MTGは勝負のゲームですから、常に勝ちと負けが付きまとうゲームでもあります。
勝ち負けに関わらず楽しむことが一番ではありますが、せっかく勝負するからには勝ちたい!と思うのは当然のことです。でもMTGで勝つことは決して簡単なことではありません。
そこで、少しでも多くの勝利を掴むためにMTGが強くなるにはどうするべきか、いくつかの方法を解説していきます。この記事を読めば以下がわかります。
・MTGのプレイングについての上達方法
・構築、リミテッドそれぞれの勝利するためのポイント
・MTGは精神力が問われるゲームであること
スタンダード等の構築、ドラフト等のリミテッド、そして構築リミテッド共通の3つに分けて記載します。
構築、リミテッド共通
まずは沢山プレイして経験を積み重ねる
これはMTGに限ったことではないですが、やはり数多くプレイするほど経験値があがっていき勝率が上がっていきます。これは当然な話なのであまり深掘りすることは避けますが、これは大前提として効率良く上手くなるために意識するべきことを以降に記載していきます。
勝ち負けよりも反省点の有無を重要視する
MTGは運の要素が間違いなく存在するゲームですから、どうやっても勝てないゲームは存在します。MTGは上手い人が必ず勝つゲームではありません。MTG巧者は不運も含めたどんなゲームの結果であってもゲームに勝てる方法がなかったのか、そこを重要視します。「勝った」「負けた」は所詮1ゲームでの出来事にすぎません。大事なのは1ゲームの結果ではなく平均的な勝率を上げていくことです。
そのためには、これまでは「負け」ていたゲームを「勝ち」に少しでも変えていく必要があります。そのためには勝負の結果よりもプレイしたゲームで反省点を見つけ、それを改善していくことが重要になります。それはデッキ構築、マリガンの判断、ゲームプレイなど多岐に渡って考えていきます。こうして改善を重ねていけば必ず平均的な勝率は上がっていきます。
MTGはプロであってもミスしない人はいないと言える程にプレイの選択肢が多く難しいゲームですから、反省点は常に必ずあると考えるほうが良いです。
負けてもイライラしない
これは「わかっているんだけど負けるとついイライラしてしまう」という方も多いですし、そのような方のほうが多数派だとは思います。これを書いてる私もそういうときがあります。
でも負けてイライラしても良いことは一つもないのです。イライラするとそのせいでまたプレイが雑になったりミスしたりすることで更なる負けを生み、またイライラするという負のスパイラルに陥りやすくなります。実際MTGはイラっとしやすいゲームだと思います。
勿論、トリプルマリガンだったり、土地が来ないor土地引きすぎによる事故で負けたら誰でも人間イラっとはします。でもいくら不運であっても勝率を上げるためにはその中で最善のプレイをする以外の選択肢はありません。イライラしないほうが結果的に上達するので、イライラしすぎないよう意識するようにしましょう。そういった意味でもMTGは精神が鍛えられるゲームなのです。つまり忍耐力ですね。
カード一枚一枚が出来る限り最大効率を発揮するようにプレイする
手札や場のカード一枚一枚で出来る限り最大限のパフォーマンスを発揮させること、その積み重ねがゲームの勝利を呼びます。


例えば《エッジウォールの亭主》は1マナ1/1ということで初手にあれば1ターン目にプレイしたくなりますが、これは必ずしも正解ではありません。《エッジウォールの亭主》の真価は出来事を持つカードを唱えることでカードを引けることにあります。
もし《エッジウォールの亭主》を1ターン目に出しても、自身の攻撃によって稼げるダメージは1/1なので大したことにはなりません。そして1ターン目に出したことにより出来事カードを唱える前に除去されてしまうと相手のカードと1対1交換をしただけという結果に終わります。ですが《エッジウォールの亭主》を出すことを我慢し、4ターン目に《エッジウォールの亭主》を唱えて《恋煩いの野獣》といった出来事カードを続けて唱えれば、最低でも《エッジウォールの亭主》が1枚分のカードを引くという仕事をしたことになります。その後で《エッジウォールの亭主》を除去されたとしても、《エッジウォールの亭主》とそれによりドローしたカード1枚と相手の除去1枚の2対1交換をしたことになるため、カード1枚分相手より得する結果になります。(もし相手のデッキ内に3ターン目までに《エッジウォールの亭主》を除去する手段が入っていないことがわかっている場合は1ターンにプレイすることが正解です)
カードを引くというのはMTGでは重要なアドバンテージ獲得手段になります。これはほんの一例ですが、このように目先のことで手なりにプレイするだけでなくカード1枚1枚毎に最大限のパフォーマンスを発揮させることは重要で、MTGは相手よりも得(アドバンテージ差)を重ねることで勝利に近付いていきます。
インスタントは後出しが得することを意識する
MTGはインスタントという相手のターンであっても呪文を唱えたり能力を使用できるルールがあることにより、ゲームがダイナミックに展開します。
