2021/5/27にMTGアリーナに実装されたヒストリックアンソロジー5のカードについての考察です。
今回はいつものヒストリックアンソロジーよりも構築意欲が掻き立てられるカードが多いように感じます。そんなカードの中からいくつかピックアップしてご紹介します。
ヒストリックアンソロジー5の収録カードについてはこちらの公式サイトに掲載されています。
注目のリアニメイトデッキ
恐らく、今回のヒストリックアンソロジー5の収録カードを見て真っ先に思いつくであろうことはリアニメイトデッキが組めそう(強化された)ということでしょう。
※リアニメイトとは墓地からクリーチャーを直接場に出すことを指す言葉です。





上記が今回追加されたカード達ですが、墓地から釣りたい強力なクリーチャーの数々。また墓地にカードを落とす枚数が多い点で優秀な《忌まわしい回収》といったカードが含まれています。そして、これらを用いた上で元々ヒストリックアンソロジーに収録されていた《掘葬の儀式》を併用したリアニメイトデッキは間違いなく今回強化されたデッキです。

特に《大修道士、エリシュ・ノーン》は、相手のデッキ次第ではこれ一枚で完封出来てしまうこともあるくらいにクリーチャー相手に強力ですし、《核の占い師、ジン=ギタクシアス》はコントロール相手にもゲームを決定付ける程のアドバンテージを生み出します。
リアニメイトは釣ったクリーチャーを的確に除去されたり、リアニメイト呪文を打ち消されたりといった点でコントロール相手が苦手なのですが、現在のヒストリックではミスティカルアーカイブによって大幅に青色が強化されている状態なので、立ち位置としてはちょっと厳しい可能性はあるものの、大きな可能性を感じさせてくれるカード達です。
リアニメイトデッキはプレイしてとても楽しいデッキという意味でもおすすめです。
強力な命令シリーズ
当時のスタンダードでは勿論のこと、一部ではモダンといった下環境でも活躍しているタルキール龍紀伝の命令シリーズがヒストリックアンソロジー5に収録されていることも要注目です。





どの命令も優秀なのですが、特に注目なのは《コラガンの命令》と《アタルカの命令》になります。《コラガンの命令》は汎用性の塊のようなカードで、どのモードも優秀で打てばお手軽にカード2枚分効果を得られるという点でアドバンテージが取れてしまうカードで、強さは下環境でも証明済みです。《アタルカの命令》はアグロデッキに向いているカードで、特に赤単をベースにしてこのカードのために緑をタッチしたアタルカレッドというデッキは当時大きな結果を残したデッキとしても有名です。似たようなデッキはヒストリックでも構築することが出来るでしょう。
《大祖始の遺産》:強力な墓地対策カード

現在のヒストリック環境に一石を投じる可能性もありそうな《大祖始の遺産》が収録されています。現在のヒストリックはイゼットフェニックスだったり、ジェスカイの《奔流の機械巨人》と《マグマ・オパス》のコンボだったりと、ミスティカルアーカイブ以降は墓地を活用するデッキが多くなっているのが特徴です。
《大祖始の遺産》は下環境でも頻繁に使用されるほど強力な墓地対策カードであり、キャントリップ付きという点が特に優秀でメインに入れても無駄になりにくいという特徴があります。メタゲーム次第では今後このカードがサイドボードに限らずメインボードで使われることになっても不思議ではありません。
ドラゴンストーム

その昔、一世を風靡したドラゴンストームがヒストリックにやってきました。このカードはストームの効果で複数体場に出したドラゴンにより、そのターン内に相手に止めを刺せるように使うことが強い使い方になるカードです。
そして、現在のヒストリック環境でもこのカードをストーム2(=ドラゴン3体)で唱えるだけで相手に直接20点以上のダメージを叩き出すことが可能な方法があります。


《ドラゴンの女王、ラスリス》をはじめに場に出した後《峰の恐怖》を2体続けて出すことで、20点以上のダメージを《峰の恐怖》の誘発能力だけで相手に飛ばすことが可能なのです。《峰の恐怖》にスタックして《ドラゴンの女王、ラスリス》の能力でパワーを上げると、更にダメージを伸ばすことも出来たりします。
というわけで《ドラゴンの嵐》をストーム2で唱えることを目標とするコンボデッキを作りたくなるのですが、ヒストリックにはマナ加速やフリースペル(唱えた後に唱えたマナ分の土地をアンタップできるスペル)はあまり収録されておらず、なかなかトーナメントレベルのデッキを作るのは難しそうなのです。今回の収録はそれでバランスを取っているということなのかもしれませんね。
でも諦めたくない!ということで超即席デッキで失礼しますが管理人が考えてみたデッキがこちらです。

《ドラゴンの嵐》は9マナと重いために、ストーム付きで唱えるのには一工夫が必要です。このデッキでは《アイレンクラッグの妙技》か《ミジックスの熟達》でコストを踏み倒すかのどちらの方法を用いています。
《アイレンクラッグの妙技》だと場に最低でも6マナが必要(妙技の7マナ+2マナ)になるので速度に問題はありますが、墓地対策されても問題がないことが魅力です。ストームのカウントを稼ぐのも中々難しいのですが、このデッキでは《トーモッドの墓所》を使うことで6マナあればストーム2で打つことが可能になっています。《選択》や《渦まく知識》も場合によってはストームカウントとして使いたいところです。そしてマナ加速として《精神石》と《プリズマリの命令》の宝物トークンを用いるといった具体です。
《ミジックスの熟達》プランは《プリズマリの命令》で墓地に落として唱えるというのが主な流れで、4マナスタートというマナの安さに加え《ミジックスの熟達》自身がストームカウントされるので、あと1カウントだけ加えればコンボ達成という点も魅力的なプランになっています。基本的にこちらのプランのほうが唱えやすいですが、墓地対策に引っかかるのがウィークポイントです。
実際使ってみても4ターンキルはそれなりに発生するデッキになっているのですが、即席レベルなので強さに関しては保障しませんので悪しからず。。あくまで案として参考としてもらえたらと思います。
素晴らしいデッキビルダーの手によってドラゴンストームがヒストリックで日の目を見ることになるのか要注目です。
その他にも気になるカードがずらり
その他にも、宝物トークンで強力なアーティファクトを釣ってくださいと言わんばかりの《財宝発掘》だったり、《鍛えられた鋼》デッキが作れそうな《宮廷のホムンクルス》《宝物庫のスカージ》、氷雪ランパンこと《北方行》などが収録されています。



《財宝発掘》も強力なデッキを生み出す可能性は高そうなカードですね。氷雪パーマネントと言えば前回のヒストリックアンソロジーで収録された《マリット・レイジのまどろみ》を使うデッキが考えられますが《北方行》の追加だけだとまだ厳しいかなぁという印象は受けます。

何れにしてもヒストリックアンソロジー5はデッキを組む楽しさの幅を大きく広げてくれていると感じます。スタンダードよりも大幅に様々なカードが使えるヒストリックでデッキ構築を楽しむのも面白いですね。
コメント
宝物庫のスカージって、アリーナでもこの名前になっちゃってるんですけど、本当は大霊堂のスカージなんですよねw
本当ですね!言われてはじめて知りました。イラストは記憶に残りやすいですが、カード名って結構忘れてしまいますね。素直に凄いなと思いました(^^