とし》が入っている場合、《エンバレスの宝剣》はパワーが一番大きいクリーチャーでなく、パワーが2以下(つまり合計パワー3以下)に装備させるのも一つの方法ですし、早々に《エンバレスの宝剣》を唱えるのではなく、ダメージ解決前に先に盤面のクリーチャーに《巨人落とし》を使ってきたのを見てから《エンバレスの宝剣》を唱えるという、まるで我慢比べのようなプレイも良いでしょう。
何れにしても相手にインスタント呪文をできるかぎり効果的に使わせないようにすることはとても重要です。インスタントは相手からすると目に見えない呪文をいつでも唱えられるという奇襲性によって大きなアドバンテージを得ることができるというのが強みです。インスタントを使われてもそこまで被害が大きくならないようにプレイすることで相手としてはインスタントが使い辛くもなります。
相手があのインスタント持ってたらどう転んでもゲームに勝てない・・・という場合は唱えても仕方ないのですが、相手があのインスタントを持っててこのタイミングで使われてしまうとゲームが大きく不利になるというときには、そんな危険な橋は渡らないようにしましょう。まるでギャンブルのように勢いでプレイする方もおられますが、それでは勝てたとしても勝率は安定しません。
インスタントの攻防はゲーム結果に大きく左右しますので、特に気をつけるようにしましょう。インスタントを制する者はゲームを制するといっても過言ではありません。
MTGアリーナでは土地のオートタップに気をつける
これは恐らく誰しもが経験したことがあることですが、MTGアリーナでは呪文を唱えるときの土地のオートタップはゲームを快適にプレイすることに繋がる便利機能なのですが時に敗着になってしまうときがあります。それはオートタップで土地を寝かされたことで、続けて唱えようとした呪文が色マナの都合で唱えられなくなってしまうケースがあることです。
これが原因でゲームに負けてしまうこともよく起こります。土地をフルタップして呪文を唱えるときには何も問題はありませんが、ターン中に連続で呪文を唱えたいときやインスタント呪文のためのマナを残しておきたい場合にはオートタップでタップされる土地には充分に注意してください。
呪文を唱えるときにカードをクリックするとオートタップでタップされる土地が光りますのでそれをしっかり確認するか、土地を自分でタップしてマナを出すようにすれば問題ありません。
これはつい油断してしまったに起こりがちです。特にどうしても負けたくないような対戦のときには注意するようにしましょう。
コメント