そしてMTGはインスタントという呪文の使い方の上手さがゲームの勝敗に大きく影響します。


《巨大化》といったクリーチャーを強化するインタント、《ショック》のようなダメージを与えるインスタント、あなたが《ショック》を打つ側だったとした場合、相手が《巨大化》を打ったことにスタックしてそのクリーチャーに《ショック》を打つと《巨大化》+クリーチャー除去という《ショック》1枚が相手のカード2枚分と交換する結果になり大幅に得しますが、その順番が逆になって《ショック》の後に《巨大化》を唱えられると《ショック》は何も生み出さない(もしくは1対1交換)ということになります。これだけでも後のゲーム展開を大きく左右するほど結果が変わることになります。これはわかりやすい例ですが、似たようなことは頻繁に起こります。プレイしていて相手に「やられたな~」と感じる場合もあるでしょう。そういった時には相手から学ぶことも大事です。
これはリミテッドのほうがより顕著に表れることですが、構築であっても対戦相手とインスタントの我慢比べを制することで有利なゲーム展開になることがあります。文字通り「先に動いたほうが負ける」ということはMTGにもよくあります。相手が不自然に土地をアンタップ状態のまま構えているときには特に警戒してプレイしましょう。逆に相手に隙を見せない(土地をフルタップしない)ことも時には必要です。
上級者ほどインスタントの使い方が上手く、またそれによりアドバンテージを取って試合を有利に進めることに長けています。対戦相手が待ち構えているインスタントの罠にみすみす突っ込むようなことはしません。
攻めと守りを意識する
現在のゲーム展開において、自身が攻めているのか守っているのかは常に意識しておくべきです。ここで言う「攻めている」というのはこのまま戦闘を数ターン繰り返せば先に勝つのはどちらか、ということです。決してライフが多いほうという意味ではありません。MTGは基本的に守り側のほうが不利な状況ですから、守りから攻めに転じるにはどうすれば良いかを考えてプレイする必要が出てきます。
また、攻撃を意識するあまり、返しの相手のターンに手痛いダメージを負って負けてしまうといったゲームは良くあります。これは相手がこれから追加してくるであろうクリーチャーや、唱えてくるスペルに対しての考慮が不足しているときに起こりがちです。勿論常に相手の手札がわかるわけではありませんが、相手の手札の枚数やこれまでのターンの動きを含めてある程度予測を立てることは出来ます。
とは言え相手が〇〇のカードを持っていたら守っていてもどちみち負けるという場合は攻めることが必要になりますから常にその時のケースに応じた判断を行っていきましょう。上手い人ほど劣勢の状態から薄い勝ち筋を手繰り寄せる(負けるゲームを勝ちにする)ようにプレイしています。
他の人のプレイを参考にする
自身でプレイするだけでなく、時には他の人のプレイを見てみることも参考になります。YoutubeやTwitchをはじめとした動画配信でMTGを見ることは簡単に出来ることです。
勿論、単純に楽しむという目的で見ていても面白いものではあるのですが、強くなるという目的であれば動画内で行われているプレイが自身の考えと違いがないか考えながら見るというのがおすすめです。
恐らく違いがあるという場合はそれなりの頻度で起こると思います。そうした時に、動画内の人は何故そうしたのか、結果どうなったのか、というのを注視しながら見てみてください。勿論動画内の人がプレイミスをしている可能性もありますが、逆にそのプレイミスに気付けているというのは素晴らしいことです。こういった人のプレイをみながら自身の視野や引き出しを広げていくとプレイの幅が広がります。幅が広がるとその分強くなります。
構築編(スタンダードなど)
メタゲーム上のデッキの動きを理解する
スタンダードのような構築戦の場合、概ね対戦相手として想定されるデッキがどのようなものかは始めの1、2ターンの動きやセットされる土地の種類を見れば判別できるものです。(相手がオリジナルデッキであれば別ですが)
相手のデッキを知ることで自身も相手に即した適切なプレイが出来るようになります。相手のデッキがわかっていれば「インスタントの除去がどのようなものがあるか、カウンターはどのようなものがあるのか、数ターン後にはどのようなクリーチャーや呪文を展開してくるのか」等々、自身にとってメリットになることが沢山あります。
このようにまずは対戦相手として想定されるようなメタゲーム(相手の構成を予想すること)を知ることは構築で勝つための第一歩です。当サイトでも以下のようなページで解説していますので、参考にしてください。


互いのゲームプランを意識してプレイする
前述のようにメタゲーム上のデッキの動きを理解しつつ、どのような方法でゲームを勝つようなプランを取っているのかも合わせて理解するようにしましょう。
MTGはデッキのタイプとして大きく3つに分類されます。
