MTGアリーナキューブドラフト解説
MTGアリーナで定期的に開催されているイベントであるキューブドラフトについて解説します。
この記事では2021/06頃に行われているキューブドラフトに含まれているカードを対象に解説します。ですが恐らくMTGアリーナの他のキューブであっても通ずる部分はあるかと思いますので、よろしければ参考にしてください。
アーキタイプを意識してドラフトする
他のドラフトにおいてもそうではあるのですが、キューブドラフトもまたアーキータイプを意識してドラフトすることが重要になります。
アーキータイプとはデッキのコンセプトのことや構成のことを指します。キューブでは個々のカードが強いため構築デッキに近い強さを持つデッキが組めます。そのためアグロデッキは勿論のこと、青いコントロールデッキ、コンボデッキ、トークンデッキ等々、構築デッキで強いと言われるデッキをキューブドラフトで再現するということも可能なのです。
アーキタイプが明確、かつデッキ内のカードがそれぞれシナジーを持てていればいる程強力なデッキとなる可能性が高まります。キューブドラフトは強力なカードばかりですからデッキで差を付けるにはシナジーがより重要になります。
土地のピックも重要
キューブドラフトではレアの土地も多く、3色以上のデッキを組むことも比較的容易ですが、マナベースが強固で安定していることも強いデッキである条件の一つです。特に2色以上のデッキならば2色ランドを複数枚デッキに組み込むことは重要ですし、単色なら能力を持つレア土地を採用することも重要になります。
マナベースにもしっかり気を配ってカードをピックするようにしましょう。
ファーストピック候補
ドラフトにおいてファーストピックは基本的にパック内で最も強いカードをピックすることになります。
ですが、ことキューブドラフトにおいてはファーストピックがなかなかに難しいのです。キューブドラフトでは平均的にカードが強いため、そもそも強さ基準で選ぶという判断が難しかったりするのです。
そんな悩ましいファーストピックですが、以下の基準でピックすると良いでしょう。
- 一枚でアーキタイプやゲームを決定付けるカード
- どんなデッキにも採用しやすい汎用性が高いカード
一点目の基準について、いくらキューブドラフトのカードパワーの平均値が高いと言えども一枚でゲームメイクできてしまうようなカードはそこまで多くはありません。例えば以下のようなカードがあげられます。






《死者の原野》はヒストリックで禁止されているカードですがキューブドラフトにおいてもやはり強力なカードです。このランドをサーチできるカードを組み合わせて使いたいところではありますが、キューブではレア土地が豊富にあるため無理な構築をしなくても青いコントロールに《死者の原野》を指して使うことも出来たりするくらい強力なカードです。
《失われた宝物庫の学者》は場に出た時に得られるアドバンテージがあまりにも強力。《スカラベの神》は場に残っていたらこれ一枚で勝ててしまう強力無比なクリーチャー。《エンバレスの宝剣》と《グレートヘンジ》はスタンダードでの暴れ振りからもはや説明不要でしょう。
一枚以外に思えるであろう《テフェリーの後見》ですが、これは管理人イチオシという意味でも掲載しました。基本的にはコントロールデッキのお供として使いたいカードですが、これが見た目以上に強力なのです。ドロー手段が豊富なキューブではこれを置いているだけで自然とライブラリーアウト勝ちが狙えます。コントロールのような遅いデッキも多いキューブドラフトではこれを置いて適当に盤面に対応しているだけでゲームが終わってしまうこともしばしば起こります。実際使ってみて評価が大きく上がったカードです。
2点目の基準として汎用性が高いカードとなりますが、例えば以下のようなカードです。



《悪魔の教示者》は黒いデッキならデッキに入れないことはほとんどありませんし、《寓話の小道》は2色以上のデッキならデッキに入ることでしょう。無色であるアーティファクトは全体的に汎用性が高いですが、特に剣シリーズのように強力なカードはデッキに入る可能性も高いでしょう。
こういった無難なところからピックを始めて、後のカードの流れを見て空いてそうな色をピックしていくというのも良い方法です。
アーキタイプ解説
いくつかキューブドラフトで想定されるアーキタイプについて解説します。ここで紹介していないアーキタイプも存在しますので是非探してみて下さい。
《死者の原野》デッキ
アーキタイプというより固有カード名になっていますが、《死者の原野》を中心に据えたデッキです。構築でも大暴れしているカードであり、その強さは折り紙付きです。土地なので対処される可能性がほとんどないというのが強みです。特にロングゲームになるとまず負けないと言える強さです。《死者の原野》をサーチするカード、マナ加速系、各種土地を中心にピックすることになりますが、序盤に押し切られてしまわないようにクリーチャーを一掃できる除去カードも重要です。カラーとしては緑中心としながらも《不屈の巡礼者、ゴロス》を入れた5色デッキというのも構築することができます。
重要:《死者の原野》《不屈の巡礼者、ゴロス》《ウルヴェンワルドのハイドラ》各種レア土地
