2021/1/16~17日にかけてヒストリックフォーマットで行われた「カルドハイム」リーグ・ウィークエンド。その結果の勝率分布がMTGDataさんのツイッターよりまとめられているのでご紹介します。
スゥルタイミッドレンジか、それ以外かと言われるほどにスゥルタイミッドレンジが溢れる環境になってきている中、個人的にはガードが下がってきたジャンドサクリファイスが勝ちそうと予想していましたが、プロのデッキ選択及びその結果はどのようなものであったのであったのか解説します。
メタゲーム


やはりスゥルタイミッドレンジがトップを占めています。次点としてはジャンドサクリファイス。特筆すべきはグルールアグロの増加です。ZNRチャンピオンシップの時には全くと言っても良いほどメタゲーム上に存在していませんでしたが、スゥルタイミッドレンジがメインに《破滅を囁くもの》等を採用したりと同型対策に大きくシフトしてきているため、その隙を突くことを意図したデッキチョイスだと思われます。ジャンドサクリファイスが数を減らしているというのも追い風です。
グルールアグロは2020/12月頃に記事をアップしていましたようにチャンスがあると思っていましたが、ここまでMPL/MRLのデッキ選択で採用されたことには驚きました。同じグルールでも人によって結構デッキ構築の差があって面白かったので、別で考察記事を書いています。
勝率分布
以下が今回のウィークエンドの勝率まとめになります。

勝率の高いアーキタイプ
ジャンドサクリファイスの勝率が突出しています。ジャンドサクリファイスはフォーマット発足直後からずっとヒストリックの真ん中にいるデッキでデッキパワーも相当に高いデッキですが、それに対してガードを下げるとこうなるよというのをまざまざを見せつけられるような結果になっています。天敵である《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》がほとんどフィールドに存在しないときには間違いなく有力なデッキです。次点でグルールアグロの勝率が高くなっています。スゥルタイに対して意図したとおりにしっかり勝率を確保できているあたり、さすがとしか言いようがありません。
勝率の悪かったアーキタイプ
スゥルタイミッドレンジは今回負け組になってしまいました。やはり同型対決にデッキがシフトされているというのがジャンドとグルールに大きく負け越している原因でしょう。実際に同型を意識して《破滅を囁くもの》《物語の終わり》《サメ台風》をメインに採用したタイプが非常に多かったです(《破滅を囁くもの》に関しては除去が刺さらないためジャンドサクリファイスにもそれなりに有効ではあります)
スゥルタイミッドレンジは同型にシフトするとそれ以外のデッキに弱くなってしまうというのがデッキビルドの難しさです。決してスゥルタイが弱いから勝率が低かったわけではなく、メタゲームの結果と捉えるほうが良いです。
ヒストリックはザックリ言うと「ジャンドサクリファイスの隆盛→《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》入りスゥルタイミッドレンジの増加→3色スゥルタイミッドレンジの増加→3色スゥルタイの爆発的増加により同型対策スゥルタイの増加」そして現在(今回のリーグウィークエンド時点)というのが主なメタゲームの流れになっており、メタゲームを読むことの重要性を改めて感じさせられます。特にリーグウィークエンドでは参加者の母数が少ないということもあり、メタゲームを読むことの重要性が他の大会以上に重要なウェイトを占めていますね。実際スタンダードの時でもグルールが溢れているのが明確である中、グルールに対してしっかり勝率が見込めるデッキをチョイスした人が勝ち上がっていましたし、今回も同じような結果になっています。
3強の一つと言われ続けているゴブリンは今回は鳴りを潜めています。スゥルタイが同型対決にシフトした結果投入されている《物語の終わり》もゴブリンには効果的に刺さってしまうので、ゴブリンにとっては不遇な状況が続いています。
まとめ
スゥルタイミッドレンジが隆盛する中、同型体系にシフトしたスゥルタイミッドレンジの隙を突いたジャンドサクリファイスとグルールが高い勝率を示す結果になりました。
これからは過度な同型シフトをしないスゥルタイミッドレンジ、具体的には《致命的な一押し》を採用したタイプにシフトしたりと変化していくかもしれません。今回の結果を受けてもスゥルタイミッドレンジがメタゲームのトップであることには変わらないと思いますが、また少し前のようなタイプのスゥルタイに変化していくかもしれませんね
そして、MTGアリーナ特有のセットであるヒストリックアンソロジーの第四弾も開発中とのニュースが発表されています。今後もヒストリックに要注目です!
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