- アグロデッキ:序盤から積極的に攻勢に出て相手の体制が整う前にライフを0にすることを目指す
- ミッドレンジデッキ:コントロールとアグロの中間。中速デッキ。
- コントロールデッキ:相手を妨害しつづけてロングゲームに持ち込むことでゲームを掌握し、少ないフィニッシャーでゲームを制する
ミッドレンジが一番わかりにくいと思いますが、要するに相手がアグロであればコントロール寄りに、相手がコントロールならアグロ寄りの戦法を取るという相手に合わせて柔軟に戦うデッキになります。まずデッキ毎にどのタイプに属していて、どこに強みを持つのかを知っておきましょう。
加えて、デッキ毎にキーとなるカード(ゲームを勝ちに導くメインカード)が必ずあります。アグロで警戒しておくべきカードやミッドレンジのゲームを決めるキーカード等です。これらを知っておくことで、相手がしたいことを指せないようにプレイすることを目指しましょう。例えばミッドレンジに5ターン目に出されるであろうキーカードがあるならそれに対してインスタントを構えるようにする(逆に5ターン目までは構えなくても良いなど)等、出来ることは色々とあります。
相手がしたいこと=ゲームに勝つためにすることです。サイドボードもそれを理解した上で行うのは知らないで行うのと大きな差が生まれます。
リミテッド編(ドラフトなど)
アーキータイプを理解しておく
ドラフトはパックからその時に応じたカードをピックするゲームですが、やみくもに強いカードをピックしていっても勝てません。ドラフトで勝つためには、デッキ全体がシナジーを持った構成となっていることが重要です。
そして、シナジーを持ったデッキを作るために、ドラフトしているエキスパンションではドラフトでどのようなデッキを構築することが推奨されているのかを予め抑えておく必要があります。例えばストリクスヘイヴン:魔法学院では5つのテーマでカードが収録されていて、テーマ毎の色の組み合わせとそのテーマではどのような思想でカードをピックしていくのかといったことは頭に叩き込んでおくべきです。
それを理解していないと強いデッキとはどのような物かがわからず、デッキの完成形がイメージできません。当然ながらピックの基準もあやふやになってしまい、強いデッキを作ることは難しくなります。ドラフトはまずアーキタイプを知ることがスタートラインと言えます。
コンバットトリックや除去カードを覚える
コンバットトリックとはインスタントでクリーチャーを強化する呪文の総称です。これらの存在によって戦闘の時に頭を悩まされることになります。戦闘で有利な結果を得るためには、出来るだけ相手が損をするような形でコンバットトリックを使うことが重要です。
逆に使われる側になることを想定して、特に使用頻度の高いコモンのコンバットトリックや除去カード(インスタント)は覚えておくべきです。するとそれらが使われる可能性があることを想定してゲームを進められるようになります。一番のメリットは相手のアンタップ状態の土地のマナ数から使われる可能性のあるインスタントは何があるのかがわかるようになることです。例えば相手が使えるマナ数からインスタント除去は存在しないのであれば、こちらは不必要に相手の除去を警戒せずにコンバットトリックを使えることになります。つまり、思い切ったプレイも正当化されるということです。
土地の枚数や必要なマナシンボルに注意する
ドラフトは一般的に土地を17枚にすることがセオリーですが、常に17枚でOKというわけではありません。
例えばほとんど2マナや3マナの低コストでデッキが占められている場合は土地を少し減らしてスペルを増やさないと後半息切れしますし、逆に高コスト帯で勝負するデッキであれば18枚にすることもあります。
一般的にはデッキに5マナ以上のカードが3枚以上あれば土地は17枚にするというセオリーがありますが、これも土地以外のカードで土地と同等の仕事をするカードが多い場合には土地の枚数を調整することも検討しましょう。
土地1枚2枚の差もなかなか無視できないものです。この土地が何らかのスペルだったら勝っていたのになぁ・・・という試合は誰しもが経験したことがあるでしょう。そのような一見小さい差もゲームの勝敗を分けるときがあります。
またデッキ内の土地の種類毎の枚数バランスを考える上で各カード毎に必要なマナシンボル(有色マナ)の数も充分考慮して決定するようにしましょう。MTGは土地事故が発生すること自体は避けられませんが、事故確率を下げることは出来ます。
まとめ:基本は<探求>↔<反省>の繰り返し
色々とポイントを記載しましたが、結局のところは「思考しながらやってみる↔ダメだったら反省して改善する」ということを繰り返すというのが基本です。これはどのようなことにも通じることですが、MTGに置いても重要であることは間違いありません。
コツコツと積み重ねることが強くなる近道ですから、これらのことを念頭におきながら上達していくことを目指して楽しみながらプレイしましょう!
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