優先:《探検》《耕作》《豆の木の巨人》《焼けつく双陽》《ムル・ダヤの巫女》
青系コントロールデッキ
構築デッキで存在するようにクリーチャー除去やカウンター呪文でゲームをコントロールしながら、少数のフィニッシャーでゲームの勝利を目指すデッキです。構築デッキを再現するようなイメージでピックすると良いでしょう。キューブドラフトでは人気アーキタイプの一つです。
またフィニッシュ手段として《テフェリーの後見》などでライブラリーアウトを狙うことも可能です。
重要:《奔流の機械巨人》《失われた宝物庫の学者》《スカラベの神》《テフェリーの後見》
優先:各種クリーチャー除去カード、カウンター、ドロースペル
白緑+1/+1カウンターデッキ
+1/+1カウンターのシナジーを中心としたデッキ。クリーチャーがあっという間に大きくなるためクリーチャー同士のコンバットには特に強いデッキです。
《聖戦士の進軍》が場に出ると非常に強力で、特に《活性機構》との2枚コンボはでたらめな強さです。またトークンデッキとハイブリッドにするのも良いでしょう。
重要:《議事会の導師》《聖戦士の進軍》《活性機構》《光輝王の野心家》
優先:《ドロモカの命令》《新緑の機械巨人》《ピーマの改革派、リシュカー》《寛大なる者、アジャニ》増殖持ちカード
緑ランプデッキ
緑のランプ呪文からマナ加速し、高コストの強力な呪文を早期に唱えてゲームの勝利を目指すデッキ。
キューブドラフトは強力なカードが多いためそれらの呪文をプレイして楽しみたいというプレイヤーが多いためか(?)、割と人気のあるアーキータイプのようです。が、あまり強いデッキにならないことが多いので管理人としてはそこまでおすすめしないデッキタイプです。
重要:《探検》《耕作》などのランプ呪文、高コストのフィニッシャー
優先:アーティファクトや緑クリーチャーのマナ加速
緑黒白リアニメイト
墓地に強力なクリーチャーカードを落とし、墓地からクリーチャーを場に戻すといったリアニメイト呪文により早期に強力なクリーチャーを展開するデッキです。
緑黒白としてはいますが、赤には《信仰無き物あさり》といったディスカード手段が存在するので赤を含めるのも良いです。ちなみに管理人はこのタイプの強力なデッキが作れた試しが殆どないこともありあまりおすすめはしません。
重要:《掘葬の儀式》《骨への血》などのリアニメイト呪文。《囁く者、シェオルドレッド》などの強力なクリーチャー。
優先:《縫い師への供給者》《忌まわしい回収》などの墓地へクリーチャーを落とす手段。
赤黒サクリファイス
構築でもお馴染みのラクドスサクリファイスです。生け贄に捧げるシステムクリーチャーと《初子さらい》のような相手クリーチャーのコントロールを得るカードを組み合わせて、相手の陣営を崩壊させることを狙うアーキタイプ。カード間のシナジーが特に重要なアーキータイプなのでカードの流れが良いときでないと失敗しやすいアーキタイプなので注意が必要です。
重要:《忘れられた神々の僧侶》《悲哀の徘徊者》《血の芸術家》《波乱の悪魔》《イマースタームの捕食者》
優先:《死の飢えのタイタン、クロクサ》《縫い師への供給者》《ティマレット、死者を呼び出す》《災いの歌姫、ジュディス》《初子さらい》《反逆の行動》
赤単
赤単はいつでも存在します。それはキューブにおいても例外ではありません。特定のカードに依存しないのが本デッキタイプの良さの一つで、カードの流れを見てから参入しやすいです。
重要:《エンバレスの宝剣》《鍛冶で鍛えられしアナックス》《朱地洞の族長、トーブラン》
優先:《実験の狂乱》《損魂魔道士》《エンバレス城》各種軽コストクリーチャー、火力カード
赤白アグロ
キューブでのアグロとしては赤白も代表的な存在でしょう。白には優秀な軽コストアグロクリーチャーが多く、赤白のマルチカラーにも強力なカードがありますから、強力なアグロデッキを作成することができます。スペルに必要なマナシンボルが多くなりやすい2色ですから2色ランドをピックしてマナベースにも配慮するようにしましょう。
重要:《スカルドの決戦》《エンバレスの宝剣》《ベナリア史》
優先:《稲妻のらせん》白と赤の軽コストアグロクリーチャー
まとめ:キューブドラフトはとても面白いフォーマット
キューブドラフトはイベントの時期によってカードが多少入れ替えて行われます。そしてキューブドラフトはアーキタイプが重要になってきますので、キューブドラフトを行う前にキューブに収録されているカードリストには目を通しておきましょう。そしてどのようなアーキタイプが組めそうなのか考えてみてください。まずはそれが大事なことだと思います。
そして、キューブドラフトは通常エキスパンションとは異なりパック内にレアが一枚という制限もないためカードパワーは通常セットとは段違いに強力になっています。それ故によりダイナミックなゲーム展開となりますので、キューブドラフトはとても面白いフォーマットであると言えるでしょう。
管理人はキューブドラフトが開催されているタイミングでは欠かさずプレイするというくらいキューブドラフトを楽しんでいます。もしプレイされたことがない方は是非プレイしてみてください。きっと虜になると思いますよ。
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